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愛人との間にできた子供、相続ってどうなっているの?

仮に、夫が不倫をして愛人がいるとしましょう。しかも、愛人との間に、子供までいたとします。

こんな場合の相続って、一体どうなるのでしょうか。夫が亡くなったら、不倫相手とかその子供はなにか相続ができるのでしょうか。

実はこれに関して、2013年に民法の規定が少し変わっています。確認してみましょう。

愛人の子供でも相続で不利な扱いが無くなった

平成25年(2013年)12月5日に民法が改正され、嫡出でない子の相続分が嫡出子の法定相続分と同等になりました。1

嫡出子でない子というのは、要するに、婚姻関係にない男女の間に生まれた子供という意味ですね。「非嫡出子」と呼ばれることも多いです。

要するに、愛人との間にできた子供でも、妻との子と同じ扱いがされるようになったということです。

法定相続分って何だ?

法定相続分というのは、法律が決める相続の時の遺産の分割のルールのことですね。誰に何割分けるというガイドラインだと理解すると分かりやすいでしょう。

法定相続分によれば、これまでは嫡出子であれば同じ取り分だでしたが、非嫡出子は嫡出子の半分の取り分しかありませんでした。それが、同等になったということです。

法定相続分は絶対的なものではない

とはいえ、法定相続分はあくまでガイドラインです。必ずしも法定相続分に従って遺産を分ける必要はありません。

例えば、なにか家業がある場合などは、家業を引き継ぐ子供が財産の大部分を相続するなんてこともあり得ますよね。法定相続分が絶対的なものなら、子供同士の相続分は同じになりますから、こんなことはできません。

ですから、極端な話、今までだって、非嫡出子と嫡出子の取り分を同じにすることもできたわけです。亡くなった人が非嫡出子に多く残したいという意思があれば、遺書に残しておけば良いのです。

このように、実際の相続と法定相続分とは全く違うこともあります。

法定相続分は単なるガイドラインというわけでもない

とはいえ、法定相続分は単なるガイドラインとも言い切れません。遺留分という、各法定相続人ごとの最低限の取り分があるのですが、この遺留分は法定相続分によって決まっています。

例えば、妻との間に子供が1人、愛人との間に子供が1人いたとします。仮に愛人との子供に全部を相続させたいと思って遺書を書いても、遺留分があるので妻との間の子供はそれを拒めるのです。

ということで法定相続分は、単なるガイドラインのようなものでもありつつ、そうでない部分もあるわけです。

以前は非嫡出子は同等の権利を持っていなかった

さて、2013年12月に法改正されて同等になったという事は、それ以前の民法では同等ではなかったということです。具体的には、非嫡出子の相続分は、嫡出子の半分でした。

つまり、不利な扱いをされていた非嫡出子が、少なくとも相続の法定相続分に関しては不利な扱いをされなくなったということです。

「妻との子供」と「愛人との子供」がいた場合

これを、具体的な条件設定のもとで考えてみましょう。

AさんにはBさんという妻がいます。そして、Bさんとの間に、Cさんという子供がいます。

これだけなら問題は無いのですが、実はAさんは、Dさんという女性と不倫関係だったことがあります。そして、Dさんとの間にはEさんという子供が居ます。

つまり、次のような人間関係があるわけです。

  • Aさん
  • Bさん:Aさんの妻
  • Cさん:AさんとBさんの子供
  • Dさん:Aさんの愛人(婚姻関係はなし)
  • Eさん:AさんとDさんの子供

Aさんが亡くなったら法定相続分はどうなる?

さて、ある日、Aさんが不慮の事故で亡くなったとしましょう。Aさん以外のBさん、Cさん、Dさん、Eさんは存命です。

この場合、法定相続分はどうなるのでしょうか。ちなみにAさんが残した遺産は預金だけで、金額は6,000万円だったとしましょう。

まず、配偶者がいる場合は、遺産の半分は配偶者のものです。ですから、3,000万円はBさんの取り分になります。

不倫相手のDさんには、法定相続分という意味では1円も分前はありません。Aさんが遺言でも残していれば遺贈という形でDさんに財産が渡る可能性もあるのですけどね。法定相続分という民法の考え方だと、Dさんの取り分はゼロということです。

3,000万円はBさんの取り分となりましたから、残りの3,000万円はBさんとの子供のCさんと、Dさんとの子供のEさんと分けることになります。法改正後の民法では、非嫡出子も同等の権利を有することになっていますから、CさんとDさんで1,500万円ずつ分けることになります。

つまり、次のような感じに分けられるわけです。

  • Bさん(妻):3,000万円
  • Cさん(妻との子):1,500万円
  • Dさん(不倫相手):0円
  • Eさん(不倫相手との子):1,500万円

法改正以前はどうだった?

しかし以前は、非嫡出子の取り分は嫡出子の半分でした。ですから、Bさんが半分取った残りの3,000万円は、Cさんが2,000万円、Eさんが1,000万円というふうに分けられたのです。

  • Bさん(妻):3,000万円
  • Cさん(妻との子):2,000万円
  • Dさん(不倫相手):0円
  • Eさん(不倫相手との子):1,000万円

つまり、妻との子の取り分が減って、不倫相手との子の取り分が増えたわけですね。

妻と妻の子は理不尽に感じるでしょうね

正妻の子供であろうと、愛人の子供であろうと、CさんもEさんもAさんの子供であることには違いはありません。ですから、Aさんの財産を相続する権利は持っているはずです。

その意味では、妥当な変更と言えるでしょう。Eさんからしたら、やっと当たり前の状態になったと感じるのでは無いでしょうか。

しかしながら、正妻とその子供にとっては、承服しかねる部分もありそうな変更ですね。

今回の例でいうと、Bさんにとっては、夫が浮気をして子供まで作られてしまったのです。それだけでも不満なのに、遺産の4分の1もその愛人との子供に取られてしまうわけですね。

法律的な公平性はともかくとして、自分が被害者であるという感覚は拭えないでしょう。妻にとっては、夫の財産は自分のものだという感覚があるでしょうからね。それを横取りされたように感じる人だっているはずです。

まあ、同変更したところで、誰かが不公平感を持つ仕組みというわけです。難しいところですね。

最高裁判所の判断は、愛人の子供でも平等に

ちなみに、この変更ですが、非嫡出子の相続分を嫡出子の半分にするのは違憲であるという判決があったためです。違憲の状態を是正するために、民法を変えたわけです。

ちょっと気になるのは、過去に相続があった部分の扱いです。当然、過去の相続も違憲状態だったわけですから、遡って取り返せるのでは無いかと考える人もいるでしょう。

しかし、過去の相続に関しては遡及しないというのが、最高裁の判断だったようです。ですから、過去の非嫡出子の取扱は違憲でしたが、当時の法律に従って処理をすることになるわけです。

これに関しては、影響の大きさを考慮したのでしょうか。どうしても、そんな感じは否定できませんね。


  1. 民法の一部が改正されました| 法務省 []

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