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首都圏のマンションは売れないのに値上がりしている不思議

首都圏の新築マンションが、あまり売れていないのだそうです。どうやら、リーマンショックの頃の水準まで落ち込んでいるようですね。

ところが、マンション価格自体は、かなり高止まりしている印象です。不思議な事が起こっています。

売れない首都圏の新築マンション

不動産経済研究所というところの調査によると、2018年8月の新築マンション契約率は、64.5%だったのだそうです。販売戸数で見ると、前年同月比で28.5%減だったとか。1

ちなみに、マンション販売の好不調を示すラインは、契約率7割と言われているそうです。どうやら、新築マンションはあまり売れていないようですね。

それにしても、新築マンションの契約率が6割台というのは、ちょっと低すぎる気がします。そこで、いろいろと調べてみました。

「契約率」という単語に誤解がありそう

まず、「契約率」という単語ですが、厳密な定義がなかなか見つかりませんでした。

いろいろ調べた結果、どうやら、「その月に販売開始した新築マンションの数と、その月に実際に契約が取れたマンションの割合」ということのようです。数式にすると、次のような感じですね。

契約率 = 1か月間の新規契約数 ÷ 1か月間の販売開始数

ちなみに、契約率の定義に関しては、違った事を書いているサイトもあるようですね。比較的よく使うデータのようですが、定義が曖昧だと利用価値が落ちてしまいます。

オフィシャルサイトには、定義を書いておけばいいのにと思うのですが。とても残念です。

販売直後に売れるのが全体の6割台

とりあえず、上に書いたように、「契約数/販売開始数」という定義だとしましょう。

この定義だと、契約率が6割台だからと言って、3割以上が売れ残るというわけではありません。販売直後に売れるのが、6割台ということですね。

ただ、新築マンションというのは、完成前に広告を出したりモデルルームを作ったりと熱心に営業活動をするもののようです。そして、販売と同時に一気に売ってしまうというスタイルを取っています。

ということは、販売開始した月にある程度売れてくれないと、商売として失敗だったということになります。売れ残ったマンションを売るのは、相当コストがかかりそうですからね。一気に売ってしまいたいのでしょう。

そして時間が経つと、値下げをしたり、再販(別の業者が買い取って未入居物件として販売)に回ったりして、なんとか売り切ってしまうようです。古いマンションなんてコストでしか無いので、売れ残りを持っているくらいなら処分してしまうほうが経営的には合理的なのです。

とにかく、早い段階で売れなかったものは、業者としては失敗ということになります。その割合が3割以上あるというのは、やはりよろしくないのでしょう。

過去のデータと比較すると意味がある

ところで、上で契約率が7割あると好調と言われると紹介しました。しかし、そこまで意味があるデータかと言われると、ちょっと微妙な感じもします。

というのも、過去1年のデータを見ると、首都圏では7割を超えたのは2回しか無いのです。でも、日本の景気自体は悪いわけではありませんから、景気が良い割には作ったほどにマンションが売れなかったということくらいしか言えそうにないのです。

更に細かく分析すると、いろいろと見えてくるのかもしれないですけどね。例えば、新築マンションの価格の推移と比較してみるとか、販売戸数と比較してみるとか。

ただ、単月の契約率だけを取って、70%を下回ったからどうだということは言えないわけですね。それだけを取って、マンションが売れてないとすらいい切ることができません。

色々な可能性が考えられるだけです。つまり、分析をするための材料の一つという程度の意味しかないのです。

数年前と比較してみると興味深い結果が

ところが、長期で見てみると、かなり興味深い部分があるのです。

例えば、リーマンショックの年には、かなり落ち込んでいます。その一方で、ITバブルがあった頃は8割を超えていたりします。

つまり、かなり景気の実態とリンクしていたわけですね。ところが、最近の数字は、景気の実態とはかけ離れて、契約率が大きく下がっています。

それでは直近の64.5%というのは、いつ頃の水準なのでしょうか。実は、あのリーマンショックの頃よりも多少マシと言う程度でしか無いのです。

リーマンショックがあった2008年の年平均は62.7%でした。それよりは若干マシという程度の数字なのです。

リーマンショックのときには、瞬間的には、更に悪い月もありました。ですから、あの頃ほど異常というわけではありませんけどね。

マンション価格が高すぎるのでは

言うまでもありませんが、日本の景気は、リーマンショック当時とは比較にならないほど良い状態です。それにもかかわらず、新築マンションは売れていないのです。

理由として考えられるのは、マンション価格が高すぎることと、マンションを作りすぎたためでしょう。

マンション価格なんて、10年前とは比較にならないくらい上がっていますからね。なかなかインフレにならずに日本政府や日銀が叩かれているのが嘘のようです。

具体的に書くと、首都圏の新築マンションは、次のように推移しています。2

  • 2008年:4,775万円
  • 2009年:4,535万円
  • 2010年:4,718万円
  • 2011年:4,578万円
  • 2012年:4,540万円
  • 2013年:4,929万円
  • 2014年:5,060万円
  • 2015年:5,518万円
  • 2016年:5,490万円
  • 2017年:5,908万円
首都圏マンション平均価格の推移

首都圏マンション平均価格の推移

図は、国土交通省の資料からのコピペです。

また、かなり古いワンルームマンションですら、釣られるかのように価格が上がっています。率直に言って、販売価格だけを見れば、少しバブルに近いのではないかと思えるような状況ですね。

バブルに近いような値上がりが起こっているのに、あまり売れていない状態というわけです。つまり、全く理にかなわないことが起こっていると言って良さそうです。

本当に不思議です。

新築マンション自体はだいぶ減ったようです

その一方で、新築マンションの販売戸数自体は、ピーク時と比べるとかなり経ているようです。これも、国土交通省の資料からのコピペを貼っておきましょう。

首都圏マンション新規販売戸数

首都圏マンション新規販売戸数

つまり、マンション価格は上がり、マンションは作られなくなり、マンションが売れない状態なのです。なのに景気自体は悪くないと。

やっぱり不思議ですね。理屈を考えて見ましたが、さっぱり理解できません。


  1. 8月首都圏マンション発売戸数、4か月ぶり減少
    読売新聞 9/13(木) 12:25配信 []
  2. ■平成29年度 住宅経済関連データ(国土交通省)
    http://www.mlit.go.jp/statistics/details/t-jutaku-2_tk_000002.html []

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