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不動産ってどうやって評価するの【相続税評価額】

相続税対策として、不動産を利用する人もいるでしょう。単純に税金のことだけを考えれば、不動産を持っていると相続税の課税額を引き下げることができます。まあ、不動産投資自体が難しいので、トータルで有利かどうかは微妙なところですが。

さて、相続税の税制上は有利な不動産ですが、素人にはかなり難しい部分もあります。何が難しいかというと、所有する不動産をいくらで見積もって良いのか理解するのが大変なのです。

相続する遺産の評価

相続税は亡くなった人の遺産の総額を元に計算されます。大きな遺産を残せば、それだけ相続税も大きくなるわけですね。

ということは、相続税の課税額を計算するためには、亡くなった人が残した遺産がいくらなのかを知る必要があります。遺産の総額が○円というふうに決まらないと、相続税の課税額を決めようがないのです。

現金に近いものなら簡単

遺産が銀行預金や死亡保険金だけなら、遺産の総額を決めるのは簡単です。現金を残したようなものですからね。

あるいは、上場している株式でも、それほど難しくはありません。株価は変動しますが、ルールさえ決めてしまえば、金額は簡単に確定できます。

しかしながら、亡くなった人の遺産の金額を決定するのが難しいケースも有るでしょう。いくつか例を挙げてみましょう。

コレクターズアイテムのようなものは評価が難しい

例えば、絵画などの芸術作品は、評価が難しいですよね。あるいは、クラシックカーのような車も、評価が難しそうです。

これ以外にも、コレクターズアイテムと呼ばれるようなものは、評価が難しいことが多いでしょう。あと、ゴルフ会員権というのも、こういうときに話題に上がることが多いですね。

非上場の株式も評価が難しい

また、株式でも評価が難しいケースがあります。上場している株式なら、上に書いたように時価の計算は簡単です。

しかし世の中には、非上場の株式だって沢山あります。個人事業に毛が生えた程度の中小企業なら、普通は上場していませんよね。

ちなみに、非上場の株式に関しても、実は明確なルールが決まっています。

特に難しいのが不動産

ただ、相続絡みで評価が難しいものといえば、やっぱり不動産でしょう。不動産の場合は、それぞれで時価が違うので、どう評価したらいいか迷うところですよね。

また、絵画やクラシックカーなどと比べて、相続される場合が多いという意味でも重要です。持ち家の人って、結構多いですからね。

さらに小金持ちだと、賃貸用の不動産を持っていたりもします。また、地方の地主だと、山林を持っている場合もありますね。

さて、不動産はどうやって評価したら良いのでしょうか。厳密に理解しようと思うとかなり専門的になるので、とりあえずは、基本的な部分だけでも理解しておきましょう。

【住宅や事務所、商店、工場】宅地の評価

まず一般的なケースとして、宅地の評価額がどうなっているのかみていきましょう。

宅地というと、住宅が建っている土地を思い浮かべる人もいるでしょう。しかしそれだけでなく、商業活動や工業活動のための建物の敷地も宅地といいます。1 建物の敷地なら「宅地」であると考えると分かりやすいでしょう。

路線価方式が一般的

相続税の計算のために宅地を評価するときには、一般的には路線価方式という方法を使います。

国税庁が路線価という1平方メートルあたりの評価額を定めています。その路線価に面積を掛けて相続税の評価額とするのです。

つまり、計算式で表すと、次のような感じですね。

評価額 = 路線価 × 宅地面積(平方メートル)

例えば、路線価が30万円で面積が200平方メートルなら6,000円という感じですね。

ちなみに路線価は、1月1日時点の路線価がその年の8月頃に発表されます。国税庁のサイトで最新の情報は調べられますので、興味があればチェックしてみると良いでしょう。

路線価が定められていない場合は

基本的には、上に書いたように、路線価をもとに宅地の相続税評価額は決まります。しかし、すべての土地で路線価が有るわけではありません。

路線価が定められていない土地では、固定資産税評価額を使って相続税の評価額が決まります。具体的には、固定資産税評価額に国税庁が定める倍率を掛けて、相続税の評価額とするのです。

評価額 = 固定資産税評価額 × 倍率(国税庁が定める)

亡くなった人の事業所や住居用の宅地の相続【小規模宅地等の特例】

宅地の相続税評価額の原則は、ここまで説明したとおりです。しかし、被相続人(亡くなった人)の事業所や住居用の宅地の場合は、相続税評価額を減額して評価する場合があります。

これを「小規模宅地等の特例」といいます。2 相続税評価額が小さくなるので、当然ですが、相続税の課税額も小さくなります。

ただ、いくつかの条件があり、その条件を満たしている必要があります。条件を満たしていると、相続税評価額が減額されるという仕組みですね。

減額の割合ですが、50%~80%の範囲で決められています。居住用の宅地の場合は減額の割合は80%です。

ということは、相続税評価額で5,000万円と評価されるはずの宅地が、1,000万円で済むことになるわけです。これは、かなりの節税になると考えていいでしょう。

注意したいのは、あくまで宅地に対する特例だということです。建物は減額の対象になりません。ということは、マンションの場合は、この特例による減額はあまり期待できないわけです。

