リーマンショック後の景気対策 定額の給付金は何が問題?

景気対策が見えてきました

政府の景気対策が出揃いそうです。
今回の目玉は、「定額の給付金」と「住宅ローン減税」です。

今回注目したいのは、定額の給付金の方です。
個人としては、お金が戻ってくるのは単純にうれしいことです。
しかし、批判的な意見をもっている人も多いのも事実。
給付金を配ることでどんな効果が期待できるのか、何が懸念されているのかを調べてみました。

定額の給付金の効果は?

給付金の主な目的は、現金または同等のものを支給することによって、個人の消費が増えることを期待することです。
個人の消費が増えると、企業の売上げが増えます。
その結果、企業は設備投資を増やしたり、従業員の給与を増やすことになります。
また、個人消費が活発になることで、株価を支える効果も期待できるでしょう。

もう一つ、効果があると考えられるのが、貧困層への生活支援になると言う点です。
今回は、一律に給付する形になりそうですから、収入が少ない世帯にも給付があるわけです。
景気悪化の懸念で一番影響がでているのが、年金生活のお年寄りや、ワーキングプアと呼ばれる人たちです。
日雇派遣で働く人たちなどは、景気の悪化懸念で確実に仕事が減っているでしょうから、かなりの影響が出ているはずです。
そういう人たちの生活を支える効果が期待されているのです。

問題点は?

一方、この給付金に批判的な人は、どこに問題があると考えているのでしょうか?

給付金をネガティブに考えている人達は、給付金を配布しても景気に与える効果があまり期待できないと言う点を問題視しているようです。
つまり、使った金額ほどの経済効果は出てこないだろうと考えているのです。

給付金が配られたあと、受け取った人たちが買い物を増やせば、政府がもくろんでいるような経済的な波及効果があるはずです。
しかし、景気の悪化懸念がある今、給付金をもらっても消費が大きく増えるわけではないと考えれます。
景気が悪いから、もらった給付金は貯蓄に回す可能性が高いのです。
そうすると、景気対策の規模のわりに、効果があまり出ないということになりかねません。

実は、このような失敗は以前既に経験があります。
1999年に地域振興券という商品券を配るという経済対策をしたことがあります。
そのときは、まさに上に書いたような失敗があったようです。
即ち、地域振興券を配っても消費をするのではなく、貯蓄に回った部分が多かったと言うことです。

1999年、経済企画庁は振興券を受け取った9,000世帯にたいしてアンケート調査をおこない、振興券によって増えた消費は振興券使用額の32%であったとしている。つまり残りの68%が貯蓄にまわされたり振興券がなくても行われた消費に使われたということである。
ウィキペディア 地域振興券

上の記述からもわかるように、実際の景気刺激に役立ったのは全体の三分の一程度と言うことです。
景気対策という意味では、疑問が残る数字と言わざるを得ませんね。

もう一つの批判は次のようなものです。
「政府は選挙対策のために給付金をばら撒いている」
まあ、これに関してはどんな景気対策をやっても出てくる類のものでしょう。
景気対策というのは、政府がお金を使って景気を刺激すると言うことですから、その結果誰かが得をするわけです。
その観点から見れば、何をしてもばら撒きだという批判は出来るはずです。
たしかに、国民全員にお金を渡すと言うのは、最も露骨なばら撒きだとは思いますが。

公共事業という選択肢は?

さて、今回の景気悪化は世界恐慌の懸念すらあると言われていました。
さすがにここに来て、そこまで強いことを言う人は減ってきましたが。

世界恐慌で思い出すのがアメリカのニューディール政策です。
何をやったかというと、大規模な公共事業をやったのです。
ウィキペディア ニューディール政策

個人的には恐慌と言うと公共事業を想像してしまいますが、今回に関しては公共事業を増やせと言う人は見受けられません。
一律の給付金に批判的な人たちですら、公共事業を増やせと言う意見では無いようです。

公共事業なら、政府が使ったお金は確実に建設業者などの売上げになります。
業者は人も雇わなければならないので、雇用対策にもなります。
公共事業には物資も必要なので、関連する業界も潤うことでしょう。

景気対策の効果という点で見れば、はるかに公共事業のほうが効果があるはずです。
給付金のばら撒きよりは、政策としては、筋が良いような気がするのですが。
政治家の人たちは、公共事業を口にすると、悪いイメージが付くと思っているのかしら?
確かに、小泉改革以降はボロクソに言われましたからね。
イメージを気にする政治家は言い出しにくいのかな?

まあ、確かに、ほとんど利用されていない、豪華な建物も多いみたいです。
難しい所ですね。

まとめ

公共事業という政策が取りにくいのは理解します。
でも、景気対策にお金を配るのは少し抵抗があります。
個人的には、公共事業以上に筋が悪いのではないかと思います。
何か他の方法が無かったのでしょうか?

2008年10月30日

スポンサードリンク