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リスク分散するとリスクが高まる…そんなバカな

2011年2月16日、日本とインドの間でEPA(経済連携協定)が署名されました。

ただ、なぜか日本のテレビでは大きく扱われていないようです。
結構大きいニュースだと思うんですけどね。

まあ、良いでしょう。
テレビの報道姿勢に対する違和感は、今に始まったことではありませんし。

ただ、これに関して興味深い反応もありました。
日本からではなく、中国からです。

■ 日本とインドの「経済愛」が過熱しても日本外交の苦境は救われない―SP華字紙
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110224-00000019-rcdc-cn

この記事は非常に興味深い記事で、取り上げて議論したくなるようなポイントが沢山あります。

例えばこの記事は、シンガポールの新聞の記事を中国の新聞が引用し、それをRecord China が引用しています。
どこまでがシンガポール紙の主張で、どの部分が中国紙の主張なのかよく分かりません。

菅政権の事を高く評価しすぎているのも、ちょっと事実誤認のように思います。
どうしても私には、そんなに深く考えているとは思えないのです。

また、日本とインドのEPAはマイナスであると結論付けたいようなのですが、その主張に感情的なものが入っているように思えてなりません。
具体的に言うと、「中国のほうが良いから中国を大事にしなよ」というニュアンスが伝わってくるのです。

これにはどうも、政治的な意図が感じられてなりません。
おそらく、日本とインドの関係がよくなるのが、相当嫌なのでしょうね。

経済面で考えても、中国にとって日本は大事な存在なのでしょう。
日本のメディアで伝えられることは少ないですが、中国の貿易大国として存在するには日本の存在は欠かせませんから。

そんな意図をこめた記事ではないかと思えるのです。

ただ、今回取り上げるのは、上に挙げた3つとは違う部分です。
リスクに関するこの記事の認識が著しく偏っているので、その部分を指摘したいのです。

リスク評価は投資を考えるときに大切です。
しっかり認識しておきましょう。

「中国一辺倒」と「中国とインド二股」ではどちらが安全か?

今回取り上げたいのは、次の部分です。
ちょっと長めに引用します。

インドは中国と同じBRICsの一員で、人口が多い新興国だ。最近の日本企業は12億の巨大な市場よりも、インドの経済成長(年9%)と2億4000万人の中産階級に夢中のようである。だが、「遠くの水は喉の渇きをすぐには癒せない」と言うではないか。長く慣れ親しみ距離も近い中国市場から、事情も良く分からず距離も遠いインド市場への転換を図るとは。リスク分散のように見えて実はさらに大きな「不確かなリスク」を背負ったことに日本は気付いていない。

インドの北東アジア、特に中国に対する影響力はごくわずかだ。中国もインドとの協力関係を強化しており、インドが日本の強力な助っ人になることはあり得ない。日印の“経済愛”は急速に高まっているが、日本の「遠交近攻」政策の苦境を救うことにはならないだろう。

記事の中で、個人的に気になるのは、次の3点です。

・インド進出はリスクだ
・インドへの転換はリスク分散になっていない
・インドは距離が遠い

中国でのビジネスにリスクが無いかのような主張です

引用部分の中で一番気になるのは、インドのリスクをことさら大きく書いているという点でしょう。
これはどう考えてもゆがんだ主張ですよね。

商品を売る対象としてインドが有望であるのなら、インドに進出するのは当然ですよね。
記事が指摘するように、インドに中間層が育っているのなら、それに対して売り込むのは企業としては当然のことです。

また、日本政府としても、それをバックアップすることは自然なことです。

もちろん、新しい市場に打って出るのはリスクが伴うでしょう。
でも、そのリスクを取らないで、どうやってビジネスを拡大するのでしょうか?

リスクに関してもう一ついえるのは、中国との取引もリスクだということです。

記事を読む限り、暗に中国よりインドの方がリスクが大きいと良いたいようです。
だから、中国からインドにシフトするのは、日本にとってマイナスだと言いたいみたいなのです。

でも、中国でのビジネスに対するリスクは、小さくないですよね。
インドと比べて、中国でビジネスをするリスクがことさら小さいとは思えません。

ニュースなどで取り上げられるのは、中国進出している企業の中の一部の成功企業だけです。
成功例に隠れて、数多くの失敗例がある事を忘れてはいけません。

実際、商習慣の違いなどから、かなりの確率で失敗しているといいます。

「インド進出がリスクで、中国でのビジネスはリスクではない」かのような書き方は、どう考えても理屈に合いませんよね。

インドでのビジネスにはリスクがあり、中国でのビジネスにもリスクはある。
そこにビジネスチャンスがあるのなら、リスクを踏まえたうえで両方でビジネスするわけです。

商売ってそういうものでしょう。

アメリカからインドにシフトだったら、リスクが増すという考え方も分からなくは無いですけどね。

商売相手を一つにしぼることもリスクだ

「インドへの転換はリスク分散になっていない」という主張も、問題のある主張です。

仮に中国でのビジネスとインドでのビジネスで、中国とのビジネスの方がリスクが小さいとしましょう。
その場合でも、分散することは正しいはずです。

例えば、インドか中国どちらかの国と関係がこじれたとしましょう。
両方の国と関係を築いておけば、もう一方の国との関係は残るわけです。

これが、どちらかの国一辺倒だったら、関係が崩れた瞬間にビジネスがなくなってしまいます。
そんな怖いことは、どう考えても避けたいですよね。

こう考えれば、インドでのビジネスが多少高リスクでも、関係を築いていくべきなのです。

また、一国への依存度が高いと、その国の影響を受けやすくなります。
これを避けるためにも、インドとの関係強化は意味があります。

よく反米派の人が「日本はアメリカの言いなり」だと言いいます。
これは日本とアメリカの関係が強いからこう言われるわけす。

もし中国だけとべったりの関係になったら「日本は中国の言いなり」になる可能性が高いでしょう。

もちろん、選択と集中という言葉があるように、経営資源を得意分野にしぼるという考え方も有ります。
でも、それは日本の経済規模を考えたら、ありえない話でしょう。

もっと経済規模の小さい国だったら、成長のために中国かインドのどちらかにしぼると考えることもあるかもしれませんけどね。
日本の経済規模でそんな事を考えているとしたら、笑われてしまいます。

遠いからって…

「インドは距離が遠いのでリスクだ」という主張は、もう滅茶苦茶ですね。

日本が一番仲良くしている国はアメリカです。
アメリカ本土は、少なくともインドよりは距離が遠いはずです。

だからアメリカとの関係をやめようとはならないでしょう。
当たり前ですよね。

また、日本が石油を勝っているのは中東諸国です。
インドはどう考えたって、それよりは近いですよね。

もう、冗談で書いているとしか思えません。

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