Yahoo!ニュースを見ていたら、「個人年金保険 月7千円の掛け金で実質年13%運用も可能」というタイトルの記事を見つけました。1
10年物国債の金利がマイナスのご時世に、実質年13%で運用出来たら夢のようですよね。すごいと思うと同時に、かなり眉唾な感じもします。
単なる生命保険料控除の話
記事を読んでみると、内容はいたってありふれたものでした。個人年金保険を使って貯蓄をすると、生命保険料控除で節税ができるというものです。
マネー記事に興味を持つ人なら、どこかで見た話しという人が多いでしょう。
もう少し細かく言うと、所得税の税率が20%とし、月々の保険料が7,000円だとすると、保険料に対して13%程度の節税効果があるというものでした。
実質年13%で運用は嘘
さて、ここまで読んで、この記事のタイトルのひどさが分かりますか?
個人的には、かなり腹立たしい気分です。なぜかというと、記事のタイトルはかなり事実に反するからです。
もしかしたら、積極的にだまそうという意図はなく、記者が無知なので結果的に大嘘になったという可能性もありますけどね。どちらにしても、酷い話なのです。
何が問題かというと、「実質年13%で運用」という部分です。実質年13%で運用するというのは、一般的には、毎年13%のリターンがあるという意味ですよね。
でも、ここで紹介されている方法だと、初年度だけ13%分の節税ができるという話です。しかし、それ以降は、なんの恩恵も無いのです。
分かっていて誇大な表現にしたのか、分からなかったのか
さすがにこれで、「実質年13%」は酷いと言わざるを得ません。だまそうとしているのではないかと、疑いたくなりますよね。
100歩譲って、1年後に解約できるのなら実質13%と言ってもいいのかもしれません。でも、そんな短期で解約したら、解約返戻金は戻ってこない可能性も大きいですよね。仮に戻ってきても、受け取る額は明らかに赤字のはずです。
あるいは、記者の能力の問題で、よく分からないで書いている可能性もありそうですけどね。だとしても、それはそれで酷い話です。
どうしても13%という数字を入れたければ、「保険料が13%オフになる」くらいの表現が妥当ではないでしょうか。まあ、酷い話です。
初年度に13%節税できるというのもかなり甘い見立て
ちなみに、記事で主張する初年度に13%節税できるというのも、かなり甘めの見立てです。
生命保険料で13%の割引を実現するためには、所得税の税率が20%であると想定しないといけません。ところが、所得税の税率が20%であるためには、おそらく800万円以上の年収が必要でしょう。
でも、年収800万円って、結構高給取りですよね。つまり、ある程度給与が高い人でないと、初年度の13%も難しいのです。
また、保険料も月額7,000円程度でないといけません。でも、そんなふうにちょうどいい額にすることは無理なケースが多いでしょう。
リアリティの部分でも、かなり疑問なのです。
- 個人年金保険 月7千円の掛け金で実質年13%運用も可能
※女性セブン2016年9月22日号 [↩]
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