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相続税を計算する流れ

相続税は意外と大きい額になる事を知っている人は多いでしょう。しかし、どうやって計算するかまでは、知らない人も多いのでは無いでしょうか。

細かい部分までを知る必要は無いと思うので、計算の大体の流れだけでも掴んでおきましょう。これを知っていると、大体の相続税額が計算できるはずです。

まあ、実際の計算は、専門家に任せるほうが良いですけどね。

(1)各人の課税価格を計算する

最初に遺産を受け取る各人の課税価格を計算します。

課税価格というのは、大雑把に言うと、相続や遺贈によって取得した財産の価格のことです。厳密に言うと、取得した財産から非課税財産や債務、葬式費用などを引く必要があります。ここでは、そこまで深入りするのは避けましょう。

ちなみに相続や遺贈だけでなく、死因贈与(死んだら〇〇をあげるという契約のこと)によって取得した財産も、課税価格に含まれます。まあ、死因贈与は遺贈に近いものですからね。

Aさんが亡くなった場合を考えてみよう

ここでは例として、Aさんが亡くなったケースを想定しましょう。

まず、Aさんの家族構成ですが、奥さんと独立している2人の子供(Cさん、Dさん)がいるとしましょう。3人とも存命です。

そして、家族では無いですが、Eさんという愛人もいたとします。ただ、Eさんとの間に隠し子などはいなかったものとしましょう。

Aさんは遺言書を残していたとします。その遺言書によると、家族だけでなく、愛人のEさんも遺贈という形で財産を渡すことになっていたとします。

各人の課税価格が次のようだったとしましょう。

  • 妻Bさん:3,000万円
  • 子供Cさん:1,000万円
  • 子供Dさん:1,000万円
  • 愛人Eさん:1,000万円

ちょっと突飛なケースですが、ありえない話ではありません。今回は、こんなケースを想定して考えてみましょう。

(2)課税遺産総額を計算する

2つめのステップですが、課税遺産総額を計算します。課税遺産総額とういのは、各人の課税価格を合計し、そこから基礎控除額を引いたものです。

つまり、次のような計算をします。

課税遺産総額 = Σ(各人の課税価格) - 基礎控除額

ちなみに相続税の基礎控除額は、次のように求めることができます。

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

法定相続人の数というのは、ここでは詳しく説明しませんが、配偶者(夫または妻)と子供の数の合計だと理解しておくと良いでしょう。妻と子供2人だったら、法定相続人の数は3人です。配偶者がいなくて子供1だけなら、法定相続人は1人となります。1

子供がいない場合は、配偶者と存命の親の数の合計です。例えば、夫がいて母親が存命なら、法定相続人は2人です。

ちなみに、ここで課税遺産総額がゼロ以下になったら、相続税はかかりません。

計算する時のポイント

ここで大事なのは、各人の課税価格を合計するときには、法定相続人以外が受け取った財産も含むという点でしょう。ようするに、Aさんから相続、遺贈、死因贈与などで受け取った全ての財産の合計というイメージです。

しかし、基礎控除を計算するときには、法定相続人のみで計算します。これは受け取った人数は関係ありません。法律の定める法定相続人の数だけが有効です。

Aさんのケース

Aさんが亡くなった事による相続の場合、各人の課税価格は6,000万円(= 3,000万円+1,000万円+1,000万円+1,000万円)となります。当然、愛人のEさんが受け取る分も含まれます。

また、Aさんの法定相続人は妻Bさんと子供2人(CさんとDさん)です。法定相続人は3人なので、基礎控除は4,800万円(= 3,000万円 + 600万円 × 3)となります。

ということで、課税遺産総額は1,200万円(= 6,000万円 ー 4,800万円)となります。

(3)相続税総額を計算する

次のステップでは、課税遺産総額をもとに相続税総額を計算します。

まず、課税遺産総額を法定相続分に応じて取得したものと仮定して、各法定相続人の法定相続分に応じた取得金額を求めます。つまり、「課税遺産総額を法定相続分のとおりに分割したらどうなるか」という計算をするわけです。

そして、この法定相続分に応じた取得金額をもとに、相続税額が求められます。

Aさんの場合

これは実例を見たほうが分かりやすいでしょう。

上で挙げた例を使って考えると、法定相続人は妻のBさんと子供のCさんDさんの3人ですね。法定相続分は妻のBさんが半分で、子供2人は4分の1ずつです。

つまり、1,200万円が次のように分かれるわけです。

  • 妻Bさん:600万円(= 1,200万円 × 1/2)
  • 子供Cさん:300万円(= 1,200万円 × 1/2 × 1/2)
  • 子供Dさん:300万円(= 1,200万円 × 1/2 × 1/2)

ここから各法定相続人の税額を計算します。今回のケースでは何れも1,000万円以下なので、控除額はなしで税率は10%です。すなわち、各法定相続人の税額は次のようになります。

  • 妻Bさん:60万円
  • 子供Cさん:30万円
  • 子供Dさん:30万円

これを合計すると、相続税総額が出てきます。このケースでは120万円(= 60万円 + 30万円 + 30万円)ですね。

ちなみに、法定相続分に応じた取得金額に対する実際の税率は、国税庁のサイトなどでチェックスすることが可能です。2

(4)各人の相続税額を計算する

この相続税総額を各人の課税価格に応じて按分すると、各人の相続税額が出てきます。各人の課税価格は次のようでしたね。

  • 妻Bさん:3,000万円
  • 子供Cさん:1,000万円
  • 子供Dさん:1,000万円
  • 愛人Eさん:1,000万円

ということは、この比率で考えると、妻Bさんが60万円、子供2人と愛人がそれぞれ20万円となります。ただし、愛人のEさんに関しては、相続税の2割加算の対象になります。ですから、Eさんの相続税額は24万円となります。

また、妻のBさんは、配偶者の税額控除が使えるので、実際の納税額はゼロ円になります。

ということで、まとめると、それぞれの税額は次のような感じです。

  • 妻Bさん:0万円
  • 子供Cさん:20万円
  • 子供Dさん:20万円
  • 愛人Eさん:24万円

大雑把な流れは大体こんな感じ

このように、実際の相続税額が計算できました。Aさんくらいの遺産だと、控除が大きく税率も低いので、相続税のか税額はびっくりするほど大きくはなりません。

ただ、もっと大きな遺産を残したケースだと、ゴソっと持っていかれてしまいます。

今回の計算は、率直に言って、ちょっと端折っている部分が無いわけではありません。まあ、大雑把な流れは理解していただけたのでは無いでしょうか。

おそらく、慣れていない人には、ちょっと大変に感じられるのでは無いかと思います。難しいと思ったら、専門家を頼ってください。相続に強い税理士とか。


  1. 実際には子供が亡くなっていて孫がいたり、子供がいなかったりというケースもあります。細かくやっていると、かなり面倒な話です。 []
  2. No.4155 相続税の税率 []

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