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内部留保って現金が残っていると思っているのかなあ?| 民進党のレベルと大差がない希望の党の経済政策

2017年の衆院選に関して、希望の党が公約を発表しました。色々気になる点があるのですが、特に気になったのが経済分野に関する公約です。ちなみに、希望の党の経済政策は、アベノミクスならぬ「ユリノミクス」らしいです。

ネットの記事を読んで、小池百合子の周りには経済や会計の事を分かっている人が少ないんだろうという印象を持たざるを得ませんでした。急ごしらえで作った政党とは言え、ちょっと酷すぎる印象でした。

企業の内部留保に課税するんですって

具体的に何が問題なのか、気になる部分を日経新聞の記事から引用してみましょう。1

19年10月の消費増税は「強行すると景気が失速する可能性が高いため凍結する」と説明。代替財源に「約300兆円もの大企業の内部留保の課税を検討する」と強調した。

ちなみに、内部留保というのは、デジタル大辞泉には次のように定義されています。

企業の利益金額から配当金・租税などの社外流出分を除いた部分を社内に留保すること。また、その金額。

ようするに、企業の利益の中で税金や配当金などとして払われなかった部分という意味ですね。これに税金をかけようという考えのようです。過去にさかのぼって課税するのかどうかは知りませんけど。

内部留保は現金が残っているわけでは無い

おそらくこの政策を作った人たちは、内部留保と言うのは現金とか預金が残っていると思っているのでしょう。現金が企業に残っているから、そこから税金を取ってしまえという発想ですね。

でも、実際には、もともとは利益の一部だったとは言え、現金で残っている可能性は小さいのです。会計上の利益って、現金があるっていう意味ではありませんからね。将来のための資産に代わっている可能性も大きいのです。

実際、経済評論家の上念司が次のように批判をしています。

内部留保は企業の利益のうち株主や従業員に還元されず、再投資や留保金に回るお金です。
日本企業の場合その大半は再投資されてるんです。

もう一つ引用してみましょうか。以前の毎日新聞の記事にも、次のような記述があります。2

企業は内部留保をまるごと現金でため込んでいるわけではない。工場建設や海外企業買収などに充てており、内部留保は現金ではなく、工場や株式などに姿を変えた形でも存在する。

日商簿記の2級レベルの知識があれば、この程度の事は分かるはずなんですけどね。小池百合子の周辺には、この程度の知識を持っている人もいないのでしょうか。

消費税の代わりに内部留保に課税しても景気は冷え込みます

そして、この部分にはもう一つ大きな問題が存在します。もう一度、小池氏の発言の部分を引用してみましょう。

19年10月の消費増税は「強行すると景気が失速する可能性が高いため凍結する」と説明。代替財源に「約300兆円もの大企業の内部留保の課税を検討する」と強調した。

この発言だと、景気が冷え込むから消費税を凍結すると言っていますよね。でも、その分を企業に課税したら、やっぱり景気が冷え込むのではないでしょうか。

企業の設備投資が落ち込んで、景気が悪化する確率はかなり高いでしょう。よく言われる言い方ですが、アクセルとブレーキを一緒に踏んでいるような状態になるわけです。

内部留保への課税って二重課税じゃないの?

実は、この点に関しては、もう一つ疑問があります。

そもそも内部留保って、一度法人税を課税された残りですよね。その残りに課税することになるという事は、利益に対して2回課税されるという事ですよね。いわゆる二重課税というやつです。

しかも、内部留保と言うのは、企業が選んだお金の使い道の一つです。今回のユリノミクスの主張は、企業のお金の使い方に国が口を出すという宣言に他なりません。そんなもの、憲法上許されるのかという問題もありそうです。

どう考えても、筋が悪い課税としか思えないんですよね。

金融政策と財政政策に頼らない?

希望の党の経済に関する公約には、もう一つ大きな疑問があります。日経新聞の同じ記事には、次のような記述もあったのです。

金融政策と財政出動に過度に依存せず、民間の活力を引き出す「ユリノミクス」を掲げ

わたしの常識だと、景気が低迷しているときの経済政策と言うのは、「金融政策と財政政策を活用して民間の活力につなげるもの」だと思っていました。すごく簡単に言うと、民間がお金を使わないから、経済を円滑に回すために政府がお金を使うわけですね。

でも、この公約だと、経済財政政策無しに民間の活力が上がりそうですよね。どんな経済モデルを使っているのか、ぜひご教示賜りたいものです。

民進党と方向性は違うがレベルは一緒

世間では、希望の党の「花粉症ゼロ」という公約に注目が集まっているようです。注目って言うか、バカにされているんですけどね。確かに医学的に考えると、これまた荒唐無稽な話なのでしょう。

でも、経済政策に関しても、同じレベルで酷いのではないでしょうか。政権を取りたい政党の政策とは思えません。

希望の党の候補者が多く在籍していた民進党の経済政策も、かなり酷いものでした。景気が悪い時期に消費税を上げて財政再建をしろなんて平気で言っていましたから。

でも、方向性こそ違いますが、希望の党の経済政策もなかなかのものと言わざるを得ません。

  1. 希望 消費増税凍結、原発ゼロ 公約「ユリノミクス」
    2017/10/6 9:29 日経新聞 []
  2. 内部留保
    増え続け377兆円 賃上げ、投資 迫る政府
    毎日新聞 2016年11月6日 11時24分 []

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