鉱工業指数は重要な経済指標です。しかし、意外と目にする機会は少ないかもしれません。GDP や消費者物価指数、完全失業率などと比べると、かなり一般の認知度は下がるでしょう。果たしてどんな指標なのでしょうか
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鉱工業生産指数の概要
どんな指数? | 国内で生産された製品の量を表す。付加価値額ベースと、生産額ベースの2種類があるが、生産指数として広く利用されるのは付加価値額ベースの指数。ニュースで指数が取り上げられる際にも付加価値額ベースの生産指数の動きが一番多い。(ウィキペディアより) |
作成・公表 | 経済産業省( 鉱工業指数の中の一つ) |
公表タイミング | 翌月末(速報) 翌々月中旬(確報) |
鉱工業とは
一番最初に疑問に思うのが、「鉱工業」とは何かという点でしょう。これに関しては、マイペディアという百科事典の説明がわかりやすいです。
鉱工業【こうこうぎょう】 鉱業と工業の総称。直接物財の生産に当たる農林水産業と鉱業,建設業および製造業(工業)のうち,特に後3者を産業活動を代表するものとして重視し,一括して鉱工業と呼ぶようになった。業種別では製造業がその大部分を占める。(百科事典マイペディアの解説)
直接物財の生産に当たるもののうち、農林水産業以外のものということですね。
景気判断に利用できる
さて、鉱工業生産指数は、どうやって解釈すれば良いのでしょうか。
ざっくりいうと、生産量が増えていれば景気は好調、生産量が減っていれば景気は悪いということなのでしょう。消費が見込めるので、生産を増やすわけですから、こう考えて問題はないはずです。
実際、経済産業省のドキュメントに、次のような記述もありました。
景気が良くなれば国内・海外からの需要が増加し、需要に対応するためたくさん生産する。不景気になればその逆で生産しなくなる。1
通常は、前年同月と比較して、増えた減ったという話をするようですね。季節による要因もあるので、前月分と比較するよりは、前年同月と比較する方が意味があります。
どうやって集計しているのだろう?
鉱工業生産指数というのは、率直に言って、ちょっと分かりづらい指数です。その話をする前に、「知るぽると」というサイトの説明を紹介します。
製造業に従事する企業(いわゆるメーカー)がどれだけの製品を生産したかを、量的な物差しで示すものです。ある月の生産量が前年同月に比べてどれだけ増減したかで表されるのが普通です。
生産「量」の指標ってことらしい
これを読むと、国内メーカーの生産「量」を示す指標であることは分かりました。「量的な物差し」という基準がありますからね。
ここまでは、なんとなく分かります。
量的ってどういうことだろう
でも、今ひとつ判然としない部分もあります。量的って、どういうことなのでしょうか。
例えば、砂糖を作っている量は、確かに量的に把握できるでしょう。何キロとか何トンという数字で表せますからね。
でも、機械だと、そんなに単純に行かないようなきもします。例えば、メモリだったら、種類を問わずに1個2個なのでしょうか。
いろいろな種類の鉱工業製品をどうやって一つの指数にするの?
また、砂糖とメモリを、最終的に同じ指数にまとめる方法も全く想像ができません。金額ベースにすると、「量的」という話とずれますから。(と思ったら、生産額ベースの算出もしているようですね。)
鉱工業の生産を指数化するメリットはわかりますが、現実的にはやり方が難しそうですね。多分、それなりに合理的なやり方があるのでしょう。
本来ならそこまで調べるべきでしょうが、ちょっと余裕がないので、今回は疑問を上げるだけでとどめておきます。
ニュースで取り上げるのは、海外の鉱工業生産指数ばかり
鉱工業生産指数は、どんなふうにニュースで取り上げられるのでしょうか。Yahoo!ニュースで検索してみました。
そうすると、検索結果のかなりの部分は、海外の鉱工業生産指数でした。当然かも知れませんが、外国でも、類似の指数があるわけです。
そして、日本のものは、かなり少ない印象です。
これを書いている時点の検索結果から拾ってみると、次のような感じです。
「トルコ統計局が発表した12月の鉱工業生産指数」
「イタリア国立統計研究所(ISTAT)が今月発表した12月の鉱工業生産指数」
「ドイツの鉱工業生産指数などの主要経済指標が落ち込んでいる」
「欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が12日発表した12月の鉱工業生産指数は」
Yahoo!ニュースというサイトの性格上、専門性が高い記事は少なめにするとうことなのかもしれません。記事採用を決めるエディターの好みもあるでしょう。
ただ、最優先で紹介されるような重要度が高いものと言う認識でないのも事実のようです。
また、Google ニュースでも、海外のニュースの割合が高い印象でした。日本の鉱工業生産指数の記事は、少ないのです。
本当に重要な指標なのか、ちょっと不安になりますね。まあ、みんなが注目しているから重要というわけでもないのですが。
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