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原発事故の損害賠償:東電エリアの人間は一人20万円出せって事だね

政府は原発事故の損害賠償に関する処理案が出てきているようです。
それによると、「東電は毎年2000億円を十数年にわかって払え」というのが骨格らしいです。

要するに、分割払いって事ですね。

■ 福島第1原発 東電、年2000億円負担で調整 賠償問題
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110415-00000036-maip-soci

個人的には、まあまあ納得を得られる案なのかなとは思っています。
全額国費負担がベストだとは思っていますけど。

それに、まだ素案の段階のようなので、最終的にどうなるかはわかりません。
世論の反発が厳しくて、結局国有化なんてことも可能性としては残っていると思います。

ちょっと分かりにくい部分も

さて、記事を読んでもちょっと分からない部分がります。
それは、東電が赤字の時には2000億円を免除されるのかどうかです。

記事を読むと、黒字だったら2000億円払えと書いてあるように見えます。
つまり、赤字の年には払わなくて良いと読めるのです。

でも、その方法だと上手く機能しないように思われます。

ですから、しばらくは毎年必ず2000億円を払わされるものとして、議論を進めます。
そして、後半で、「黒字なら2000億円支払い」という案の問題点を考えてみましょう。

今のままでは東電は2000億円を負担できない

さて、東電が毎年2000億円を国に取られるという事は、毎年2000億円を損失として計上するということです。
東電が毎年数千億円も利益を出すようなすごい儲かっている会社なら、それでも問題は無いでしょう。

実際、今回の支払い案を考えるときには、東電は毎年数千億円儲けていると言う前提で案を作っているようです。

> 東電は例年、2000億~4000億円の連結経常利益を出しており、政府内では年間2000億円規模の負担なら対応できるとの見方がある。

でも、実際のところは、全く違います。
過去3期の決算を見ると、最終利益は次のようになっています。

前期:133,775百万円
2期前:-84,518百万円
3期前:-150,108百万円
http://profile.yahoo.co.jp/consolidate/9501

2010年度の決算はまだ出ていませんので、前期というのは2009年度を表します。
以下、2期前は2008年度、3期前は2007年度ですね。

2期前、3期前の赤字要因は、化石燃料の値上がりでしょうか。

ここから分かるとおり、ここ数年の東電は赤字を出すような会社です。
一番儲かっている2009年度でも、1300億円しか最終利益が出ていません。

まあ、これは税引き後の額なので、この年だったら何とか出せるのかな?
それにしても、ギリギリですね。

当然ですが、今期の決算はさらに厳しくなるはずです。
地震と津波で、色々なものが壊れましたから当然です。

何にしても、毎年2000億円を払えといわれると、かなり厳しいのは事実です。

記事にあるように、経常利益でみるともう少し黒字になるようです。
しかし、それでも不十分なように思えてなりません。

実際問題として、ここ数年は記事にあるような「2000億~4000億円の連結経常利益」は上げられていないのです。
とんでもなく甘い見通しのもと、この案が作成されているのが分かります。

このまま行くと東電はしばらく赤字

2000億円の支払いが厳しいのには、ほかの要素もあります。
先ず考えられるのは、売上の減少です。

東電は電力を売ってナンボの商売です。
しかし、現在は電力供給に限界がある状態ですから、売上が下がるのは必至でしょう。

正確なところはわかりませんが、今年度と来年度は売上が1割とか2割とか下がると思われます。
はっきり言ってこれで利益を出すのは厳しいでしょう。

減収要因はこれだけではありません。
化石燃料の購入も経営を圧迫するはずです。

原子力発電所は当分動かすことが出来ません。
ということは当面の間、火力発電所を使って電力を共有するしかありません。

火力発電所を使うということは、化石燃料の購入を増やさないといけません。
これは原発の燃料に比べて高価ですから、大きなコスト増になるでしょう。

さらに今後、中国やインドなどの新興国が化石燃料の使用を増やすのは避けられません。
そうすると化石燃料は値上がりするでしょうから、コストとしてはさらに大きくなるかもしれません。

さらに新しい火力発電所の建設費用も忘れてはいけません。

現在の電力供給では関東地方の電力を賄うのは不可能です。
当面原子力を使わないとなれば、火力発電所を作る可能性もあるでしょう。

火力発電所を作るのにどの程度のコストがかかるのかは分かりませんが、そんなに安くは無いですよね。
しかし、5年とか10年とかのスパンで考えたときには、そうせざるを得ないと思われます。

このように、現在の東京電力には減収要因が山のように有ります。

2000億を払うには値上げしかない

結局のところ、東電が毎年2000億円を払うには、電気料金の値上げしかありません。
これによって、私達はどの程度の負担をしないといけないのでしょうか?

