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生命保険の乗合保険代理店はそんなに素晴らしいのか?

複数の保険会社の保険を扱う代理店が増えてきました。「生命保険の無料相談」を掲げて営業している事も多いですね。彼らは乗合代理店と呼ばれる代理店です。

複数の保険会社の保険からベストなものを選べるので、乗合代理店を使うのは合理的だ言われることもあるようです。でも、本当に、そんなに素晴らしいものなのでしょうか。

乗合代理店はそんなに素晴らしいの?

保険関係の本を読むと、乗合代理店で相談する事をすすめていることがあります。乗合代理店というのは、複数の保険会社の商品を取り扱う代理店の事です。

不特定多数の人が乗ってくる乗合バスのように、様々な保険会社の商品が扱われるので、乗合代理店というわけですね。「生命保険の無料相談」などと言って、人を集めていることが多いようです。最近は、街中でも、だいぶ見かけるようになってきました。

複数の保険会社の保険を扱っているとなると、なんだかいい保険が選べそうなイメージがあります。でも、本当に彼らはそんなに素晴らしい存在なのでしょうか?

ちょっと考えてみましょう。

乗合保険代理店が優れている点

乗合保険代理店が優れているとされる理由は2つあります。

一つは専門家によるコンサルティングを受けられるという点です。そしてもう一つは、各社商品を比較の上、ベストな商品を紹介できるという点です。

専門家によるコンサルティングを受けられた上に、複数の会社の中からベストの保険を選べるわけです。顧客にとっては願ったりかなったりの仕組みですよね。ですから積極的に乗合代理店を利用しましょうと言う人がいるわけです。

大手の生命保険会社でも、実はすべての保険を扱えているわけではありません。選択肢が限定されてしまうのです。もちろん大手の保険会社なら基本的な保険は大体対応しているのですけどね。細かい条件で、今一つ使いづらいというようなこともあるわけです。

しかし乗合代理店なら、より選択肢を増やすことが出来ます。ですから、1社だけの保険を検討するよりも合理的な選択である可能性が大きいわけです。

また、保険の手数料(厳密にいうと付加保険料)というのは、実は保険会社によってかなり違います。全く同じ保障の保険を選んでも、保険会社によって、保険料が全然違うことがあるのです。

しかし乗合代理店なら、手数料の観点から比較検討することが可能です。一番手数料が安い保険を選べる可能性があるわけですね。

このように、乗合代理店にはメリットがあるのは事実です。ただ、世の中そんなに甘い話ばかりでは無いようです。ここから問題点についても考えてみましょう。

顧客と代理店の利害が一致しないケースも

現実問題としては、上のような宣伝文句どおりにならないケースもあるようです。どういうことがおこりうるのか、考えてみましょう。

そもそも乗合代理店と言うのは、ただの代理店です。営利目的の企業です。

当然ですが彼らのゴールは、自社の利益を最大にすることです。基本的にはそれを目指して営業しています。逆に、そうでないと、企業としてはおかしいですよね。

利益を優先すると、当然ですが、顧客にとって不利益になる事も起こり得ます。代理店の利益になることが、顧客の利益にならないケースが有るわけですね。こういうのを利益相反と言います。

顧客と乗合代理店の利益相反の例は、次のようなケースを想定すると分かりやすいでしょう。

A社とB社の商品を紹介している乗合保険代理店を考えてみましょう。そして、この代理店がある顧客に対してコンサルティングを行ったとします。コンサルティングの結果、顧客は問題を抱えていることが分かりました。

A社B社の商品の中には、どちらも顧客の問題を解決出来る商品がありました。そして総合的に判断すると、この顧客にはB社ではなくA社商品を紹介するのがベストであることも分かりました。

ところが、A社の商品はB社の商品よりも手数料が安いようです。代理店にとっては大きな儲けになりません。そこで代理店はA社の商品の存在は伏せて、B社の商品を顧客にすすめることにしました。

この例だと結局顧客は、ベストとはいえない商品を手にしたうえに高い手数料を払わされることになります。

こんなケースは、保険代理店に限らず起こり得る話ですよね。そしてこのようなケースでは、売る側の都合で、顧客は不利な商品を買わされる可能性があるのです。

ただ、A社商品とB社商品はどちらも、顧客の現状にあった商品であることも事実です。B社の商品にしても、一応顧客の問題解決という目的は果たすことが出来るからです。

だから不利益と言っても、限定的なものだといえるかもしれないですけどね。どうとらえるかは難しいところです。完全に代理店を非難することも出来ないでしょう。

何にしてもこの例から、乗合代理店を信じすぎてはいけないことが分かるでしょう。

さらに悪いケース

実は上に書いたような例は、率直に言ってたいした話ではありません。顧客に問題があって、結果的にそれが解決できたのですからね。

しかし保険代理店が悪質だと、更なる被害をこうむる可能性もあります。

わかりやすい例は、顧客とのコンサルティングの段階で、必要以上に不安をあおる様なケースですね。不安を煽るだけ煽っておいて、最終的にいらない保障がたくさんついた高い保険を契約させるのです。

