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東電の原発賠償、なんか計算が合わないんだけど…

政府が東電の原発処理に関して、方針を固めつつあるようです。

■ <福島第1原発>東電の賠償負担、総額に上限なし…政府
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110504-00000006-mai-soci

以前どこかに似たような記事が載っていましたが、そこから大きく変わってはないようです。
細かい部分が詰まってきたという感じでしょうか。

記事によると、ポイントは次のような感じになりそうです。

・政府は新機構を作る
・賠償は全額東電が支払う(政府は負担しない)
・東電が払えない部分は政府が立替払いを行い、東電が分割で返済する
・年間の返済の上限は2,000億円程度
・東電は利益の中から返済する(赤字の年には返済しない)
・返済期間は10年から15年程度
・全額東電が返済といいながら、一部を他の電力会社に負担させる(これに関しては、http://www.asahi.com/business/update/0502/TKY201105020519.html)

東電に全額弁済させるのなら、分割払いというのは、比較的現実的な案だと思います。
でも、この案で上手く行くとは正直思えません。

気になる部分を検証してみましょう。

損害賠償の総額と比べ、計算があわない

まず、損害賠償の額と比べて東電の予想される返済額が少なすぎる、というのが一番大きなポイントでしょう。
2,000億円の10年分割として、「最大」2兆円です。

現実問題としては、利益の中から負担とありますから、利益が小さい年には返済額が小さくなります。
そして、東電の利益は原油などの価格に大きく依存しますから、毎年2,000億円以上の利益が出せるとは考えにくいです。

そして、仮に2兆円返済したとしても、賠償額として足りないように思えます。

原子力損害賠償法という法律によると、今回の震災で一定額の国の負担は約束されています。
これは保険のような仕組みで、支払った保険料に対して、東電が国から保険金を受け取るわけです。

ただ、この賠償額は、原子力発電所一つにつき1,200億円と決められています。
福島第一、第二の両方で支払いが認められても、2,400億円にしかなりません。

■ 福島第一被災者への賠償、国が1200億拠出へ
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110415-OYT1T00521.htm?from=navr

また、東電はリストラも進めていますが、これで捻出されるのは、多く見積もっても数千億円のオーダーでしょう。
数兆円とも言われる賠償額から考えると、正直に言って、焼け石に水でしょう。

トータルで考えると、全然足りないように見えるんですよね。

政府は東電以外の電力各社にも、2兆円程度負担させたいようです。
これを併せると、一番楽観的なシナリオで5兆円程度でしょうか。

これで収まるのかねえ?
一部の人が言うように、10兆円以上になったらどうするのでしょうか?

損害額が大きい場合は、スキーム自体が無意味

別の記事に政府が想定する被害額が、4兆円規模であると載っていました。

■ 原発賠償4兆円 政府試算 さらに上積みも
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110503/plc11050323450017-n1.htm

本当に被害額が4兆円程度で納まるのなら、上に書いたように、今回のようなスキームでもそれなりに機能するのでしょう。
東電の返済額が2兆円程度になり、毎年2,000億円返済する事で10年で返済可能です。

でも、実際問題としては、被害額がどの程度になるかは分かっていません。
一部では十数兆円程度とする意見もあります。

仮に10兆円を超えるような賠償額になった場合、現在考えられているスキームは全く機能しません。
毎年2,000億円ずつ返したとしても、10年掛けて2兆円しか返済できないのから。

1年で2,000億円のペースで10兆円払わせるとすると、払い終わるのは50年後ということになります。
どう考えても合理的な返済方法とはいえないでしょう。

賠償額が想定を大幅に上回った場合、どのように対応するつもりなのでしょうか?

手順がおかしいんじゃ?

