銀行の自己資本比率に関する解説記事がでてきました

自己資本比率の規制緩和に関する解説記事

先日紹介した銀行の自己資本比率算出のルール変更に関するロイターの解説記事が出ていました。
(参考:銀行の自己資本比率の計算を変えるだけで貸し渋りがなくなるの?
日本語で書かれているはずなのに、ほぼ暗号ですね。
内容が専門的なので、かなり詳しい人以外は理解が難しいかも。

自己資本規制見直し、金融行政の根幹を揺るがすおそれも
金融庁は銀行の自己資本比率規制について、2008年12月期から2012年3月期決算までルールを変更すると7日に表明したが、金融行政の根幹を揺るがすおそれがあるとの指摘が金融界から出ている。
ロイター 2008/11/10

ポイントを整理してみました。
整理しても、尚わかり辛い。

国際基準行はバーゼル合意という国際的な合意があり、制度設計で苦慮した

バーゼル合意というのは、いわゆるBIS規制のことを指すのだそうです。
(参考:ウィキペディア:BIS規制
簡単に言うと、自己資本比率が8%を割り込む銀行は、国際業務ができないという規制です。

国内業務しかしていない銀行に対しては、株価が下落しても自己資本比率が下がらないというルールにすることができました。
しかし、国際業務をしている銀行の場合はBIS規制があるため、勝手な変更ができなかったというわけです。
そのために、色々と工夫をしたようです。

今回の案は、計算方法を変更するだけであり、小手先の対策に過ぎない

自己資本比率の計算方法を変えても、銀行にどこかからお金が入ってくるわけではありません。
計算方法の変更だけで、貸し渋りがなくなるというのは無理があるという考えもあるようです。
銀行の経営に無理があると考えたら、貸し渋りを止めようとは思わないでしょう。

また、金融庁も別の形で行政指導する可能性があり、今回の措置だけで、銀行が貸し出しを増やすとは限りません。

公的資金を入れて、銀行の自己資本を増やさないと、根本的な改善にならないのかもしれません。
また税金をという感じもしないではないですが。

会計上の自己資本比率低下は避けられない

今回の案は、銀行の健全性をチェックするときの計算方法を変更しようというものです。
銀行の決算のルールが変わるわけではないのです。
会計書類を見れば、銀行が株式でどの程度損をしているのかは簡単にわかります。
株式の含み損が大きいことがわかれば、銀行はお金をかりにくくなり、結果的に貸し出しを増やすことができない可能性も大きいでしょう。

日本の銀行はそもそも株を持ちすぎである

今回のように株価の変動が銀行の自己資本比率に大きく影響するのは、そもそも銀行が株式を持ちすぎだためという批判もあるようです。
株式を持っていなければ、株価が下がっても自己資本比率は変わりませんからね。
バブル後に持ち合い解消の売りがずいぶんあったような気がしたのですが、まだ不十分ということのようです。
ただ、銀行が企業に対しての影響力を持とうと思えば、株式の保有が効果的だということなのかもしれません。

将来、同じような問題を繰り返さないためにも、銀行の株式保有は減らしていくべきなのかもしれません。

2008年11月10日

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