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日銀が金利を下げると景気がよくなるのはなぜ?

テレビのニュースや新聞を見ていると、日銀が金利を下げると景気がよくなるという話題が出てきます。でも、金利が下がる事で、何で景気がよくなるのでしょうか。

またこの方法は、必ずしもうまく行くわけではないようです。特に、少し前までの日本では上手くいっていなかったようです。リーマンショック以降は、ずっとゼロ金利でしたが、景気は悪いままでした。

このページでは、このあたりを整理してみました。

短期金利を下げるにはどうするのか?

まず、日銀がコントロールできる金利は、短期金利と呼ばれる金利です。短期金利がどのように決まるかご存知でしょうか?

以前は、公定歩合というものがあり、これで短期金利が決まっていました。公定歩合というのは、日本銀行がその他の銀行にお金を貸すときの金利です。

例えば、A銀行が日本銀行から年利2%でお金を借りたとします。そうすると、A銀行は利益を出さなければいけませんから、借りてきた2%より高い金利で、会社などに貸し出します。今回は3%で貸したことにしましょう。

あるとき日本銀行が、公定歩合を2%から3%に引き上げたとしましょう。これはA銀行としては困ったことです。何故なら、3%で会社にお金を貸していたら儲けがなくなってしまうからです。そこで、A銀行としては会社からは4%の利息を取るように変更します。

このような形で市場の金利は決まっていました。

参考:
http://www.nomura.co.jp/terms/japan/ko/koteibuai.html

しかし現在は、ちょっと違う形で金利が決まっているようです。というのも、銀行は日銀からお金を借りるのではなく短期金融市場という所を通して銀行同士でお金を融通しあっているのです。

銀行同士でお金の貸し借りをするので、日銀が公定歩合という形で金利を誘導していくのが難しくなったのです。そこで、日銀は短期金融市場を使って金利を操作していくようになります。

つまり金利を下げたいときには、日銀は短期金融市場にたくさんのお金を流します。市場にたくさんのお金があれば、各銀行はお金が借りやすくなりますから、市場金利は下がります。

逆に、この市場に供給するお金が少なければ、各銀行はお金をかりにくくなりますから金利が上がります。こんな感じで、短期金利の操作をするようになったのです。

参考:
http://www.nomura.co.jp/terms/japan/ta/t_kinyusijo.html

金利が下がるとどんなことがおきる?

さて、日本銀行が金利を上げ下げするメカニズムは分かりました。それでは、金利が下がると経済にどのような効果をもたらすでしょう。

順を追ってみていきましょう。

①金利が下がる

上で見たように、日本銀行が短期市場にお金を出すことで金利が下がります。

②企業や個人がお金を借りる

金利が低くなると、お金を借りてでも使おうという人が増えてきます。例えば、金利が安いからお金を借りて家を建てようとする人が増えたり、お金を借りて車を買おうとする人が増えてきます。

企業も同様で、お金を借りて工場を建てたり、お金を借りて新しい機械を買う会社が増えます。

③企業や個人が儲かる

個人や企業がお金を借りて使うようになると、その人たちに物を売った人たちが儲かりますよね。例えば②の例だと、不動産・車・工業用の機械を売っている会社の商品が売れて儲けが出るわけです。

さらに、企業の儲けが出ると、一般的には従業員の給与が増えますので、個人も儲かることになります。

④企業や家計がお金を使う

企業や個人が儲かった結果、企業や個人はお金を使う気になりますよね。そのお金が使われるので、さらに、別の企業や個人がもうかるという効果が出てきます。

例えば景気が良くなると、給与が増えた個人が旅行に行ったり、趣味にお金を使ったりします。そうすると、旅行会社が儲かったり、旅行先の経済が活発になったり、趣味のものが売れたりします。こうやって循環していくのです。

うまくいかないこともある

金利を下げることによって、上記のような手順で景気がよくなっていきます。ただ、必ずしもうまくいくわけではないようです。

例えば、金利が下がっても企業や個人がお金を使わない場合もあります。リーマンショックの後に日本で起こったのは、まさにこんな状況です。

どんなに金利が低くても、将来の見通しがよくなければお金を使うのは控えようとするわけです。こんなときは、金利を下げても効果は限定的になります。

将来の見通しが良くないということを、少し言葉を変えて言いましょう。要するにデフレになると言うことです。デフレになると、ゼロ金利にしても、経済は活発にならないのです。

ちょっと極端な例ですが、例えば、毎年10%のデフレだったとしましょう。この状況で、金利ゼロで1万円を借りて1年後にそれを返したとします。

金利ゼロなので、借りた額も返した額も、同じ1万円です。しかし、デフレが起こっているので、借りた時点の1万円と返した時点の1万円は同じ価値ではありません。

実質的には、10%の金利を払ってお金を借りているのと同じことなのです。これだったら、お金を借りて使おうなんて思わないですよね。10%はかなりの高金利です。

さらに言うと、現在お金を持っている人も、それを使おうなんて思わないでしょう。お金を持っているだけで、1年で10%も価値が増えるからです。出来るだけ節約してお金を貯めておこうと思うのは自然なことです。

ですからデフレの時には、ゼロ金利だけでは不十分なのです。少しインフレの状態にして、お金を使いやすい状況を作ることが大事になります。

このデフレと言う状況の解消を狙ったのが、日銀の量的緩和政策です。

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