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いすゞ自動車、リーマンショックで大量の派遣切り

リーマンショック後の対策として、多くの企業がいわゆる派遣切りを行っています。派遣社員や契約社員を一斉に解雇したのです。おそらく企業側は、マスコミの報道以上に深刻な危機だという認識があったのでしょうね。

派遣社員の大量解雇が問題になっています

2008年12月17日に、いすゞ自動車の派遣切りについての記事を書いています。ちょっと興味深いので、ちょっと加筆して再掲しておきます。

いすゞ自動車が派遣社員を大量解雇

リーマンショックの後に派遣社員・契約社員が大量解雇され、問題になっています。例えば、いすゞ自動車は、派遣社員など1,400人を一斉にクビにしています。朝日新聞の記事を引用してみましょう。

いすゞ自動車は19日、トラックやエンジンを製造する藤沢工場(神奈川県)と栃木工場で働く派遣従業員と期間従業員の全員計1400人の契約を12月末で解除することを明らかにした。契約期間が満了していない人には特別手当の支払いなども検討する。

今夏以降、世界のトラック需要が急激に落ち込んだため、いすゞは年度内に国内生産の1割に当たる約2万8千台を減産する方針を表明していた。今月5日の中間決算発表時には派遣従業員らを約700人に半減させる可能性を指摘していたが、「需要の落ち込みが激しく、すべての契約を解除せざるを得ないと判断した」(広報)という。1

企業の立場からしたら仕方がない事

派遣社員を切る事を企業を糾弾する報道が多いようですが、派遣社員の解雇自体は企業に問題があるとは言えません。そもそも、生産調整要員として、派遣という形で契約しているわけですからね。

景気悪化に伴って、それを解雇してお金の節約を図ることは、当然と言えば当然のことと言えます。冷たい言い方ですが、リスクヘッジの機能が働いているだけというわけです。

契約期間中の解雇はダメですけどね

もちろん、契約期間中の解雇だとしたら問題ですよ。

これは、企業側からの一方的な契約の破棄です。ですから、良い悪いでいうと悪い事です。法的に問題になるケースもあるかもしれません。

ただ、契約満了のタイミングでの解雇だとしたら、企業を責めるのは酷だという事ですね。倒産しては元も子も無いわけですから。

責められるべきなのは、企業ではなく国会でしょう

個人的に問題があると思うのは、派遣のような形での不安定な雇用を可能にした法律です。企業だって、法律が許さなければ派遣社員を雇うことができないわけですから。

で、法律が悪いと言う事は、それを作った政治家が悪いのです。政治家が悪いと言う事は、結局はそれを選択した国民の責任なんですよね。

非正規雇用を減らしたければ、法体系を含めた労働市場の変化が必要なはず。それを怠っていた政治家が、批判をかわすためにメーカーを悪者扱いしているだけのような気がするんですよね。。

派遣切りでいくら節約できたの?

さて、ここからが本題です。

今回注目したいのは企業が法的に問題があるかもしれないと思いつつ踏み込んだ、派遣社員・契約社員の契約期間中の解雇です。こんな事をすれば、社会的に批判を浴びることは百も承知なのだと思います。それでも、敢えて踏み込むからには、かなりの覚悟があったと思われます。

具体的に考えましょう。

問題になった「いすゞ自動車」は1,400人の期間社員を削減したと言います。おそらく、その中には、契約期間の途中での解雇も含まれるでしょう。

常識的には、3月末で契約が切れる人たちでしょうから、企業の負担減はそこまでの給与と言う事になりますよね。これを一人月額50万円としましょうか。

給料だけだとちょっと高い気もしますが、社会保険の企業負担などを考えるとこのくらいでしょう。

彼らを12月1日時点で解雇したとします。そうすると、4か月分の給与を支払わなくて済みます。

このように仮定すると、企業の負担減は、次のようになります。

1,400人 × 50万円 × 4ヶ月 = 28億円

あれ、計算間違ってないよね?かなり小さな額です。

いすゞ自動車の連結売上高が2兆円弱です。それに対しての28億円…いすゞ自動車にとっては誤差みたいな数字だと思うんですけどね。この程度の金額のために、批判を覚悟してまで中途解雇したわけです。

リーマンショックは厳しいというのが企業の判断

さて、たった28億円のお金のために、社会の批判を覚悟の上で契約期間の途中での解雇をしたいすゞ自動車。
彼らには相当の焦りがあるのだと思います。

だって、社会からの批判を意識すれば、28億円を無駄にしても契約期間いっぱいまでは雇うはずですよね。ブランド力が傷つく事を考えれば、契約期限までは雇う方が安上がりだと思います。マスコミがいっせいにバッシングするのは明らかですからね。

でも、いすゞ自動車には当面の28億円の方を選んだわけです。

ここから考えられる事は、企業の景気認識は、マスコミの報道以上に厳しかったということですね。マスコミでも、厳しい厳しいといっていますが、企業、特にメーカーの実感はそれ以上のような気がします。
なりふりかまっていられないと言う感じなのでしょう。

不況の本番はこれからかな。さて、ここからどうなります事やら。

  1. いすゞ自動車、派遣社員ら1400人全員の契約解除へ
    朝日新聞デジタル版 2008年11月19日23時3分 []

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