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中国株投資や投信の問題点| 突然暴落したり、中国政府というリスク要因が存在したり

このページでは、中国株投資の問題点やリスクについて考えてみたいと思います。

中国株には、日本株や他の先進国の株式には無いリスクがあるのです。そのリスクのために、中国株投資が非常に難しくなっている可能性があります。

上海総合指数の暴落とそれに対する中国政府の対処という分かりやすい実例がありますからね。問題点は分かりやすいと思いますよ。

これを読むと、中国株や中国株に投資する投資信託に手を出そうとは思わなくなるはずです。

ファンダメンタルズ分析とは

議論を始める前に、ファンダメンタルズという分析方法について説明しておきましょう。

株式の株価の分析には、テクニカルとファンダメンタルズという大きく分けて2つの考え方があります。

ファンダメンタルズの方は、考え方がとしては非常に簡単です。企業の本来の価値よりも時価総額が安い株式を見つけて買うだけだからです。こういう状態の企業を探すのがファンダメンタルズという分析だと言っても良いでしょう。

ファンダメンタルズには様々な分析方法がありますが、やっているのは正味の話、割安かどうかの判断だけです。割安なら買えばいいし、割高なら空売りすればいいわけですね。

これは外国株でも同じです。まあ、外国株の場合は、為替の影響も考慮しないといけないですけどね。現地通貨ベースでは儲かっても、日本円で見て損をしたのでは、あまり意味がありません。タンス預金の方がマシという話になってしまいます。

中国に関してはファンダメンタルズ分析が通用しないことも多い

一般的な株式投資に関しては、ファンダメンタルズという考え方はここまで書いた通りです。でも、中国に関しては、さらに特殊な要因があるようです。中国政府の事も考えないといけません。

そもそも中国の大企業は、中国政府の要人と何かしらのつながりがあると言われています。中国の投資家は「○○社は共産党の△△と懇意だから成長する」というような分析をするそうです。まあ、これを分析と呼ぶかどうかは微妙なところですが。

さらに言うと、2015年の夏と2016年の年初には、中国政府が上海市場の問題で大暴れをしました。上海総合指数が暴落したのをきっかけに、株式市場を閉めたり、株式の売却を禁止したり、株価の買い支えをしたりと、もう滅茶苦茶でしたね。

中国はまともな市場ではないと思った投資家も多かったのではないでしょうか。そりゃ、突然売買禁止なんて言われる市場は、マトモなはずがありませんよね。

つまり、中国への投資では、ファンダメンタルズだけでは不十分なのです。政府が手を突っ込む可能性まで考慮が必要になってきます。

もっと言ってしまうと、中国投資ではマトモな分析手法が使えないという事なんですよね。それでどうやって投資をするのでしょう。中国政府が、そういう環境を自ら作ってしまいました。

上海市場への介入は、投資家に不信感を抱かせる非常に重たい事件でした。このページではそのあたりの出来事を振り返り、今後の参考にしたいと思います。

2015年の7月頭ごろに、大きな下落がありました

まずは、2015年7月の暴落の経緯から確認してみましょう。

上海を中心として、中国の株価が下げ止まらない状況でした。ギリシャのデフォルト懸念も関連して、かなり大きな問題になっていました。

これに関するロイターの記事が興味深いので、それを引用しんながら経緯をチェックしてみます。1

大きな下げがありました

まず、どのくらい下げたかですが、7月3日の午前だけで7%を超える大幅な下げがあったようです。7%以上下げたのは「滬深300指数」という指数ですね。「滬」という字、なんて読むんでしょう。

午前の中国株式市場は急落、主要株価指数は7%を超える大幅な下げとなっている。

ちなみに上海総合指数でみるとここまで大きな下げでは無いようです。とは言っても、「上海総合指数<.SSEC>は255.2837ポイント(6.52%)安の3657.4831」という事なので、かなり下げているのは間違いありません。

