<麻生首相>3年後の消費税上げ「景気回復が前提」

消費税を上げないといけないのはなぜ?

社会保障と消費税について勉強してみた

麻生首相が景気回復を前提としながらも、消費税のアップに関して言及したようです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081031-00000051-mai-bus_all

ここ何年か政府は消費税を上げようと考えているようです。
選挙結果などに直接響くようなので、はっきりということはできないようですが。

なぜ、消費税のアップが必要なのでしょうか?
議論の多い問題で、難しい問題なので、うまくまとまるかわかりません。
とりあえず、主要な部分だけは整理してみました。

なぜ増税が必要か

結局社会保障というのは、みんなからお金を集めてそれをもとでに必要なサービスをしましょうという仕組みです。
必要なサービスというのは、医療を受けやすくするための健康保険とか、年を取って働けなくなった人のための年金などですね。
こういう制度がないと、弱い人が生きていくのは難しいです。

さて、「弱い人たちのところに行くサービスを厚くしよう」と思えば、みんなから集めてくるお金を増やさなければなりません。
つまり、増税する、あるいは社会保障の保険料を増やすなどしてお金を集める必要があるのです。
逆に、「たいしたサービスは無くても良い、自分のことは自分でやりましょう」というコンセンサスがあれば、みんなから集めてくるお金は少なくて済みます。
つまり、将来の減税につながるのです。

現在の日本の問題は、今後高齢者の割合が増えるということです。
高齢者が増えた状態で、現状のサービスを維持しようとしたとしましょう。
サービスを必要とする人たちは当然増えるますから、今よりもお金がかかります。
つまり、国民一人一人から取ってくる税金や社会保障の保険料を増やす必要があるわけです。

もちろん、無駄な経費を減らして、それを社会保障にあてるという手もあります。
でも、それだけで今後の必要経費の増加分を補うのは不可能です。
つまり、将来的には何らかの形で、国民からお金を取ってこないといけません。

あと、社会保障のサービスを落とすという手もあります。
例えば、健康保険の自己負担割合を5割にするとか、国民年金の受給額を半分にするなどの方法でサービスを落とせば国民の負担増をなくせるかもしれません。
今後、出生数が増えなければ、ありえる話だと思います。

ということで、社会保険というのは単なる再配分のシステムです。
手厚いサービスを維持するかわりに税金・保険料の負担を増やすか、サービスを落とす代わりに税金・保険の負担を増やさないかという選択なんですね。
今のままのサービスを保って欲しい、でも負担が増えるのはイヤというのは、無理な話なのです。

増税に関する補足

実は、高齢者が増えるという点以外にも、税金を増やさないといけない事情があります。

国民年金というのは、国民の負担する保険料のほかに税金も使って運営しています。
現在の割合は、保険料が2/3で政府の負担(つまり税金)が1/3となっています。
しかし、将来的(2009年まで)には政府の負担が上がり、保険料と政府負担が半々になるのです。
つまり、政府にとっては出費が増えるわけで、そのお金をどこかから集めてこないといけません。
そのために増税ということを考えているのです。
まあ、税金のためのお金を増やすという意味では、上の議論の延長線上にある話です。
しかし、こちらの話は政府負担開始の時期が決まっているためより緊急性が高い話であるといえます。

直接税か間接税か保険料か

さて、現状の水準の健康保険制度・年金制度を維持しようと思った場合、いまよりもたくさんのお金を集める必要が出てきます。
同水準のサービスでも、サービスを受ける人が増えるから、お金が必要になるわけです。
問題はどこからお金を集めてくるかです。

可能性①直接税

直接税というのは、ここでは所得税のことを指しています。

所得税の税率を上げて、社会保険料をまかなおうという考え方です。
所得の低い人の税率をあげないで、所得の多い人の税率を高くしようという考え方が一般的です。
リベラルな政党は金持ちの税負担を増やし税収を上げるべきだと主張しています。

ただ、現行制度で所得税の最高税率は40%です。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htm
その上、住民税の支払があるわけですから、稼いでいる人はその稼ぎの半分を税金に取られることになります。
個人的には、税金として所得の5割以上を取るというのはどうかと思います。
仮に、民主党政権になっても、所得税アップは言わないような気がします。

もう一つの税収を上げる方法は、課税最低限を下げることです。
難しい言葉なので簡単に説明します。
現在の所得税の制度にはさまざまな控除があります。
例えば、仕事をしていない配偶者(おもに奥さんです)がいると、配偶者控除といって38万円控除が受けられます。
つまり所得が38万円少なかったとみなしてくれるわけです。
まだ仕事をしていない16歳未満の子供がいる場合も、一人につき38万円の扶養控除が受けられます。

このような控除を足していくと、低所得者層の人の中には所得税を一円も払っていない人も出てきます。
これらの控除を減らして、広く所得税を払ってもらおうというのが、課税最低限の引き下げです。

最近、議論としてはあまり表に出ていませんが、実際の政策の中では行われています。
例えば、以前は配偶者が働いていない場合、配偶者控除と配偶者特別控除を受けることが出来ました。
しかし、現在の制度では配偶者控除または配偶者特別控除を受けることができるというふうに変更になったのです。
簡単に言うと、配偶者に対する控除の額が減っているのですね。
今後もこのような方法で所得税の税収を増やすということは考えられます。
税の公平性という観点からも、広く薄くという考え方はそんなに間違っていないように思います。
まあ、これには、反対意見も多数おありでしょう。

●可能性②間接税

ここでいう間接税というのは、主に消費税のことです。
今回のニュースはここに触れています。

そもそも、消費税のアップを言っているのは自民党だけではありません。
消費税を上げて、福祉目的税として使おうという提案は、民主党が先でした。
代表が小沢一郎に変わってから、路線転換したみたいだけどね。

現在の自民党は(おそらく民主党も)社会保障のためのお金を集めるためには消費税を増やすのがベストだと思っているみたいです。
なんで消費税がいいと考えているかは正直よくわかりません。
所得税を増やすのは難しいと考えて、消費税にしたのかな?

消費税の税率を上げて、税収を増やそうと主張する人たちは、日本が諸外国に比べ間接税の税率が低いことを根拠に上げています。
ただ、税率が高い国でも食料品などに税金はかかっていません。
その意味で、日本の消費税とは制度が異なります。
税率を上げるなら、日常品には消費税を掛けないなどの変更が無ければ理解は得られにくいでしょう。
この当りの議論は今後活発になってくることと思います。

●可能性③保険料を増やす

最後に考えられるのが、保険料を増やすことです。
しかし、保険料を集める組織である社会保険庁はあの体たらく。
保険料を増やすという決断をしたら、国民がどれだけ反発するかわかりません。
少なくとも、現状では保険料の大幅アップを言い出すのは難しいのでしょうね。

2008年10月31日

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