長期的な視野で資産を築こうと考えている場合、積立を使うのが一番確実です。毎月自動的にお金がたまっていくので、放っておいてもある程度の資産を作ることが出来ます。
具体的にどんな金融商品を積立てるかですが、投資信託やETF を選ぶのが良いでしょう。単純に貯めるだけでなく、増やすこともできるからです。投資信託やETF を使えば、分散投資でのリスクのコントロールも可能ですしね。
そこで問題になるのが、どんな証券会社を使うと、積立がしやすいのかという点でしょう。その点に関して、チェックしてみましょう。
Contents
投資信託やETFを使う理由
投資信託やETFを使って個人が資産形成をする場合は、積立を活用するのが効果的です。その理由は4つあります。
■ スタートしやすい
まず積立なら、小額から投資を始めることが出来ます。今貯えが無い人でも、月々1万円とか2万円から資産を作ることが出来るわけですね。これならとても始めやすいと思いませんか。
■ 自動的にお金が貯まっていく
積立を使うことで、自動的にお金が貯まっていきます。これは、意思があまり強くない人にはいい方法だと思いませんか。毎月一定額を節約し、コツコツ貯めていくなんて言う事は、とんでもなく意志が強い人以外にはなかなか難しいものですからね。
■ 分散投資がしやすい
長期投資で大事なのは、十分に分散をすることです。個別の株ではなく複数の株で運用する方が良いですし、日本株だけでなく外国株も組み入れる方が良いわけです。投資信託やETF は、こういう分散投資がやりやすいという特徴があります。何本か組み合わせるだけで、簡単に分散投資が出来てしまいます。
■ 手数料が安い
長期投資の場合は、手数料に気を使う事も大事です。ちょっとした手数料が積み重なって、パフォーマンスに大きく影響するからです。この意味でもETF は優れていますし、投資信託の中のインデックスファンドも優れた商品と言えます。ただ、インデックスファンド以外の投資信託の中には、手数料が高い注意すべきものもありますが。
積立に向いた証券会社を探そう
さて、積立投資を始めようと思ったときに、まずしないといけないのは証券会社の口座を作ることです。ただ、どの証券会社でも良いというわけではありません。積立に向いた証券会社を選ぶ必要があるのです。
あ、ちなみに、投資信託を使う場合は銀行で積み立てることもできます。でも銀行は避けておいた方が無難でしょう。積立可能な投信が少ないうえに、積立に対してあまり熱心でないところが多いのです。
さて、それでは、積み立てに向いた証券会社とは、一体どんなものなのでしょうか。
参考:ドルコスト平均法は間違い
積立のメリットに関してちょっと補足をしておきましょう。積立のメリットというと、リスクを小さくできるという事を言う人がいるようです。こうした考えを、ドルコスト平均法と言います。
例えば毎月一定額、株式を積み立てたとします。一定額の積立てなので、株価が高い時にはあまりたくさんの株数を変えず、株価が安い時に多くの株数が買えることになります。ですから、平均して考えると、株価が安い時に積極的に株を買っているのと同じことになるとも言えそうです。こうした性質があるので、積立にするとリスクが小さくなると考える人もいるわけです。
しかし、実際には、積立にはリスクを小さくする効果はありません。説明は省略しますが、積立にしてもリスクとリターンは変わらないと考えるべきなのです。
ただ、ドルコスト平均法が有利ではないとしても、積立は貯蓄をする上では有効な方法ですけどね。
積立投資をするのなら証券会社選びが大事
さて、それでは、投資信託とETF の積立に向いた証券会社について考えてみましょう。
積立投資をするときに大事なのが、どの証券会社を選ぶかということです。証券会社なんてどこでも同じだとお考えの人も多いとは思いますが、決してそうではありません。
