最近は不動産投資も流行っているそうですが、やっぱり庶民にはちょっとハードルが高いですね。中古ワンルームでも200万円とか300万円程度は無いと投資できませんし。
それに、自分で不動産に投資するのが賢い行為なのかという問題もあります。はっきり言って、リスクが大きすぎると思うんですよね。
という事で、私たちにとっての現実的な選択はREIT に投資することでしょう。でも、REIT っていったい何?
何となく不動産に投資するという事は分かっていても、細かい仕組みはよく分からないという人も多いのではないでしょうか。このページでは、そのあたりの事を確認していきましょう。
Contents
不動産に数十万円から投資可能
十万円程度から投資可能な不動産投資信託という仕組みがあります。最近は、大分馴染みが出てきた気がするので、ご存知の方も多いでしょう。
この仕組みを既に知っている人には、J-REIT といった方が馴染みがあるかもしれませんね。
厳密に言うと、不動産投資信託とREIT は同一のものではありません。このページでは不動産投資信託 = REIT として話を進めます。それでも、特に問題は無いでしょう。細かい違いを書いても、混乱させるだけですしね。
このREIT を使うと、10万円前後から投資が出来ます。不動産に投資る方法としては、もっとも手軽な方法の一つでしょう。
そもそもREITって何?
ところで、そもそもREIT って何なのでしょうか。まずはそのあたりからチェックしてみましょう。
東京証券取引所のサイトに、次のようなREIT に関する説明が載っていました。
REIT(不動産投信)とは、たくさんの投資家から資金を集めて「不動産」を購入し、そこから生じる賃料や売却益を投資家に配当(正確には分配)する商品です。
投資家には投資証券(株券に相当するもの)が発行され、「株」と同じように4桁の証券コードが割り当てられていて、東証で売買が可能です(指値注文も成行注文もできます)。
このREITの登場により、個人では困難だった不動産投資が、比較的無理のない金額で可能になりました。
ここからREITの特長を挙げると次のような感じになるでしょうか?
- みんなでお金を出し合うしくみなので、少額(だいたい10万円前後)から投資できる
- 資金を利用してどの不動産を買うかとか、誰に貸すかなどの業務は、プロがやってくれる
- 証券取引所で売買されているので、証券会社を通じて手軽に購入できる(株を買うのと同じ感覚で投資可能です)
- 売買価格も株と同じように変動するので、購入価格より値上がりし売却益を得ることも可能。逆に売却損をこうむる可能性もある
- 定期的に配当を受け取ることができる(不動産投資で家賃をもらう感覚でしょうか)
大雑把に言って、定期的に配当を受け取れる形の投資信託のようなものだと思っていただければ良いのではないかと思います。手間をかけずに不動産投資ができるという意味では、とても優れた仕組みだと思います。実際の不動産を買って投資するとなると、色々と大変ですからね。
あと、上の説明には出てきていない大きなメリットが一つあります。売りたいときには簡単に売れるというのも、REIT の大きなメリットです。
実際の不動産だと、そうはいきませんからね。急いで現金化したいときには、足元を見られて、かなり買いたたかれることもあるようですし。
「流動性」という言葉を覚えておきましょう
ちなみに、現金化したいときにいつでも現金化できる事を、流動性が高いと言ったりします。この「流動性」は投資をする上で重要なキーワードです。
例えば、一般に銀行預金はとても流動性が高い商品ですが、外貨定期預金や仕組預金は流動性が低いです。ですから、あまりお勧めできなかったりします。まあ、それ以外にも勧められない理由はたくさんあるのですけど。
まとめ
さて、色々と書いてきてごちゃごちゃしたので、REIT の概要を整理しておきましょう。
REIT という金融商品は、みんなのお金を集めて不動産を購入するというものです。それを会社などに貸し賃料を得たり、購入した不動産を売却し、売買益を得ることもあります。
普通の不動産に投資するには、少なくとも数百万円程度の元手は必要です。一桁(あるいは二桁)少ないところから投資できるこの仕組みは、私達庶民でも手を出しやすい商品だといえるでしょう。
また、いつでも現金化しやすい(流動性が高い)のも大きな魅力の一つです。
どこで買えるの?
REIT というのは株式と同じように、証券市場に上場されています。ですから、証券会社で買うことができます。
注文も、普通に株式を買うのと同じような形で行う事ができます可能。株式と同じと言う意味は、現在いくらで取引されているかリアルタイムでわかりますし、指値注文も成行注文も可能と言うことです。
これは通常の投資信託には無い機能ですね。上場投資信託のメリットと言って良いでしょう。
上場されるってどういうこと?
