政府紙幣について色々考えてみた 2/2

●「政府紙幣について色々考えてみた」の続きです。
先に、「政府紙幣について色々考えてみた」をお読みください。


インフレと円安の方が大きな問題です

政府紙幣に関して、もっと本質的な問題は、インフレと円安です。

日本政府が、日本銀行券と同等の価値を持つとして、政府紙幣を発行したとします。
このとき何が起きるかというと、市中に出回る日本円が増えるのと同じ効果があるわけです。
流通するお金の量が増えれば、一般的にインフレと円安が起きます。

現状の日本では、ある程度のインフレと円安は望ましいと考えられます。
インフレが起きると、雇用を増やすのに効果があると考えられています。
また、外需依存の日本経済からすると、円安はプラスの側面が強いのです。

政府の立場からしても、政府紙幣の発行は望ましいという意見があることでしょう。
というのも、政府が自ら紙幣を発行するわけですから、政府の負債を増やさないで済みます。
日本政府は、ただでさえ借金が多いのです。
これ以上の負債を増やさないで済むとすれば、うれしい話ですよね。

しかし、逆に大きな問題もあります。
政府紙幣の最大の問題点は、日本銀行が通貨供給量をコントロールできなくなる事でしょう。
市中の通貨量をコントロールするのが日本銀行の仕事です。
しかし、政府が勝手に紙幣を発行したら、日本銀行の行う通貨政策は意味の無いものになってしまいます。

日銀は政府から干渉されないで金融政策を行う事ができます。
これを日銀の独立性といいます。
しかし、政府が紙幣を勝手に発行すれば、日銀が通貨コントロールできなくなります。
という事は、政府紙幣は日銀の独立性をも損なわせてしまうのです。
これはかなり大きい問題と考えて良いでしょう。


まとめ

思いつくまでに、色々考えてみました。
あまり経験がない問題だけに、やってみないと何が起こるかわからないというのが本当かもしれません。
気づいていない問題も多そうです。

現実的な問題として、政府紙幣も給付金の2兆円に限れば、政府紙幣はたいした影響は無いと思います。
しかし、借金を増やさないで財政出動できるというのは、政府にとっては甘美なものです。
一旦、発行する前例を作ってしまうと、今後も折に触れて発行しようという意見が出るでしょう。
そうすると、政府の財政規律が崩れてしまい、ハイパーインフレなどの大問題を起こしかねません。
今後の規律を維持する事を考えると、慎重派がいるのも納得できる話だと思います。

2009年2月17日

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