【リスクがつきもの】株式投資にはリスクがつきものです。特に怖いのは投資していた会社が倒産することと、株価が大暴落することでしょうか。【ある程度避けられる】これらを完全に回避することはできませんが。発生確率を小さくすることは可能です。具体的にはどうすればいいのでしょう。
Contents
損をする可能性を小さくするという考え方をしよう
株式投資には損をする可能性があります。しかも、やり方を間違ったり運が悪かったりすると、かなり大損をする可能性だってあります。
普通に売買をするだけなら、投資したお金がゼロに成るだけですみます。でも、信用取引などをしている人は、何度も追証を払って、かなり大きな損失になるケースだってあるでしょう。
また、どんな方法をとっても、損をする可能性は必ず付きまといます。株式投資では損をするリスクをゼロにすることはできません。
しかし、損失の幅を小さくする、少なくとも損が出る可能性を小さくする投資方法は存在するかもしれません。その方法について考えてみました。
株式投資2つの損失の可能性
最初に、どんな場合に株式投資で損をする可能性が有るか考えてみましょう。まず思いつくのが、株価が下がってしまうケースです。
株価が下がりづらい株はあるはず
安く買って高く売るのが株式投資の基本です。ということは、買値よりも株価が下がってしまえば損をするわけです。
株式投資をする以上、株価が下がる可能性はゼロには出来ません。上に書いた通り、これは仕方がない事です。
しかし、株価下落幅を小さくする方法はあるはずです。
倒産し辛い会社の探し方もあるはず
株価が下がることよりもっと危険なことがあります。それは、会社が倒産してしまうという危険性です。
通常は、株価が下がったとしても完全にゼロになるわけではありません。元本が2割減ったとか半分になったということは起こり得ますけどね。通常は完全にゼロにはなりません。
しかし、会社がつぶれてしまうと、多くの場合株の価値は全くなくなってしまいます。これも何とか避けたい事です。
実際、倒産に関しては、かなり回避できると考えて良いでしょう。ただ、会社が粉飾決算をやっていないことが条件ではありますが。
この2つに絞って考えてみましょう
株式投資で損失をする可能性は、上で挙げた株価が下落することと会社の倒産の2つが代表的なものでしょう。この他にも損失の可能性がありますが、とりあえずは上の2つに絞って考えましょう。
PBR で株価が下がりづらい株を探す
PBR という株式指標に注目すると、大きな株価の下落を避けられるかもしれません。PBR は次のように定義されます。
PBR = 株価 ÷ PBS
PBSというのは一株当りの純資産額の事です。株価を一株当たりの純資産で割ったものがPBR というわけですね。
一株当たりの純資産とは
一株当りの純資産額というのは、大雑把に言うと現時点で会社を清算したときに一株当りの株主の取り分の理論値です。
理論値ですので、実際にその金額になるわけではありません。あくまで帳簿上は、そうなるということですけどね。
ですから、純資産額は解散価値と呼ばれることもあります。
PBR とはどんな株式指標?
PBR は株価と一株当りの純資産の比で表されるています。ということは、この数字が大きければ、その企業は帳簿上の価値以上に評価されていると言えます。逆に言うと、株価は解散価値に比べて割高だとも言えますね。
PBRが1を割るような企業は、帳簿上の価値よりも株価が低く評価されているわけです。言い方を変えると、純資産に比べて株価が安いというふうにも言えます。
低PBR の企業は株価が下がりづらいかも
さて、このPBRを使えば、株価の下落幅が少ない企業というのがわかるかもしれません。
例えば、PBRが0.5を下回る企業があるとします。この企業の価値は、帳簿上の価値の半分だと市場は判断しているわけです。あるいは、解散価値の半分の価値しかないとも言えます。
かなり低い評価といえるでしょう。
経営のうまく行っていない企業とはいえ、帳簿上の価値の半分というのはちょっと酷すぎます。常識的に考えれば、ここからさらに半分になる可能性は大きくないように思われます。
例えば、PBRが0.5だった企業の株価が更に半分になるということは、市場はこの企業の価値を帳簿価格の四分の一しかないと評価しているわけです。こんな状態にはなりにくいでしょう。
もちろん、全く無いとは言いませんけどね。確率的に起こりづらいという予想です。
高PBR の企業は簡単に株価が下がる可能性がある
しかし、PBRが10の企業があったとして、この企業が経営の失敗で株価が下がったとします。
株価が半分になったとしてもPBRで5倍はありますね。ということは、失敗の大きさにもよりますが、こんなことが起こっても不思議ではありません。
PBR を見て株価の下がりづらい株を探そう
つまり、PBRが1を大きく割るような株は、株価の下落があったとしても限定的である可能性が高いといえます。もちろん、下がる可能性はありますが、価値が半分になったりという可能性はPBRが高い企業に比べれば低いと考えられます。
ただ、株価が一斉に大暴落するようなじきには、こういう株でも大きく売られることがあります。ですから、完全な対策とはいえませんけどね。