家屋

家屋の評価は簡単です。というのも評価額は固定資産税評価額と同じだからです。

ちょっと面倒なのが、建設中の家屋です。費用原価の70%として評価されるようです。

とりあえずここまでで、一般的な宅地と建物の評価がわかりました。それでは、もう少し特殊なケースはどうなっているのか見てみましょう。

【借地権】相続した建物が借りた土地に建っている場合

次に、ちょっと特殊なケースです。他人の土地に亡くなった人の建物が建っているというケースもあり得ますよね。

建物の評価は上に書いたとおりです。固定資産税の評価額を見ればわかります。

ただこの場合は、それだけではありません。土地を借りて使用する権利も財産で、それも相続するという考え方をします。土地を借りる権利の事を借地権といいます。

借地権の場合も、相続税評価額の計算方法が決まっています。具体的には、次のように計算されます。

評価額 = 更地とした場合の評価額 × 借地権割合

土地の評価額に決まった割合をかけるだけです。式の意味自体は、理解しやすいでしょう。

ちなみに、借地権割合に関しては、国税庁が決めています。実際の数字は、路線価図の中でチェックすることができます。A(90%)からG(30%)の7段階で記されています。

ちなみに路線価図は、国税庁のサイトでチェックすることが可能です。

Aの場合借地権割合が90%ということは、土地の評価額の90%として借地権が評価されるケースも有るわけですね。借地権というのは、相続税評価額としてはかなり大きい金額で評価されるということです。これは覚えておいて損はないでしょう。

定期借地権など

ここまで説明したのは、一般的なケースです。実は借地権には、通常の借地権に加え、一般定期借地権、事業用定期借地権、建物譲渡契約付借地権、一時使用目的の借地権があります。

これらの借地権は、当然ですが、通常の借地権とは相続税評価額の計算方法が違います。つまり、一口に借地権と言っても相続税評価額の方法はいろいろあるということですね。

結構厄介です。

人に貸している土地の相続税評価額は?【貸宅地】

一つ前に説明した借地権というのは、次のようなケースです。

Aさんが持っている土地をBさんに貸して、Bさんがそこに住宅を建てたとします。このとき、Bさんは借地権という権利を持っています。

借地権という権利があるので、その分、相続税評価額が高くなります。

それでは、その逆はどうなるのでしょうか。Aさんが亡くなった場合、土地の相続税評価額はどうなるのでしょうか。

実はこの場合、評価額は通常の宅地と比べて小さくなります。具体的には次のように計算されます。

評価額 = 自用地としての価額 - 自用地としての価額 × 借地権割合

つまり、(1 - 借地権割合)の分だけ相続税評価額が安くなるということですね。これは、Bさんに発生した借地権の分だけ、Aさんが所有する土地の相続税評価額が下がったとも言えます。

あ、ちなみに、貸宅地に関しても、定期借地権の場合は計算方法が違います。

自分の土地にアパートなどを建てて貸す場合の相続税評価額は?【貸家建付地】

次に、自分のアパートなどを建てて人に貸す場合はどうなるのでしょうか。実はこの場合も、また違った計算式で計算されます。

評価額 = 自用地としての価値 - 自用地としての価値 ×借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合

とりあえず言えるのは、賃貸用のアパートや住宅でも、節税の効果が有るということです。

もちろん、不動産の賃貸がビジネスとして成立するかどうかという問題は有るのですけどね。ビジネスとしてうまくいくと考えれば、賃貸用に建物を建てても良いかもしれません。

不動産の相続税評価額は複雑です

ここまでざっと説明してきたように、不動産の相続税評価額は計算方法が非常に複雑です。

具体的には、土地の所有者と建物の所有者が異なると話がややこしくなります。また、土地の所有者と建物の所有者が同じでも、他人が住んでいるときは話が難しくなります。

ただ、不動産を使うと相続が有利になる可能性が有るのも事実です。面倒くさいのをわかった上で、不動産に手を出すべきなのか、なかなか難しいところですね。

少なくとも、相続対策で不動産を利用するなら、勉強が必要でしょう。あるいは、相続に強い弁護士に相談するかです。


  1. ちなみに、ウィキペディアでは、次のように説明されています。

    宅地(たくち)とは、一般的には建物の敷地に供せられる土地を指す。

    あるいは、大辞林の解説は次のようになっています。

    ① 建物の敷地。建物を建てるための土地。
    ② 地目の一。建物の敷地として登記された土地。

    []

  2. No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例) []

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