これは突然下げたと言うわけでなく、半月ちょっと前から続いている下げトレンドの一環という事のようですね。

6月12日に売りが始まり、上海総合指数<.SSEC> は2日、4月以来初めて4000ポイントを割り込んだ。

じりじり下げていたのが、ここに来て一気に下げたという感じでしょうか。

市場操作って…

中国の証券当局は、この下落の原因が市場を操作されている可能性があると考えているようです。相場操縦の可能性を調査する方針を示しています。

中国証券当局は、株価急落を受け相場操縦の可能性を調査する方針を示したが、株価下落には歯止めがかかっていない。

でも、この方針の表明は全く効果がなかったということですね。結果的にこんなに株価が下がってしまいましたから。

そもそも、市場操作をしているのは誰なのかという疑問があります。というのも、上海総合指数は1年に満たない期間に2倍になっているからです。これはグラフを見れば一目瞭然ですね。

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凄い勢いで株価が上がっているのが分かると思います。

よほど経済が好調な国でも、株式指数が1年で2倍になるということは珍しいことです。経済の減速が指摘されている中国だと、もはや違和感しか感じません。下げるのは当然とまでは言いませんが、急騰する要因なんて全くなかったのです。

ですから、「そもそも中国の当局が主導してバブルを起こしてたんじゃないの?」という疑問は当然出てくるわけです。実際に、そう思っている人も少なくありません。

つまり、バブル的に急激に上がった株価が、バブルがはじけて一気に下がったというわけです。まあ、妥当な見方でしょう。

それにもかかわらず、相場操縦と言われても、程度の低い冗談としか思えないわけです。「どの口が言っているんだ?」と思ってしまうわけですね。

こんな大見得を切ってしまった以上、何かしらの操作が存在するというポーズはとるのでしょう。もしかしたら、誰かを逮捕したりして悪者にするのかもしれません。

でも、株価への影響は限定的でしょうね。もともと作られたバブルだと思われますから。

自分たちが株価を上げようとしているじゃない

ちなみに、当局は公に株価を操ろうとしているようです。

投資家心理の回復に向け、当局は金融緩和を行ったり、年金基金に株式投資を促すなど様々な措置を講じている。

金融緩和はともかく、年金基金に株を買わせるって、かなり強引な株価操作ですよね。当局にどの程度の影響力があるかは知りませんが、市場をゆがめる行為であるのは間違いありません。

株価操作があると疑いながら、自分達主導でそれをやってしまうわけです。もはや意味不明です。自分達がやる株価操作はいい株価操作ということなのでしょうか。

とりあえず、この段階からすでに、株価の操作が始まっているわけですね。

信用取引が株バブル崩壊の引き金か?

ちなみに、今回のバブル崩壊は、信用取引が問題だという指摘もあるようですね。バブル崩壊だとしても、一気に下げすぎでしたからね。

具体的にどんな内容なのか、チェックしてみましょう。

産経新聞が面白い指摘をしています

まず、次の産経新聞で指摘している内容が参考になります。ちょっと紹介しましょう。

原動力は投資家が借金して株を買う「信用取引」である。利下げのたびに株の信用買いが飛躍し、株価が連動する。国有企業が圧倒的に多い中国の上場企業が発行した株式の大半は市場で売買されない。流通株の時価総額に対する信用買い比率は15%以上に上り、日本のバブル期の数倍以上だ。2

ここに書かれているのは、上海株が上げた要因ですね。上海株を上げる要因になっていたのが、信用取引だという説明です。

バブル期の日本の数倍ということですから、信用取引がそうとう活発だったのでしょう。

ちなみに信用取引というのは、大雑把に言ってしまうと、借金をして株を買うことです。手持ち資金の何倍もの株が買えるので、株価が少しでも上げれば大儲けをすることが出来ます。

しかし、この信用取引が大きくなったことが、大幅な下げの要因にもなっていると考えられます。というのも、信用取引のボリュームが大きくなりすぎると、株価が下がる局面では大きく下げる要因になるからです。

なぜそうなるのか一つずつ説明したいと思います。

信用取引が増えると株価の変動が大きくなる

まず、信用取引をしている人は、ちょっとした株価の下落でも大損してしまいます。少し上げても大きく儲けられるのと反対に、少しの下げでも大きく損をしてしまうのです。

また株価が大きく下がると、信用取引をしている投資家としては、追証と言うお金を入れないといけなくなります。追証と言うのは、信用取引をするための追加の保証金のようなものですね。

