GMは存続することができるのか?│GMの株価が65年ぶりの安値水準

GMの株価が下がっているようです。

2009年第1・四半期に手元資金が最低必要な水準を下回る可能性をめぐる懸念が根強い。

要するに、手持ちのお金が無くなるわけですね。

米GM株が65年ぶり安値水準

65年前というと、第二次世界大戦の最中ですね。
まさに歴史的な安値水準です。

歴史的な安値とか言っているうちはまだいいのかもしれません。
少なくとも、潰れてはいないから従業員が路頭に迷うことも無いでしょうし。
でも、ここまで来ると破綻する可能性も考えられます。

ここ数年GMを含めた米国の自動車産業のに関してはいいニュースをほとんど聞きません。
印象だけで言うと、相当やばそうな気もします。
そこで、実際の所どのくらいヤバイのか調べてみたいと思います。

GMの時価総額

まず、GMの時価総額です。
これを見ると、市場がGMをどの程度に評価しているかわかります。
時価総額とは、「株価×発行済み株式数」で求められる数字です。

この数字が何を現しているかというと、「その企業を現在株式市場で取引している価格で買い取ろうとしたときに、いくらあれば買い取れるか」という理論値がわかります。

企業を買収しようと思ったときに、総額いくらかかるかという目安になる数字と言っても良いでしょう。
まさに、企業の時価を現している数字です。

米Yahoo!Financeによると、1.65ビリオン・ドルということです。
大雑把に言って、1,600億円くらいですね。
ずいぶん安いなぁと言うのが最初の印象でした。
正直、計算を間違ったかと思いました。

ちなみに、同業のトヨタ自動車の時価総額は、103.16ビリオン・ドルですから、約10兆円位です。
ということは、株式市場はGMの価値をトヨタ自動車の60分の1くらいだと思っているわけです。
これは驚くべき数字ですね。

借金漬けのGM

さて、GMは何でここまで低く評価されてしまったのでしょう?
それを見るために、GMの貸借対照表を見てみましょう。
http://finance.yahoo.com/q/bs?s=GM

これをみると、衝撃的な数字が並んでいます。
とりあえず、直近の数字を見ましょう。
単位は1,000ドルです。
「資産136,046,000」「負債193,016,000」「資本-58,040,000」とあります。
この数字が何を意味しているかというと、GMは自分の持っている資産以上の負債があるということを意味しています。
つまり、今GMが会社を解散した場合、GMには何も残らないわけです。
そして、お金を貸している人たちも、貸したお金を取り返すことができない状態になっているのです。
しかも、そのマイナスが時間を追うごとに大きくなっているのもわかります。
普通の企業なら、とっくに倒産している状態と言って良いでしょう。
こんな状態だと、運営資金も借りられないですからね。

この状態でも生き延びられているのはGMという看板があるからに他ならないと思います。
お金を貸している人たちも、

  • GMという看板があるから、最後は他の企業が買収してくれるだろう
  • アメリカの象徴的な企業であるGMを政府がつぶすはずは無い

というような思惑でお金を貸している気がします。
でも、外資も政府も手を差し伸べなかった場合…。

破産したらどうなる?

ところで、GMの従業員数はおよそ266,000だそうです。
http://en.wikipedia.org/wiki/General_Motors
ある程度の都市の人口に相当するくらいの人が働いています。
さらに、下請け会社・販売会社・関連業界の従業員数まで入れると、かなりの数になります。
この会社をつぶしてしまうと、アメリカ経済への影響はかなりのものになりそうです。
現在の経済状況の下で、米政府はGMに手を差し伸べないでいられるかどうか気になる所です。
仮にGMが破綻となると、景気が更に悪化することは避けられないでしょうから。

ただ、一企業の救済というのは、自由経済の原則に反します。
米政府としては、最も取りたくない政策の一つでしょう。
近々、米政府はまたしても悩ましい決断をしないといけないのかも。
興味深い所です。

建て直しはできるのか?

このレベルまで財務状態が悪くなった現在、GMが自らの力で再建できるのでしょうか?

現在の状況を見る限り、いい兆候はみられません。
まず、今後数年間は米国経済の落ち込みが予想されています。
そもそも、売れる商品を作れていないという、企業の本質的な問題もあります。
これだけ借り入れが多いと、借金の利払いだけでも相当の負担になるでしょう。

自主的に再建できる余地は少ないと考えざるを得ません。

そうなると、他社による買収や合併が考えられます。
実際、クライスラーとの合併を模索しているというニュースもあるようです。
潰れそうな企業同士がくっついても、あまり意味はないと思いますが。
また、GMがトヨタ自動車に対して支援要請をしているという報道もあります。
確かに、時価総額だけを見れば、トヨタがGMを買収する事だって可能です。
ただ、それがトヨタにとってメリットがあるかどうかです。

もう一つの可能性は、政府による支援です。
上に書いたとおり、GMが破綻ということになれば米国経済に与える影響は甚大です。
米国政府として、そんなことが容認できるのでしょうか?

果たして、来年の今頃GMという会社は残っているのでしょうか?
本気で心配するレベルになっているように見えます。

2008年11月12日

スポンサードリンク