投資信託が証券会社に上場されていると書かれていてもわかりにくいと思うので少し補足します。
REIT の場合、不動産を運用する組織が特定目的会社というものを作ります。その特定目的会社が株式市場に上場するわけです。
普通の上場企業と同じように上場されるので、普通の会社と同じように株式市場での取引が可能なわけですね。
REITに投資するには
となると、REITをはじめるには、証券会社の口座が必要になりますね。株式と同じように売買されるとなれば、銀行は使えません。
まあ、証券会社の口座と投資するお金さえあれば、すぐにでも投資をすることが出来るわけですね。つまり、既に証券会社を通じて株式の売買をした経験がある人なら、すぐにでも始められるわけです。
具体的にどこの証券会社を使うかですが、手数料のことを考えると、ネット証券会社を使うのが良いでしょう。顧客満足度や手数料を考えると、個人的には、SBI証券かGMOクリック証券あたりをおすすめします。
どちらも、顧客満足度が高い証券会社です。オリコンのネット証券の顧客満足度調査で、どちらも1位を経験しています。平均すると、SBI証券の方が成績は良いでしょうか。
手数料だけでいくと、GMOクリック証券かな。ただ、REIT 以外にも使いたいとなるとSBI証券の方が便利です。取扱っている商品が多いですから。
プロが運用するので期待できる?
不動産投資信託のメリットの一つが、プロが不動産に投資するという点です。
不動産のプロが投資対象の不動産を選び不動産経営に参画していくので、高いパフォーマンスが期待できます。少なくとも、そういう謳い文句で煽っているところは多いです。
まあ、不動産の場合には、プロが運用というのは頼もしいかもしれませんね。私たちの多くは、不動産投資を経験することが出来ませんから。
実際、私達が自分で不動産を購入し、人に賃貸しということを考えた場合、大変な手間を要します。その上、素人の経営ですから、経営上うまくいかない可能性も否定できません。
投資用の不動産を買ってみたものの、なかなか思ったような価格で貸すことができないというようなことはよくある話ですよね。
プロがやるからといって失敗が無いということは無いのでしょう。それでも、私たちのようなずぶの素人がやるのに比べればうまくやってくれると期待しても良いのではないでしょうか。
複数のビルを少しずつ持つことになるのでリスクの分散効果がある
REIT のもう一つのメリットは、分散投資ができるという点です。
不動産投資信託は、通常、たくさんのビルを購入し経営していくことになります。ということは、一つのビルでトラブルが起きてもリスクが分散されているのでダメージが小さくなるのです。
例えば、有るビルが地震で倒壊したというような不幸な出来事が起きたとしましょう。この場合も、ビルを建て直すことは可能でしょう。しかし、ビルを建て直している期間の収益はどうなるでしょうか?この場合は、賃料収入が得られないですよね。
不動産一つだけしかもっていないような場合、このようなことが起こりうるのです。
一方、不動産投資信託の場合はどうでしょう?
この場合も被害があったビルからの賃料収入はなくなりますから収入ダウンになります。でも、他のビルが大丈夫なら収入ゼロになることは無いですよね。何かあったときでも被害が小さく済むのです。
値下がりリスクも有る
最後に、注意点です。
証券市場で取引されるということは、当然、価格下落のリスクもあります。持っている資産が不動産なのですから、不動産自体の価値が下がればREIT の価値も下がるわけですね。
しかも、売買が容易なので、経済情勢や運営の状況で価格の上げ下げの幅も小さくないようです。個人的には、実際の不動産の価格の変動以上に激しそうな印象を持っています。ま、あくまで印象ですけどね。
ただ、実際の不動産でも価格の変動はあります。私たちにはそれが見えていないだけなんですよね。普通の不動産の場合は、売買するまで、実際の価格は分かりませんから。
まあ、このあたりは十分に考えた上で投資してください。
REITは破綻することも
2008年10月に日本のREIT で最初の破綻がありました。ニューシティレジデンス投資法人というREIT ですね。東京近郊の賃貸住宅を対象に資産運用を行っていました。
他に大きなニュースが多かったので、マスコミの取り扱いは小さいのですが、個人的にはなかなか大きいニュースだと感じました。
REIT に投資する場合は、最悪のケースとして、破たんもあり得るという前提で考えないといけません。
この破綻について、簡単に振り返っておきましょう。やっぱり、リーマンショックの影響が大きかったようです。
この倒産の問題点は?
さて、この倒産ですが、二つ点で重要だと考えられます。
一つはお金がかなり借りにくくなっているという点です。破綻の原因はマンションの購入の資金繰りが出来なかったことが直接の原因だったようです。つまり、銀行がお金を貸してくれなかったのですね。
サブプライムローンを発端とする金融危機により、銀行が不良債権が増えることを懸念し、お金を貸さなくな っているわけです。
もう一つは、不動産が売れにくくなっているという点です。金融機関からの資金繰りが難しければ、持っている資産を売却してお金を作ればいいわけです。
不動産投資信託の場合は、自分達が所有するマンションなりオフィスビルなりを売れば良いのです。でも、今回はそれを売ることが出来なかった。
これは、不動産市場で売れなくなっているということでしょう。実際、新築マンションでも最初に想定した価格よりかなり安い値段に設定しないと売れないようです。
ということで、銀行の貸し渋りと不動産価格の暴落という二つの問題がこのニュースから読み取れます。株価だけでなく、かなり深刻な問題が他にもあるようです。
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