要するに、借金をするときの担保を、増やさないといけなくなるのです。それが出来ないとなると、株を売って清算してしまうしかありません。

もともと信用取引が活発だったということなら、今回の上海では、追証を払うよりも売ったほうが得だと考えた人も多かったのでしょう。既に損をしているわけですから、これ以上は損をしたくないと思うわけですね。

要するに、みんな一斉に、ギャンブルから手を引いたような格好だということです。

そして、いったん大きく下がると追証を払う事が出来ない人が増えます。そこでまた下落するというわけです。

こう考えると、大幅下落の理由が良く分かります。もちろん、それ以外にも様々な要因があるのでしょうけどね。信用取引が膨らみすぎていたと言うのは、大きな要因であることは間違いないでしょう。

信用の買い残は過去最高

ちなみに、中国株はまだまだ下がる可能性がありそうです。というのも、Bloomberg の記事によると、信用買い残の時価総額に対する比率が過去最高なのだそうです。3

信用取引というのは、一定の期間内に売却しないといけないことになっています。中国だとどのくらいの期間かは分かりませんが、日本だと6か月以内ですね。

買い残と言うのは、信用取引で買われた株の事を言います。ということは、将来売られることが決まっている株式が大量に存在するということです。

また上に書いたように、信用取引の場合、株価が下がった場合は追証と言う保証金を払わないといけません。これが払えない場合は、株を売るしかないのです。

信用の買い残が多いということは、追証が払えないで売却される株式も多い可能性があるという事です。

つまり、株価が下がっている局面で信用の買い残が多いと言うのは、将来の下落する要因に他ならないわけです。少なくとも、そのリスクを多分に含んでいるのは間違いないでしょう。

信用取引のせいで、下落のペースが速くなったという仮説の説明です。まあ、こういう事も起こっていたのでしょうね。

下げ止まったのは中国政府が買い支えたから?

さて、2015年夏の下落の後、上海の株価はいったん下げ止まりました。ただ、これは、中国政府が買い支えているから下げ止まっているという見方もあったようです。

現代ビジネスの記事によると、中国政府は株価対策に2360億ドル(約25兆円)もつぎ込んでいるのだそうです。4 ちなみに、この試算を出したのはゴールドマンサックスですね。5

ゴールドマンサックスの試算によれば、この3ヵ月ほどで、中国政府が株価下支えに投じた金額は、2360億ドル(約25兆円)にも上るという。

3,000ポイント以下には下げないと言う強い意志が見える

率直に言って、かなりの驚くべき数字です。話半分としても10兆円以上の株価対策をしていることになります。

ちなみに、買い支えるラインも決まっているそうです。上海総合指数で3000ポイントを下回らないようにしているようですね。

実際、上海総合指数のチャートを見てみると一目瞭然です。ここ1月ちょっとは、ずっと3,000ポイントよりちょっと上を維持し続けていると言う感じがします。下がってきても3,000ポイントで買いが入り、少しあげるというチャートになっています。

上海総合

下がりきるのを待てない事情があるのでしょうね

でも、冷静に考えると、やり方が下手すぎると思いませんか?

この手の株価対策って、やるとしても、株価が下がりきってからですよね。その方が明らかに、効果があるでしょう。

下がりきった後なら、数兆円使うだけで爆上げするはずです。25兆も使う必要はありません。非常にもったいないことをしていると言わざるを得ません。

もちろん、それで実体経済の問題が解消されるわけではありませんけどね。株価の対処としては、そうすべきでしょう。

決まったラインで買い支えが入る場合は、市場参加者としてはそれを逆手に取ろうと思うだけですからね。まったくの下策です。

もちろん中国の当局も、下がりきってから介入する方がいいのは分かっているはずです。それでもなお、3,000ポイントにこだわらないといけない理由があったのでしょうね。これより下がると、政情不安になるとかね。

まあ、このチャートを見ると、中国株というのは政府によってコントロールされているのだろうと思わざるを得ませんね。

2016年の年明けに、また下落

中国の当局によって買い支えられた(?)中国株ですが、半年も持たずにまた暴落してしまいます。2016年の年明けの事でした。1月11日の取引で、上海総合指数は5.33%下落で取引を終えています。6

