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実質賃金低下に反応する人たち| 理解していないで専門家に噛み付くか

一般に雇用が増える局面では、実質賃金は下がります。それは、実質賃金の定義からすると、当然なのです。そのことを理解していない人が、専門家に噛みついているのをよく見かけます。彼らに言わせると、実質賃金が下がったからアベノミクスは失敗らしいです。はっきり言って「勇気あるなあ」と思わずにはいられません。私なら恥ずかしくて、そんなことはできないでしょう。

実質賃金に敏感に反応する人が大量発生

いわゆる有識者の中には、実質賃金の低下に肯定的な発言やらツイートやらをする人もいます。そしてこの手の意見には、ムキになって噛み付く人がいます。

実質賃金という言葉は、ネット用語で言うところの「釣り」やすい単語ということでしょう。

ちなみに実質賃金というのは、物価変動を考慮した賃金という意味ですね。例えば、実際に貰った給与が下がっても、物価がそれ以上に下がれば、実質賃金は上がるわけです。

また、新聞記事などで実質賃金が話題になる場合は、この平均について語られます。

実例を見てみましょう

それでは実際に、実質賃金の低下を肯定する有識者の発言に、どんな風に噛み付くのか見てみましょう。

経済学者の高橋洋一氏が、次のようにツイートしています。

高橋洋一(嘉悦大)
@YoichiTakahashi
実質賃金ガー。設備投資を伸ばすにはまず実質金利が下がらければ無理。その後景気がよくなったら実質金利が上がる。これは労働でも同じ。まず実質賃金が下がり就業者数が増えたのはいい方向。この動きを否定したら全体の雇用者のためでない。実質賃金が上がり就業者数が減って喜ぶのは既得労働者

これに対して、次のようなリツイートがありました。

景気が良くなれは、実質賃金が上がり、雇用者数も増えるでしょう。実質賃金が下がり雇用者数が増える現象は、利益が労働者から企業の内部留保に移転している結果と考える方が自然。

率直に言って、「勇気があるなあ」と言うのが私の感想です。

このレベルの反論しかできないのに、よく専門家に意見しようと思いますよね。分からないのなら黙っていればいいのにと思います。勉強した上で議論を吹っかけても、遅くは無いはずなんですよね。

景気がよくなる局面では賃金は下がる

ところで、この発言のどこがおかしいのでしょうか。

景気がよくなる局面では、実は、実質賃金は一旦下がるものと考えられます。具体的に例を挙げて示してみましょう。

人口1,000人の小さな国(A国としましょう)があったとします。この国では景気が悪く、半分の500人が正社員として働いているだけです。残りの半分は失業者です。そして働いている人の賃金の平均は、月30万円としましょう。

A国の景気がよくなり、A国にある会社は労働者を増やすことを考えました。ただ、いきなり正社員を雇うのはリスクが大きいので、正社員の3分の1の月10万円でアルバイトとして雇うことにしました。その代わり、働いていなかった500人全員を雇ったものとします。

このとき平均賃金は、次のようになります。

(500×30万+500×10万)÷1000
=20万

ということで、20万円が平均賃金ということになるのです。つまり、景気がよくなって人を雇うと、平均賃金が下がることになるわけです。これは実質賃金を考慮しても同じことです。

上のリツイートは、このことを全く理解していない反論だったわけですね。

インフレ局面では実質賃金は特に下がりやすい

付け加えると、インフレ局面では、名目賃金よりも実質賃金の方が小さくなります。個々の給与の額はインフレより遅れて上がるので、インフレが起こってもすぐには名目の賃金が増えないのです。ですから、実質賃金は下がることになります。

最近の実質賃金批判は、より厳しい数字が出た実質賃金を批判しているのでしょう。

ちなみに、さらに景気がよくなれば、実質賃金も上がっていくでしょう。上の例で言うと、アルバイトで雇った人の多くが正社員になっていくからです。また、正社員の給与自体も上がっていきます。

この程度の前提は理解したうえで議論しましょうね

個人的には、実質賃金が下がることが問題だと思えば、批判はあっても当然だと思っています。

例えば、実質の賃金総額で見てアベノミクス以降は賃金が下がっている、というような批判をする人もいます。国民全体に支払われる賃金の総額が、実質で見ると下がっていると言う批判ですね。

この批判も正しいとは思いませんが、それでも景気回復局面では実質賃金が下がるという仕組を理解した上での反論です。これだと、やっと議論が成立しますよね。

ただ、最低限の理屈を理解しないで、脊椎反射的に反応するのはいかがなものなのでしょうか。恥をさらしているだけだとは思わないのかなあ。

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