自己資本比率で倒産し辛い会社を探す
自己資本比率というのは「総資本に対する自己資本(株主資本と評価・換算差額等の和)の比率(ウィキペディアより)」です。
自己資本とは、借金を引いた正味の財産
この説明だと何のことかわかりにくいですね。多少正確性に欠けるかもしれませんが、もっとわかりやすい言葉で言い直してみることにします。
まず総資本という言葉ですが、これは「全財産」という意味だと思ってください。そして、自己資本というのは「全財産から借金を引いたもの」だと考えてください。
つまり、会社の全財産から借金を差し引いた正味の財産という意味です。
自己資本比率とは全財産のうちの自己資本の割合
そして、自己資本比率というのは、総資本に対する自己資本の比率です。すなわち、次のように定義できます。
自己資本比率(単位%) = 自己資本 ÷ 全財産 × 100
つまり、全財産のうちの何パーセントが本当に自社のものかを表した数字です。
自己資本比率が低会社は借金が大きすぎる可能性がある
定義からわかるように、自己資本比率が高いということは、全財産の中で借金の占める割合が小さいということです。全財産の中の借金の割合が小さければ、当然のことですが倒産の確率は低くなりますよね。
つまり、自己資本比率が高い企業を投資対象に選べば倒産が避けられ安心だということです。
ということは、逆に言うと、自己資本比率が低い企業は借金が多くて危ない可能性があるという事です。
具体的に自己資本比率が何パーセントなら安心なの?
一番気になるのが、実際に投資対象にするには自己資本比率何パーセント位を選べばいいかという問題です。一般には自己資本比率60%あれば安心といわれています。
自己資本比率60%未満の企業の株式が投資に向かないというわけではありません。しかし、倒産のリスクを避けることを重要視したければ、自己資本比率60%以上というのはチェックしておいていいでしょう。
フリーキャッシュフローに注目する
黒字倒産という言葉を聞いたことがあるでしょうか。名前の通りの意味で、経営的には黒字でも倒産することがあるのです。
どうしてそんな事が起こるかというと、単純にお金がないからです。例えば、売上があっても売り掛け金が回収できなければ、資金がショートする可能性はありますよね。
そういう状況を知るために便利なのが、フリーキャッシュフローです。
フリーキャッシュフロー
フリーキャッシュフローというのは、キャッシュフロー計算書の数字で計算できます。営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを足したものです。
この数字は、簡単に言ってしまうと、企業が自由に使えるお金のことです。
営業キャッシュフローというのは営業活動で入ってきたお金のことです。投資キャッシュフローというのは設備投資などに使ったお 金の収支を表します。
投資キャッシュフローは通常マイナスになるので、営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを足すことで一年の営業と投資 の結果自由に使える現金がわかるわけです。
フリーキャッシュフローが大きい会社は資金繰りに余裕がある
フリーキャッシュフローが大きくプラスになっているということは、自由に使えるお金が大きいということです。つまり、当然倒産の確率は低くなります。少なくとも黒字倒産のような事は置きづらいのです。
キャッシュがたくさんあれば、「借金が返済できなくて…」なんて事は起こりにくいわけです。逆に言うと、フリーキャッシュフローがマイナスだと、黒字起業でも倒産する可能性もあります。
ですから、つぶれない会社に投資するということを大事に考える場合はこの数字が特に重要といえます。最低限フリーキャッシュフローがプラスである必要はあるでしょう。
キャッシュフロー計算書をチェックしてみてください
投資キャッシュフローと営業キャッシュフローは決算書類の一つであるキャッシュフロー計算書から知ることが出来ます。フリーキャッシュフローはそこから計算してください。
単なる引き算ですから、計算方法さえわかっていれば簡単です。
東証一部の会社に投資する
日本の株式市場というと、東京証券取引所第一部市場・第二部市場のほかにマザーズやジャスダックなどがあります。数ある株式市場の中で、安全性を重視するなら、東京証券取引所の一部の会社に投資しましょう。
というのも、東証の一部の上場基準は厳しいため財務が健全な企業しか上場することが出来ません。つまり、東証の一部に上場されているというだけで安全な株である可能性が高いわけです。
これらの基準を使うと投資対象が簡単に絞り込めます
株式投資で、倒産し辛い会社や株価が大きく下がりづらい会社を探すのなら、大体このあたりをチェックすれば大丈夫でしょう。最近はネットで多様なフィルタリング機能が手に入りますから、理屈さえ分かってしまえば絞り込みは簡単です。
フリーキャッシュフローだけは自分で計算しないとダメでしょうけど。他のは範囲指定して検索ボタンを押すだけです。
まあ、銘柄選びの参考になさってください。





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