FRB がアメリカの中央銀行であることは、ご存知の方が多いでしょう。ただ、日本の中央銀行である日銀とは、少し異なる部分もあるようです。
両者を比較する形で、類似点や相違点をチェックしてみましょう。
日本銀行とFRB の違いは?
日本で金融政策を行っているのは、日本銀行です。これに対して、アメリカで金融政策を行っているのは、FRB です。
でも、FRB って、ちょっと分かりづらいんですよね。仕事が日銀と似ているということくらいしか分かりません。
そこで、日本銀行と比べてどんな部分が似ていて、どんな部分が異なるのか、簡単にチェックしてみましょう。
そもそも何?
日本銀行やFRB というのは、そもそも何なのでしょうか。まずはそこから見てみましょう。
日本銀行とは
日本銀行は日本の中央銀行です。法律上は、日本銀行法に基づく認可法人です。
財務省が所管します。つまり、法律上は財務省の下に日銀があるというイメージですね。1
FRBとは
実は、FRB と呼ばれるものは2つあります。これが非常にややこしい点です。
一つは、連邦準備制度理事会 (Federal Reserve Board)のことで、もう一つが連邦準備銀行(Federal Reserve Bank)です。連邦準備制度理事会が全国主要都市にある連邦準備銀行を統括します。
つまり、理事会としてのFRB の下に、銀行としてのFRB があるわけです。この関係を知らないと、ニュースなどで混乱する事があるでしょう。
例えば、経済ニュースで時々「フィラデルフィア連銀」やら「ニューヨーク連銀」という単語が出てきます。これらの銀行は、連邦準備銀行の一つなのです。
仕事
それぞれの仕事は、どう違うのでしょうか。同じ中央銀行ですから、基本的に似たようなことをしているはずですよね。
日本銀行の仕事
「物価の安定」と「金融システムの安定」の2つが日本銀行の最大の仕事です。中央銀行の主要な役割と考えられています。
もう少し具体的に書くと、次のような仕事があります。2
日本銀行券の発行、流通、管理
決済に関するサービスの提供
金融政策の運営
金融システムの安定に向けた取り組み
国の事務の取り扱い、対政府取引に関する業務
国際業務
この中で特に注目されるのが、金融政策の運営でしょう。金融政策の運営を決定する金融政策決定会合は、必ずと行っていいほど大きく取り上げられます。
ちなみに、金融政策決定会合は、年8回行われます。
FRBの仕事
FRB の主な仕事は、金融政策の決定です。金融政策を通じて、物価の安定を目指すわけですね。この部分は日銀と同じです。
具体的には、日銀の金融政策決定会合にあたる、FOMC(Federal Open Market Committee)という会合で、FFレートの変更などを行います。このFOMC も日銀の金融政策決定会合と同様、年8回ですね。
ただ少し違うのは、「最大限の雇用」というのもFRB の仕事に含まれるという点です。日本では雇用は、厚生労働省の仕事ですね。
雇用と金融は全く関係ないものというイメージを持っている人も多いかもしれません。しかし、金融政策と雇用には、密接な関係があるとされています。
その意味では、中央銀行が雇用に責任を追うというアメリカのやり方のほうが、合理的なのかもしれません。
- その一方で、日本銀行には独立性があるとされています。政治などからの圧力を受けないということです。 [↩]
- 日本銀行はどのような業務を行っていますか?| 日本銀行 [↩]





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