そもそも証券会社によって、販売している商品が違うことも多いです。一部の証券会社では、投資信託の扱いがほとんど無いこともあります。ネット証券だと、ETF の積立の取り扱いをしているのは、ごく一部に限られます。
そして、仮に同じような商品を扱っていても、提供しているサービス内容は結構異なるのです。
具体的に言うと、次の点に注意する必要があります。
①積立に対応している投資信託の本数
まず大事なのが、積立が出来る商品がどの程度あるかという点です。
証券会社で積立商品を利用す場合、投資信託の積立をするのが一般的でしょう。ただ積立てることができる投資信託の数は、証券会社によって大きく異なります。
大げさでもなんでもなく2桁くらい違うことがあるのです。そもそも全く投資信託の積立てに対応していない金融機関もあれば、何百本単位で積立可能な投資信託を用意しているところもあります。
②株式の積立ができるのか
投資信託の他にお勧めできる金融商品はETF ですが、ETF の積立に対応している金融機関はおおくありません。野村證券のような大手の場合は、「株式るいとう」という金融商品を使えば積立が可能です。ただ、手数料がちょっと気になります。
それではどうすればいいかですが、この点については後でご紹介しましょう。いいサービスがあります。
③手数料
積立投資では、手数料にも気を配る必要があります。
投資信託の買付をすると、販売手数料という手数料を取られます。この販売手数料は全く同じ投資信託でも証券会社によって違うことが珍しくありません。
実際の投資信託の積立ででは、毎回の手数料は大きくても2%とか3%程度という事が多いです。月々1万円の積立なら、200円とか300円程度いうことですね。しかし、何年にもわたって積立てる事を考えると、結構馬鹿にならない額になります。
これに対処する方法が、インデックスファンドを選ぶことです。インデックスファンドは販売手数料が無料であることが多いのです。1
ただ、インデックスファンドの積立に対応していない金融機関も多いようです。ですから、金融機関のインデックスファンドの積立への対応状況を見て、口座を作らないといけません。
ETF も積立てられる「株式るいとう」の場合は、さらに大きな違いが有ります。
毎回のETF 購入にかかる手数料が各社異なる上に、多くの証券会社ではるいとう用の口座を持っていると年間3,000円の手数料を取られる事があるのです。2
これも長期で考えると、かなりの額になると思って良いでしょう。
④小額から投資ができること
投資信託や株式を積立てる場合、一つの銘柄につき月々1万円からというのが一般的です。しかし、月々1万円というのは、多くの個人投資家にとっては厳しい数字と言って良いでしょう。
多くの個人投資家にとって、毎月の積立額は5万円以下でしょう。せいぜい2万円とか3万円という人が多いと思います。
ということは、一つの金融商品について毎月1万円からしか投資できないとなると、毎月の投資額が例えば2万円しか無い人は、2つしか選べません。
リスクを減らすためには、分散して投資することが望ましいです。そうなると、2つにしか分散できないというのはちょっと問題なのです。
しかし、一部の証券会社では、一つの金融商品につき100円から投資信託や株式の積み立て投資することができます。こういう証券会社を使うと、毎月2万円とか3万円の予算でも、十分に分散して投資をすることが可能です。
どこの証券会社で積立投資を始める
ここまでの話を、もう一度整理してみましょう。証券会社を選ぶポイントは次の4つです。
- 投資信託積立の本数が多い事
- 株式の積立が出来ること
- 手数料が安いこと
- 小額から積立ができること
証券会社を選ぶ基準は見えてきました。
それではここからは、では以上の条件を元に、実際にどの証券会社を選べばいいのか見ていきましょう。具体的にどんな証券会社を選んだらいいのでしょうか?
