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ピケティは民主党の細野政調会長に同調してアベノミクス批判をしたのか?| 時事通信の記者の解釈に強い違和感を感じます

時事通信の記事に、興味深いものがありました。民主党の執行部が経済学者トマ・ピケティと会談したというものです。この中で、ピケティが民主党の細野豪志政調会長の意見に同調したと取れるような記述があります。でも、その記述にかなりの違和感を感じるのです。

ちょっと引用してみましょう。

民主党の岡田克也代表ら執行部は30日夜、来日中のフランスの経済学者トマ・ピケティ氏と東京都内で会談した。出席者によると、細野豪志政調会長が「アベノミクスで格差が拡大した」と指摘し、ピケティ氏は「全くその通りだ。紙幣を印刷するだけでは不平等が拡大する。デフレ脱却は必要だが、通貨供給だけでは解決できない」と述べた。ピケティ氏は「(経済成長には)若者への手当てが必要」とも語った。1

これだけ読むと、ピケティはアベノミクスに批判的で、細野政調会長に同調したように読めますよね。

確かに、ピケティはアベノミクスには批判的な部分もあるのでしょう。でも、だからといって、民主党の経済政策に同調しているわけでは無いはずです。

「紙幣を印刷するだけでは不平等が拡大する。デフレ脱却は必要だが、通貨供給だけでは解決できない」という発言を素直に読めば分かるように、紙幣をすることに対してノーといっているわけでは無いのです。紙幣をすることはすべきだが、それだけでは駄目だといっているわけですね。

となると、その後に続く「(経済成長には)若者への手当てが必要」という発言はかなり違和感があります。記者が補った「(経済成長には)」という部分は、記者の思い込みでは無いかと思うのです。あるいは、何かの意図を持ってこういう書き方をしたようにすら感じます。

ピケティの発言を素直な文脈で読むと「(不平等を拡大しないためには)」と補った方が自然ですよね。ピケティはアベノミクスで経済成長しないと言っているわけではありません。アベノミクスだけだと「不平等が拡大する」といっているのです。ですから、若者への手当をするとしたら、不平等をなくすために行うと考える方が自然なのです。

なんにしても、かなり違和感を感じる記事でした。

細野政調会長はピケティと認識が一致したかのようなtweet

ちなみにこの会談に関して、細野政調会長が次のようなtweet をしています。

(続き)ピケティ教授は、デフレ脱却には金融緩和は必要条件だが十分条件ではなく、賃金をあげる方法を考えるべきと発言。同一労働同一賃金、資産課税の強化、教育格差の縮小など、民主党側からの説明に興味深そうに耳を傾けていました。

これも前の記事と同様です。これを読むと、細野政調会長とピケティは見解が一致したような印象を受けますよね。

でも、民主党の経済政策を考えると、全然一致していません。一致するはずが無いのです。なぜかというと、ピケティは「金融緩和は必要条件だが十分条件ではなく」と発言しているからです。

「必要条件」と言うことは、やらないといけないということです。でも民主党は、金融緩和に反対の立場です。ですから、他の部分が一致したように見えても、根幹の部分では全然見解が違うのです。

前の記事と同じで、やっぱり何かの意図を感じるtweet です。

印象操作がしたいのか?

時事の記事といい、このtweet といい、印象操作をしてるという雰囲気が強いです。有名な経済学者を政治的に利用してやろうという感じがして、ちょっと嫌な感じですね。大きな方向では完全に反対なのに、近い意見のように見せかけようとしています。

まあ民主党としては、安倍政権に対する攻めてが無いので、こんな方法を採るしかないのかもしれません。ただ、残念なやり方です。


  1. 民主執行部、ピケティ氏と会談=「アベノミクスで格差拡大」
    時事通信 1月31日 []

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