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長期金利が上がって住宅ローンの返済に困る人急増| そんなアホな

朝日新聞社のAERA (正確には子会社の雑誌なのかな?)が住宅ローンに関する記事を書いていました。どうも、「アベノミクスの影響で、住宅ローンを払えない人が増える。なんて酷い政策なんだ」なんていう事を言いたい記事のようです。

住宅ローンに困る人急増 あっというまにイエローカードも

上の記事は、ネットにもアップされているので、興味があればタイトルで検索してみてください。いつまで残っているかは分かりませんけど。

ちょっと変だぞ?

まあ、朝日がアベノミクスに批判的なことを書くのは、今更驚くべきことではありません。それに、アベノミクスのような経済政策をとれば、名目金利の上昇は起こりうるはずです。ですから、アベノミクス批判で突っつくポイントとしては、住宅ローンというのはありうる話でしょう。

でも、記事の内容が雑なんですよね。素人目に見ても、明らかに間違っている点があるのです。

朝日新聞の経済記者って、こんなレベルなのでしょうか?それとも、AERA にまわされる人はレベルが低い人なのでしょうか?

記者が記事にする段階で間違ったことを書いても、上司が原稿のチェックはするはずですよね。そのチェックにも引っかからなかったのかな?

色々気になる記事でした。

一番酷いのはココ

一番気になったのが、次の箇所です。

変動金利で借りている人が5割以上いると見られる。このまま金利上昇が続けば、ローン支払いが滞る人が全国的に出てくるだろう。

住宅ローンに関する初歩の初歩の部分で間違っています。AERA の記事の中で問題にしているのは、長期金利の上昇です。確かに長期金利は、一番低い時期に比べれば、若干上昇しています。

でも、住宅ローンを変動金利で借りた場合、金利は短期金利で決まるものが多いはずなのです。長期金利は直接的には関係ないのですね。

そして、最近の金利変動を調べてみましたが、短期金利が大きく変動しているなんていう事実はありませんでした。例えば、日銀の短期プライムレートの推移というページをみると、2009年1月から変動が無いことが分かります。また、無担保コール翌日物のチャートを見ても、ほとんど変動はありません。

ですから、現在の状態で、変動金利の利率が上昇する要素は何処にも無いのです。実際、ここ最近、変動の住宅ローン金利を上げるという記事は見ていません。固定の金利の住宅ローン金利を上げるという記事は見た記憶がありますけどね。

もちろん、将来的にどうなるかは分かりませんよ。長期金利の上昇にあわせて、短期金利だって上がるかもしれません。でも、率直に言って、ご紹介した記述には無理があると思うのです。

今の所住宅ローンの借り手には影響は無いって事だよね

短期金利の変動がないということなら、今の所、金利変動の影響で住宅ローン返済が厳しくなった人はいないという事ですよね。

変動金利で借りている人は、返済条件は変わっていないはずです。そして、固定金利の金利上昇は、既に借りている人には関係の無い話ですから。

まあ、あえて言うと、これから借りようという人が、固定型で借りるのがちょっと不利になったという程度の話です。

相談件数の増加と金利を結びつけるのはちょっと無茶

記事によると、住宅ローンに関する相談件数は、若干増えているそうです。具体的には、全任協というところへの相談が、実際に増えているみたいですね。

そして、これの原因は金利上昇にあると言いたいようです。でも、これに関しても疑わしいんですよね。

「年明け以降、月に20件ぐらいだった相談件数が30件に増えました。また、関東だけでなく、札幌、関西、九州からの相談件数が多くなっています」(全任協代表理事の佐々木延彦さん)

そもそも、平均20件だったのが30件になったから、直ちに住宅ローンで困っている人が増えたと言えるのでしょうか?かなり短絡的なロジックですよね。件数が少ないのですから、この程度のばらつきは、あって当然のように思われます。季節要因なども影響しそうですし。

さらに言うと、他の地域からの相談が増えたということは、全任協という組織が全国的に認知されるようになっただけという言い方もできそうです。何が何でもアベノミクスを悪者にしたいのでしょうが、ちょっと無理がありますよね。

そもそも住宅ローン金利が上がっているという認識自体が疑わしい

そもそも、この記事の根拠である長期金利が上がっているという事実ですら、ちょっと言いすぎではないかと思います。確かに2013年の5月の初めころ、長期金利は大きく上昇しました。でも、長期金利の推移のグラフを見てみると分かるように、1月ころから下げていたのが、元に戻っただけなんですよね。1年前の水準と比べると、ほとんど変わっていません。

流石に、これをもって大騒ぎするのは、冷静さを欠いていると言わざるを得ません。そもそも、過去5年とか過去10年で見れば、現在の水準でもかなり安いんですよね。

もうちょっと頑張って欲しいなあ

このくらいにしておきますが、突っ込みどころ満載の記事でした。有名雑誌なのですから、もう少し頑張って欲しいものです。

それなりに知的水準が高い人を読者に想定しているのでしょうから、間違ったことばかり書くとそっぽを向かれますよ。

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