そもそも損害額がある程度見える前に、返済のスキームを決めようとしていること自体が滑稽に思えます。
手順からして間違っているように思えてなりません。

なぜかというと、返済すべき額に応じて、取るべき対応は変わってくるからです。
賠償額が小さければ、今考えているように、東電に支払わせれば良いでしょう。

しかし、ある一定の額を超えるのなら、国費で払うしかありません。
そして、それをうけて、東電を国有化すべき稼動かという議論になるでしょう。

政府は最初に「東電は救済する」「国は負担しない」という前提を置いいるようです。
このことが手順を狂わせているように思われてなりません。

おそらく、政府の保身だったり、民主党の支持団体を考慮しての行動なのでしょう。
何にしても、変な前提をおく事で、自ら対応し辛くしているように思えます。

東電が利益を出すためには電気料金の値上げが必要

現在の状況では東電は利益を出すことが出来ないというのも、計画の根幹に関わる大事なポイントです。
これは過去の財務諸表を見れば、明らかです。

もともとここ数年は利益が出たり出なかったりという状況でした。
今後震災の影響でお金がかかる事を考えると、利益を出すのはさらに難しくなっているはずです。

もちろん、人件費のリストラなどで、固定費を多少削ることは可能でしょう。
しかし、2,000億円という返済額と比べると、毎年のリストラからの捻出額は遠く及ばないはずです。

現在のスキームでは、利益が出ない以上、返済が出来ません。
ということは、記事にあるようなスキームは絵に描いたもちになってしまいます。

結局のところ、毎年の2,000億円という返済額を実現するには、東電の売上を増やすしかなさそうです。
そのためには、電気料金の値上げは不可欠でしょう。

要するに今回の計画は、東電エリアの顧客の負担を織り込んだ計画なのです。

他の電力会社がなぜ負担する?

もう一つ疑問なのが、政府が新機構を作って、その機構が他の電力会社からお金を徴収するという点です。
当然の事ながら他の電力会社は、今回の原発事故とは関係が有りません。

そんなところにお金を出させるって、資本主義の原則からしておかしいように思えてなりません。

最初のこのスキームを聞いたときには、東電が他社の負担分を機構に返済する義務があるのだと思っていました。
でも、朝日新聞の記事などを見る限り、この部分に関しては東電に返済責任はないようです。

http://www.asahi.com/business/update/0502/TKY201105020519.html
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110503/plc11050323450017-n1.htm

正確なところは、政府発表を待たないとよく分かりませんが。

何にしても、こんな根拠が分からないお金を取れるのかどうか、本当に疑問に思います。
事故がおきてから保険をつくり、保険料を集めるようなものです。

あるいはトヨタが借金を抱えたから、日産とホンダにお金を出せというようなものと言っても良いかもしれません。
どう考えても、納得できるものではないでしょう。

機構を作るのは国民負担から目を逸らさせる目くらまし?

今回のスキームを見ていると、何だか必要以上に複雑な事をやっているように思えてなりません。
国費負担は無いように偽装して、国民の批判をかわしたいのでしょうか?

新機構を使うというスキームをとっても、電力料金の値上げという形で国民は負担しないといけません。
最終的に国民に負担がまわってくるという意味では、国がお金を出しても違いはないはずです。

政府は自身に対する批判をかわすために、機構のような形を導入しているようにしか見えません。
見た目上東電負担のような形式にして、国費負担は有りませんと言い張りたいのでしょう。

正直に言って、こんな姑息な手は止めていただきたいと思うのですが。

そもそも、一民間企業たる東京電力に政府がこれだけ口を出すというのも、おかしな話だと思っています。
その観点からも、現在の政府の対応は疑問があります。

例えば、リストラの要請をすること自体は許されるとしても、リストラの中身にまで一々口を出すのは慎むべきでしょう。
政府が完全にコントロールする必要があると考えているのなら、一時国有化を行うべきなのです。

そうしないのには、何か理由があるのでしょうか?

まあ、何にしても、もうちょっと様子見ですね。
最終的には、全然違う処理がされる可能性もありそうです。

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