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証券会社の社員の金融知識ってこんなものなの?

投資信託に関するある本を読んで衝撃を受けました。何に衝撃を受けたかというと、書かれている内容が出鱈目なのです。基礎的なレベルの知識さえ持っていない印象でした。

どうやら証券会社の社員が書いた本のようです。証券会社の社員って、この程度の知識しか持っていないという事なのでしょうか。不安にさせられます。

この本はいくら何でも酷い

「やっぱりあぶない、投資信託―あなたの『虎の子』の増やし方・使い方 」という本を読みました。タイトルどおり、投資信託を買ってはいけませんと訴える本です。

証券会社や銀行の強引な販売手法の説明や、投資信託の手数料の高さなど、興味深い部分もありました。その意味では、それなりに価値がある本だと思います。

でも、いくらなんでも酷いと言う記述もかなり多い本でした。金融のプロが書いたとは思えない、事実誤認がかなりあるのです。

著者は元証券マンのようです。正直に言って、証券会社の社員はこの程度の知識しか持っていないのかと不安になってしまう内容でした。

国債が危ないから社債にしろ!…えっ?

いくつか例を挙げてみましょう。

例えば、国債は危ないから社債にしなさいと説いている箇所があります。そして、具体的に東京電力などの名前を上げています。金融知識が無い人でも、今の状況を考えると、苦笑い無しには読めないでしょう。

もちろん、この本を書いた当時は、原発事故は予想が難しかったのかもしれません。ですから、仕方が無い面も多少は有るのは認めます。

しかし国債の代わりとして、円建ての社債をすすめるという感覚は完全に理解できません。少しでも金融の知識がある人なら、そんな事しないと思うんですよね。

国債がデフォルトになるような状況だったら、日本の経済はボロボロの状態のはずです。国内企業はさらに高いリスクを負っている状態という可能性があるでしょう。当然ですが、倒産するリスクも出てきます。倒産したら、当然社債のお金は返ってこない確率が高くなります。

仮に倒産しなくても、大損をする確率はかなり高いでしょう。なぜかというと、国債が暴落すると言うことは、長期金利が上昇すると言うことです。

このとき同時に、国債以外の円建て債券価格も暴落すると考えるのが自然です。債券価格が長期金利の影響を受けるのは、債券投資のイロハのイですからね。ですから、社債発行企業は倒産しないまでも、社債の価値は暴落する可能性が高いのです。

暴落を回避するために、満期まで持つと言う選択もあり得ます。途中で売らなければ、会社が潰れない限り、元本は回収できます。

しかし、この作戦も上手く行きそうにありません。というのも、国債がデフォルトになるような状態ではインフレが進んでいるからです。インフレが進めば、戻ってきたお金の価値は、投資する前に比べてずっと小さくなっているはずです。

ということで、どう転んでも、国債より社債の方が安全だなんていえないと思えます。

国債が危ないと言う前提で、外国の社債を買いなさいといのなら、まだ話は分かります。あるいは米国債を買えというアドバイスなら、まだ理解できなくも無いんですけどね。外貨建てで持っていれば、円の暴落は関係なくなりますから。

しかし、国内の社債を買うと言う選択は…ね。

投資信託の代わりにユーロ預金…はぁ?

もう一例。

資金の運用先として、ユーロ預金をすすめている箇所があります。これも本当に理解不能です。

この本が書かれた当時は、ネット銀行は一般的でなかったでしょうから、おそらく邦銀で外貨預金をする事を想定していたのでしょう。ただ、一般論から言うと、大手の邦銀の外貨預金の金利は、かなり低い事が知られています。

しかも、為替の手数料はかなり高く、それもマイナス要因です。さらに言うと、外貨預金はペイオフの対象外なので、銀行が倒産すると1円も戻ってこない可能性があります。

控えめに言っても、外貨預金はあまりおすすめできる商品ではありません。というか、買ってはいけない金融商品の上位に入るようなダメな商品です。

外貨預金で運用するくらいだったら、金融機関が倒産しても資産が保護される、外貨建てのMMF にした方がよほど良いでしょう。MMF の方がまだ金利が高いことが多いですし、為替に関する手数料も小さいです。

投資信託の否定と言うテーマだから、そう書けなかったのでしょうか?それとも、知識が無かったのでしょうか?

どちらもありうる気がして、ちょっと怖いです。

ちなみに、投資信託が危ないのかどうかは、こちらのページで議論しています。もし興味があれば、読んでみてください。

金融がらみの一般書は酷いのが多いけど…

金融とか投資の一般向けの書籍には、かなり酷いものがあります。思い込みだけで書かれていたり、投資に偶然成功した素人が自分の理論を吹聴する類の本がかなり出版されているというのが現状なのです。

ですから、本を読んで勉強したつもりになったのに、実は間違った知識が身についたなんてケースも多いのです。本当にひどいです。

この本もそんな本の一つなのでしょう。

それにしても、著者は元証券会社勤務なんですよね。その人がこんなもの書いちゃうんですね。さすがにそのことには、かなりの驚きを覚えました。絶句です。

これだから、書籍で投資を学ぶのは、危険に思えてなりません。ただ、他に良い方法があるかというと、そんなに見当たらないですしね。

悩ましいところです。

ちなみに、この本に興味があればamazon.co.jp のカスタマーレビューも読んでみてください。

圧倒的に否定的な意見の人が多いですが、中には絶賛する人もいます。絶賛する人がなんで絶賛しているのかは、私にはさっぱり分かりませんが。

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