こういうケースだって、無いとは言えません。というか、実際にこいういう乗合代理店も存在します。要らない保障がだろうと何だろうと、契約させてしまえば代理店の利益になるからです。

そもそも保険会社だって、これに近いことをやっているともいえそうですよね。

例えば、医療保険のCMなどを見ていると、かなり不安を煽っていることがあります。また、公的な医療保険(いわゆる健康保険)で処理できる部分を意図的にごまかしているような表現もありました。実際、そのことに関して、行政指導を受けるようなことも過去にあったようです。1

まあ商売ですから、ある程度の部分は仕方が無いのかもしれませんけどね。保険業界はちょっと目に余るような印象もあるのです。もちろん、乗合代理店も例外ではありません。

「乗合代理店=正義」というような図式で考えてはいけません

何にしても、「顧客にとってベストな保険を選んでくれる」という乗合代理店の評判を信頼してしまうと、深く考えることもなしに安易に契約してしまう事だってあるでしょう。乗合代理店というだけで、信頼しすぎるのは、大変な危険を伴いそうですね。

悪質な代理店や担当者に当たったら、かなり酷い契約を迫ってくることもあるはずです。しかも知識の量が圧倒的に違いますから、不安にさせてだますなんて難しい事ではないのです。

乗合代理店にはメリットもありますが、それを活かすためにも私たちも保険の知識が必要なのです。そうしないと、カモにされるかもしれませんよ。

日経新聞の中でも解説記事に

このような問題に対して、アメリカでの消費者保護の取り組みが紹介されていました。ニューヨーク州では保険募集人に対して、情報公開をさせるようなのです。

「代理店の利益」と「顧客の利益」との二律背反は、日本だけで見られる問題ではないらしい。米ニューヨーク州が来年から保険募集人(代理店など)の報酬開示に踏み切る理由も、まさにこの点にある。
保険代理店への「美しい誤解」と情報開示 生命保険は誰のために(5)

日本では未だ問題点が十分に認識されていません。過剰な広告に対する指導はあるようですが、不十分なように感じるのです。結局、私達としては、自衛手段をとるしかないでしょう。

とは言え、できることと言えば、、複数の乗合代理店を利用して比較検討するといったくらいでしょうか。あるいは、保険マンモスのような、乗合代理店の紹介サービスを使うのも一つの方法かもしれません。

このサービスは、営業している期間や顧客からの評判を元に、フィルタリングして代理店を紹介してます。電話帳などで、安易に選ぶよりは信頼性は高そうです。

まあ最終的には、自分で勉強して変なものを買わされていないかチェックするしかないのでしょうけどね。そこまでできる人は、なかなか多くありません。本当に難しい問題だと思います。

余談だが

完全に余談ですが、上の日経新聞の記事はとても読み辛かったです。その理由は「保険代理店への美しい誤解」が何であるのか明示されないまま、議論が進んでいくのです。

「美しい誤解」が何であるか匂わせるような内容が全く無いわけではありません。それでも正直に言って、分かりにくいですね。

おそらく、「乗合保険代理店を利用すると複数の保険会社から一番良い保険を選んでくれる」というのが美しい誤解なのでしょう。書いているうちに、説明したつもりになっちゃったのかなあ?

何にしても、「日経新聞の編集委員って、こんなレベルなの?」と思ってしまいました。いや、経済記事を読む限り、そんなに驚くことではないかもしれません。

連載ものなので、過去の記事を当たれば「美しい誤解」が何であるか明示されているのかも知れません。仮にそうだとしても、週に一回の連載ですからね。説明は必要でしょう。一週間前の自分の記事を覚えていろと言う話なのでしょうか。

  1. 具体的には、高額療養費の存在を無視して自己負担を大きく見せるようなことをしていました。 []

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お金の知識は、すべての人に必要な知識です。しかも、一生ものなんです。

でも、難しいのが、何から手を付けたら良いかでしょう。お金の知識と言っても範囲が広すぎるので、どこから始めたら良いか分からないわけです。

そんな人におすすめなのが、ファイナンシャル・プランナーの知識です。FPと言われてるやつですね。

とりあえず、ファイナンシャル・プランニング技能検定の3級レベルの知識だけでも身につけておくと、日常生活でもかなり役に立ちます。わざわざ資格を取る必要は無いと思いますけどね。

率直に言って、これだけで十分とは言えません。でも、知らないよりはずっと合理的な判断ができるはずです。

ちなみに、ゼミネットというサイトを使うと、9,000円で20時間分の講義動画を繰り返し見ることが可能です。とりあえず、お金の知識を身につけたい人は、ぜひ使ってみてください。

あ、もちろん、興味があれば資格にチャレンジしてみるのも悪くないと思います。3級なら特に受験資格も必要ありませんし。

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