以前、「1000万円の資産運用をしたいが、どうしたらいいか?」という質問が一番困るという話はご紹介しました。資産運用というのは、ある程度のゴールを想定して行うものです。
ただ、お金を増やしたいといわれても困ってしまうのです。どの程度リスクを取れるのかとか、どの程度時間があるのかとか、さっぱり分かりませんから。
ですから、何となく資産運用をしたいという問いに対しては、「そう言われましても」という反応になってしまいます。ある程度のゴールを決めることが大事なのです。
ゴールが設定できない場合は困ってしまうかも
そうは言っても、今すぐに使い道が無いお金をちょっとでも増やしたいというニーズは確実にあります。そして、将来のゴール設定をするのが難しいという場合もあるでしょう。
例えば独身の人だったら、結婚するまでに少しでもお金を増やしておきたいといニーズがあるかもしれません。こういう場合は、結婚後の生活は想像しにくいでしょうから、具体的なゴールを持てといわれても難しいでしょう。
将来を約束している相手がいるかどうかにもよりますが、独身の時にはいつ結婚するかなんて予想しにくいものです。
あるいは、子供のいない夫婦の場合も、近いかもしれません。子供がいない夫婦の場合は、子供が生まれた段階でプランが大きく変わってしまいます。
子供が生まれた段階でちゃんとしたゴールを設定することにして、当面は出来るだけお金を貯めるというのは取りうる選択です。
こういう場合は、「ゴールを持ちましょう」というアドバイスはあまり意味が無いかもしれません。
もちろん、それぞれの状況でそれぞれのプランは作れるものですけどね。
直感的に理解しやすく実行しやすいプラン
資産運用のゴールを決めたいけど、ゴールがなかなか決められない。あるいは、現在の状況では資産運用のゴールは決めにくい。
そういう状況の人に、おすすめできる方法を見つけたのでご紹介します。山崎元という人の本に載っているもので、取り合えずお金を増やしたいという人なら誰でも利用できます。
また、実行が簡単なので、始めてみたいけど難しくて出来ないということも無いでしょう。
具体的には、次のような方針で運用することをすすめています。
●超簡単お金の運用法2(リスク調整可能型)
(1)当座の生活に必要なお金(たとえば生活費三カ月分程度)を銀行の普通預金に置く。
(2)残ったお金を、内外の株式に投資するETFに、国内株四割、外国株六割の比率で「好きなだけ」投資する。
(3)リスクを取ることに「気が進まない」お金は個人向け国債(10年満期タイプ)又はMRF(マネー・リザーブ・ファンド)を購入する。
(4)大きな支出の必要が生じたら、(2)又は(3)から「躊躇なく」部分解約してこれに充てる。
この運用の基本スタンスとしては、
●生活費は普通預金で確保しましょう
●リスクを取れる部分はETFで株式に投資しましょう
●リスクを取りたくない部分は個人向け国債かMRFで運用しましょう
という3つです。
例えば、月収の手取りが50万円の人が、1,000万円の預金をもっているとします。この人がで200万円くらいならリスクを取ってもいいと思っているのなら、次のように運用することになります。
普通預金:150万円
国内株ETF:80万円
外国株ETF:120万円
MRF:650万円
単純明快ですね。
ちなみに、本の中では、具体的にどのETFを買ったらいいかとか、どうしてこの投資を進めるのかがしっかり説明されています。興味がある人は、先ず本を買ってみてはいかがでしょうか。
700円の新書です。
実行が難しい点があるとしたら…
上のプランは基本的には実行するのが難しくないでしょう。実行が難しくないというのは、とても大事なことです。
ただ、2点だけ気になる点があります。
まず上のプランでは、外国株の運用には、外貨建のETFが指定されています。これは、初めての人には心理的にちょっと抵抗があるかもしれません。
また、実際の購入でちょっと手間取る可能性もあります。この部分は、クリアするのに多少時間がかかるかもしれません。
ちなみに、外貨建のETFはSBI証券や楽天証券のようなネット証券を使うのが便利です。
店舗型の証券会社だと手数料が高いこともありますし、販売に積極的でないという話も聞きます。
行ってみたら扱っていないと断られたとか、違う商品を強くすすめられたなんて事もあるようです。
もう一つ難しいのが、個人向け国債の10年タイプは最近募集されていないという点です。募集されていない以上、買いようがないですよね。
ですから、リスクフリーの運用としては、MRFを選ぶことになります。また、10年型の個人向け国債が売られているかどうかは、時々チェックしてみることをオススメします。
まあ、どちらもクリアできない問題ではないと思います。
興味を持ったら実行を
一度はじめてしまえば、その後は特に大きなメンテナンスの必要のない計画です。興味を持ったら実行してみることをおすすめします。
まあ、先ずは本を買うところからでしょうか。
タグ: 1000万円, ETF, 個人向け国債, 山崎元, 資産運用





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