この月から導入されたサーキットブレーカという仕組が株価下落要因になっているとして、金融当局はサーキットブレーカーを中断しています。しかしその後も、さらに下げたのです。

ちなみに、サーキットブレーカーと言うのは、5%以上の変動があったら15分間取引を停止し、7%以上の変動があったらその日の取引を終了してしまうという仕組ですね。つまり、サーキットブレーカーが生きていれば、この日も取引の停止があったということです。

昨年の上海の株式市場を見ていると、国が買い支えて株価の下落を防いでいたように見えます。今年に入り、政府の関与を小さくしたということなのでしょうか。

サーキットブレーカーがあるからと、気を緩めたのかもしれませんね。何にしても、このときには、余談を許さない感じでした。

200ポイント下落が悲観シナリオ?

ちなみに、朝日新聞の記事では、次のような見通しが載っていました。

上海総合株価指数の終値は年明けから約15%落ち込み、昨年9月以来約4カ月ぶりの低水準となる3016・70ポイントまで値を下げた。「昨夏急落した際の底値の2800ポイント台まで落ちるかを試す状況になる」(中国のネットニュース)との悲観的な見方も出ている。

率直に言って、ずいぶん甘い見通しですね。3,000ポイントから10%下がるだけで、2,700ポイントですよね。その程度の下落が起こるのは決して珍しいことではありません。

ということは、2,800ポイント云々と言う話は、下落トレンドの中では起こっても全く不思議ではないのです。ですから、中国の市場関係者の中には、もっと悲観的なシナリオを考えている人だって数多くいるはずです。

誰に気兼ねして記事を書いているのか知りませんが、ちょっと疑問が残る見通しです。ダメージが小さいように見せたいのかなあ。

で、実際にはどうだったかですが、チャートで見る限り2700ポイントくらいまでは落ちていますね。朝日新聞の言う悲観的なシナリオを、簡単に下回ったわけです。個人的には、「この程度で下げ止まって良かったね」という印象です。

まあ、この程度までの下落は、予想していた人も多いでしょう。朝日の記者だって、本当は分かっていたんだと思いますよ。まあ、そうであるとすると、誰のための新聞だという疑問は残りますけどね。

中国政府による株価対策が酷かった

2015年中盤からの暴落で、中国政府はありとあらゆる手を使ったという印象です。

チャートを見る限り買い支えはしているでしょうし、下落した時には売買も停止しています。買い支えはともかく、売買ができないというのは、株式市場としては最悪と言って良いでしょう。

売りたいときにいつでも売れて、買いたいときにいつでも買えるのが本来の市場の姿ですからね。売買できなければ、市場では無いのです。

指数が当局の思った水準ではないので取引停止では、含み損をしている人はポジションの解消も出来ずに持ち続けないといけないという事です。今後も中国株に投資する人は、こうなるリスクを覚悟しないといけないという事ですね。

率直にって、私はそんなリスクを負いたくありません。

さらにもう一つ、悪手とも呼べる手を中国政府は売っています。大株主に株主の売却を禁止したのです。

上に書いたように、売りたいときに売れないのは、市場を殺しているだけなんですけどね。こうするしかなかったのでしょう。

何もしないで下がりきるのを待ってからテコ入れをするのが、最善だったと思うんですけどね。政治的な思惑もあり、そうできなかったのでしょうね。

やっぱり、こんなところの株式やら投資信託は、買いたくないですよね。少なくとも私はイヤです。


  1. 午前の中国株7%急落、相場操縦の調査発表でも下げ止まらず
    ロイター 2015年7月3日 []
  2. 上海株暴落 党による市場支配が株暴落の元凶 異常水準の信用取引
    産経新聞 2015年7月4日 []
  3. 中国株急落で信用買い残の比率が過去最高-対時価総額比
    Bloomberg 2015年7月6日 []
  4. 失業者1000万人で、万事休す!何をいまさら習近平「日本よ、助けてくれ!」 25兆円ブチ込んでも株価は下がる一方
    現代ビジネス 2015年10月3日 []
  5. もともとは「『週刊現代』2015年9月26日・10月3日合併号」に掲載された記事ということです。 []
  6. 中国株また急落、5.3%安 市場の不安ぬぐえず
    朝日新聞デジタル 2016年1月11日 []

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