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スーパーで流行の服をお買い物

「スーパーの服なんて誰も買わないよ!」

多くの人がそう思っているはずです。その証拠に、スーパーで服を買う人は、以前に比べてかなり減っているようですね。

私自身もそれほどファッションにこだわりがあるほうではありませんが、スーパーで服は買った事がありません。

しかし最近、大手スーパーでは衣料品に力を入れ始めたようです。「センスが無いスーパーの服」からの脱却は可能なのでしょうか?

■ 「スーパーの服はダサくない」 イオン、ユニクロに真っ向勝負
http://www.sankeibiz.jp/
business/news/101121/
bsd1011210700000-n1.htm

イオンは流行りもの勝負

記事では、イオンの取り組みが紹介されています。紹介されている主な取り組みは、次のような感じです。

・ コーディネートを顧客に提案する陳列
・ 安価な価格帯で品揃えをし、購入点数を増やす
・ 有名デザイナーのヘッドハントし、最新ファッションも提供する(店内商品の30%から40%)

1番目の取り組みって、今まではしていなかったと言うことでしょうか。そもそも、駄目じゃん。

特に、注目されるのは3つめの最新ファッションの提供というところでしょう。これは、これまでのスーパーとは全く異なる点だからです。
いわゆるファストファッションのようなものを目指しているのでしょうね。

定番商品が6割、流行りものが4割という比率を考えると、ZARA とかFOREVER 21 とかのテイストを入れたいのかな。1

誰に売るの?

記事を読んでよく分からなかったのが、商品を誰に売るのかという点です。一応、社長は次のように語っています。

「服をよく知らない人も、おしゃれが好きな人にも満足してもらえるはず」と、トップバリュコレクションの荻原久示社長は狙いを説明する。

結局、「みんなお客さんですよ」と言いたいのかしら?だとしたら、マーケティング的には零点だと思うんだけどなあ。

通常のマーケティングでは、顧客の嗜好などを元に、顧客を分類する。カジュアルが好きな人とか、安くてかわいい服が好きな人とか、高くても良いからおしゃれに見える服が好きな人とか。こういうのをセグメンテーションといいます。

通常は、セグメンテーションをして、どのセグメントに売るかを決めるのです。複数のセグメントを相手にする場合、セグメントごとに異なるメッセージを出します。

でも、みんなお客様ですよでは、誰に買って欲しいのかさっぱり分からないですよね。率直に言って、この人は経営者としてどうなのでしょうか。あるいは担当者に丸投げなのかなあ。はたまた、食品スーパーの手法の影響なのかなあ?

食品スーパーの場合、地域に住む人みんながお客さんです。ですから、セグメンテーションの重要性は低いはずです。その手法に引きずられて「みんなお客様」になっちゃったのかしら?

USPは?

もう一つ疑問なのが、USPをどのように設定しているかという点です。USPというのもマーケティングの概念で、その店や商品だけが持っている特長といったら良いのかな?

Wikipedia には次のように書かれています。

It states that such campaigns made unique propositions to the customer and that this convinced them to switch brands.
(USPというのは、顧客に対する独自の提案です。それをすることで、顧客がブランドを替える決断をします。)

例えば、ユニクロだったら「定番商品は何でもそろっている」というのがUSPと言って良いでしょう。FOREVER 21 だったら、「常に最新のファッションを」というのがUSPと言えます。

さて、イオンのアパレ部門、このUSPは何なのでしょうか?どうも、何も無さそうですよね。これはそう言って100%間違い無いと思います。

なぜか?イオンの社長自身が、イオンの服にUSPが無いと言ってしまっているからです。

「哲学がない服は売れない。機能やデザインのまねではなく、イオンの服とは何かを一言で言い表せないと成功しない」

Unique なものなんて、イオンの服には無いと言っているのです。この言葉はマーケティング担当者には相当こたえるでしょう。

でも、仕方が無いですよね。実際に、人々を納得させるようなUSPは打ち出せていないんだから。だから売り上げが落ちているんだし。

ウェブは完全に手抜きだね

さて、イオンの服がどんなものか実際に見てみることにしました。実物を見に行くのは面倒なので、とりあえずウェブで確認することに。

http://www.aeonretail.jp/kodawari/fashion/bodre/index.html
http://www.aeonretail.jp/kodawari/fashion/sortisso/index.html

…。

なんか攻めすぎじゃない?そして、服は攻めているんだけど、サイトがダサい。

白ベースの食品スーパーのサイトに、ファッションのページを一緒にしている時点で先ずダメでしょうね。先進的なファッションの隣にLED電球の広告はいくらなんでも酷です。

でも、スーパーで服を売るって、こういう感覚なんでしょうね。

コンペティターとして想定しているであろうZARA やFOREVER 21 のサイトとは比べ物にならないです。ユニクロと比べても酷いですね。

直販する気が無いから、こんな風になっちゃったのかなあ?

いや、やっぱり分かっていないとしか思えないんだけど。

誰に売るの? 2

話を服に戻しましょう。こういう服は「イオンで売れるのか?」と言うのが疑問ですよね。

個人的な感想としては、自分だったら、こんな服が置いてあっても買わないんじゃないかなあと思わざるを得ません。

食品スーパーの2階にある衣料品店で服を買うわけです。可能性があるとしたら、定番ものだけですよね。責めた服を買う気には、まずならないでしょう。

定番商品だったら、食料品のついで買いというのも有るかもしれないですよね。でも、本気で服を選びたいなら、そこには行かないはず。

記事の中でも、業界関係者の声として、厳しい指摘がされています。

「内装や陳列を変えても、接客スタッフは安売りのスーパーのまま」

「スーパーの客は服に最先端の流行は求めていない」

こういうことなんですよね。

ここにある指摘のように、ファッション知識や商品知識が無い人が、服を売るのも厳しそうです。確かに、デパートの店員とかショップ店員と同じレベルのサービスを、スーパーの店員が提供できるとは考えにくいですから。

うまくいかない気がするなあ

以上のように、イオンの取り組みはちょっと厳しいのではないかと思います。定番商品は売れるかもしれないですけどね。

スーパーで流行の服を売るなら、それなりの仕掛けが必要でしょう。何か、そこで買う必然性のようなものが求められるはずです。でも、全く感じないんですよね。

デザイナーを招聘し、とりあえず作ってみましたと言う感じしかしません。

イオンにマーケティングのプロがいないはずは無いのだが…

何でこんなことになってしまったのでしょう。正直に言って、とても不思議です。

イオンの社内に、マーケティング関係の人材がいないはずは無いですよね。日本の小売の中ではかなり大きい企業なのですから、人材は豊富なはずです。

もちろん、食品中心で、アパレル関係の機能が弱いのは分かりますけどね。

それにしても、ずさんな感じがします。社内のリソースを有効に活用できていないんじゃないかなあ。必要があれば外部から読んでもいいはずなのに。

不思議です。

アパレル関係部門の重役か役員が、自分のセンスで突っ走ったのかなあ。そういう理由だと納得しやすいですね。

  1. 全く余談ですが、「ZARA」は日本では「ザラ」と呼ばれていますが、本来は「サラ」と呼ぶべきでしょう。その理由は簡単で、スペイン語では「Z」をザ行では読まないからです。音がにごらないんですね。 []

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