大手の証券会社は避けよう
投資信託の積立も「株式るいとう」も利用できるという意味では、大手の証券会社を利用するという手があります。具体的には、野村證券とか大和証券などの証券会社です。
ただ、個人的にはこれらの証券会社を使うのはおすすめできません。というのも、手数料が高いからです。特に、ETF の手数料はネット証券と比べてぜんぜん違います。
同じサービスが受けられるなら、手数料の安い違う証券会社を使う方が良いのではないかと思います。
さらに言うと、大手の証券会社は積立可能な投資信託の数はそれほど多くありません。ちょっと意外ですけどね。ネット証券の方が圧倒的に多いようです。3
また、大手の場合は、これを書いている時点では月々の積立額が1万円からです。はっきり言って、一つの銘柄とか一本の投資信託につき月々1万円だと分散投資は非常にやり難いです。単価が高すぎて、複数の商品を組み合わせ難いわけです。4
彼らがターゲットにしている顧客は富裕層なので、それで十分という考えなのでしょう。
どちらにしても、大手の証券会社は私達が利用する証券会社の候補からは外れます。
投資信託の積立ならSBI証券、ETF の積立ならカブドットコム証券
さて、それでは、具体的にどの証券会社を使えばいいのでしょうか。
投資信託の場合
まずは投資信託からです。
投資信託の積立の場合、積立可能な投資信託の本数で選ぶなら、楽天証券かSBI証券が良いでしょう。これを書いている現在では、この2社が圧倒的に多いです。
SBI証券と楽天証券でどちらかと言うことなら、SBI証券の方がおすすめです。なぜかというと、積立をするための環境整備が楽天証券よりも進んでいるからです。例えば、銀行からの自動引き落しの対応状況は、SBI証券の方が圧倒的に良いようです。
また、顧客満足度という観点からもSBI証券はお勧めです。何度も顧客満足度ナンバーワンのネット証券になっています。5 つまり、積立以外の分野でも安心して利用できる証券会社というわけです。
ETF の積立ならカブドットコム証券
ただSBI証券も楽天証券も、「株式るいとう」などの株式の積立に関するサービスはやっていません。ということは、ETF の積立をする場合は違う証券会社を選び、SBI証券と併用すると良いでしょう。
ETF の積立を考えているのなら、カブドットコム証券がおすすめです。カブドットコム証券では株式の積立も出来るので、両方を一つの証券会社でやりたいという場合も、お勧めできます。
ここも楽天証券やSBI証券と同様、低額の投資信託の積立が可能です。
取り扱う投資信託の本数も十分に有るので、投資信託の積立用としてもおすすめできる証券会社です。SBI証券などと比べると、本数が少ないのは否めないですけどね。6
ちなみにETF の積立には、カブドットコム証券のプレミアム積立(プチ株)というサービスを使います。これは、「株式るいとう」と類似のサービスです。
これも名前から分かるように、株式(ETF含む)も月々500円から株の積立が出来るサービスです。
ネット証券では株式の積立に対応しているところは、私が知る限り他には無いようです。また、大手の証券会社だと株式の積立が出来ますが、その場合は月々が1万円からです。手数料を考えても、ネット証券のカブドットコム証券に軍配が上がるでしょう。
ということで、ETF と投資信託の両方の積立を考えるなら、カブドットコム証券を選ぶのが良いでしょう。
まとめ
現在の状況で積立投資を考えるなら、SBI証券かカブドットコム証券を選ぶのが自然でしょう。投資信託の積立だけならSBI証券、ETF の積立も考えるならカブドットコム証券という選択になりそうです。
他の証券会社でも投資信託の積立投資は可能ですが、使い勝手や手数料の観点から考えると、少し劣ります。
興味があったら、とりあえずチェックだけでもしておいてください。
- 某大手銀行が扱っている金融機関が扱っているインデックスファンドが、販売手数料を取っていて驚いたことがあります。どれだけがめついのかと思ってしまいました。 [↩]
- 補足:さすがに最近は、この仕組みは廃止しているところが多いようです。証券会社も、以前のような殿様商売は難しくなってきているようです。 [↩]
- 2016年12月追記:最近になって、大手の証券会社も、だいぶ手数料が安くなったようです。また、積立可能な投資信託の本数も増えてきているようです。さすがに、このままでは、ネット証券と勝負できないという判断があったのでしょう。ただ、それでも、まだSBI証券などの大手ネット証券の方が有利な条件で投資が出来そうです。差が縮まっただけで、逆転したわけではありません。 [↩]
- 2016年12月追記:月々の積立額に関しても、大手証券会社は柔軟な対応をするようになっています。例えば、大和証券は1,000円から積み立てが可能です。ただ、野村證券は、いまだに5,000円からしか対応していないようですけど。 [↩]
- 2016年12月:例えば、2016年「オリコン日本顧客満足度ランキング」でも1位になっています。 [↩]
- 2016年12月追記:積立可能な投信は、963ファンドに増えていました。これだけあったら、とりあえず本数としては問題なさそうです。ただ、SBI証券はさらに多く2,000本以上あるようですけど。 [↩]
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とりあえず一つ選ぶならSBI証券
小さいものまで含めると、日本にはたくさんのネット証券があります。そんな中で、一つを選ぶのはとても難しいことです。
ネット証券選びは意外と重要なことです。手数料も取り扱う商品も、各社ぜんぜん違いますからね。本来は時間をかけて選ぶべきでしょう。
ただ、ネット証券を選ぶのにそんなに時間をかけていられないと言う人も多いはずです。そんな人は、SBI証券を選んでおくのが無難かもしれません。
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