まず前提知識として、電力消費の約三分の一が一般家庭なのだそうです。
ですから、単純に2000億円の三分の一である700億円を一般家庭が賄うとしましょう。

さて、一戸あたりの負担する額を計算するには、東電が電力を供給するエリアに何戸住宅があるか知らないといけません。
まあ、あて推量ですけど、大体1000万戸くらいでしょうか。

常識的に考えると、こんなものでしょう。

ここから計算すると、一戸あたりの負担額を計算することが出来ます。
単純に割り算をして、一戸あたり年間7,000円の負担となります。

この負担が15年続くと、一般家庭は約10万円負担するということになります。
ちなみに、15年という数字は、次の記事から持ってきました。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110412-OYT1T01201.htm?from=main1

さらに、新しい発電所を作るコストもかかりますし、電力の供給減による減収もあります。
化石燃料の消費は増えるはずですし、長期的な値上がりの可能性もあります。

こういった部分も、電気料金の値上げにつながる要因であると考えるのが自然です。
こういう事を考えると、1家庭につきトータルで最大20万円程度の負担増は覚悟しておいた方が良さそうですね。

正直に言って、よく分からない部分も

さて、最初の話に戻りましょう。
記事にあるように、赤字だったら2000億円の負担を免除されるのかという話です。

新聞記事には次のように書いてあります。

> 原案では東電は同社の毎年の利益から1000億~2000億円を15年間払う(読売新聞)
> 毎年の収益の範囲内で負担させる枠組みの検討が進んでいる。(毎日新聞)

「収益」と「利益」は大体同じ意味です。
ですから、どちらも東電の負担を毎年の利益の中から行うと書いてあります。

記事を素直に読むと、収益が無ければ支払いは免除されると考えるのが自然でしょう。

もしそうだったら、消費者にとってはありがたい話です。
賠償のために電気料金を上げる必要はありませんから。

あるいは、赤字の年は一年繰り越されるのでしょうか?
そういう可能性もあるかもしれません。

上で見たように、2009年度までの3期で、東電は2回最終赤字を出しています。
そして多分、今期も赤字でしょう。

さらに言うと、売上はしばらく低調でしょうから、何年かは赤字が続く可能性があります。
赤字にならないまでも、2000億円を払えるほどの利益が出ない年が多そうです。

ということは、毎年の2000億は、基本的には支払わなくても言いと考えているのでしょうか?
何だかメッセージが矛盾しているように思えるんですよね。

もしかすると、政府は東電の負担があるように見せかけたいのかもしれません。
本当は全額国費負担なんだけど、それを言うと国民の反発がありますから。

しかし、もし本当に東電に払わせる気が有るのなら、電気料金の値上げは避けられないでしょう。
政府の真意はどっちなのでしょうか?

黒字なら負担→赤字にすれば良いって事

あと、赤字なら払わなくて良いという決まりにするなら、意図的に黒字を出さなくする可能性も考えられます。
というか、私が経営者ならそうします。

経営を頑張って黒字にするとお金を取られるという仕組みがある以上、黒字にしても企業としてはメリットがありません。
そうであるのなら、設備投資などにお金を使って、経常赤字にした方がいいはずです。

その方が企業の将来のためになります。
株主の利益を考えるのなら、当然そうするでしょう。

逆に言うと、将来のための設備投資を削ってまで無理やり利益を出しても、東電にとっては良い事はありません。
こう考えると、黒字ならお金を払えという仕組みは、根本的な矛盾があるように思えてならないのです。

結局よく分かりませんね

何だか色々と分からない仕組みです。
最終決定する頃には、もう少しまともになっているでしょうけど。

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