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年齢が上がるとリスク資産を減らした方が良いの?

【常識を疑おう!】資産運用では、年齢が低いうちは積極的に株などのリスク資産に投資して、年齢が上がったら元本割れをしない金融商品を選ぶのが良いとされています。この常識って、本当に信じてしまって良いのでしょうか。個人的には、ちょっと疑わしいのですが。

「100-年齢」ルールは使えるのか?

投資の入門書や家計の見直しに関する書籍などを見ていると、リスク資産と年齢について書かれていることがあります。具体的にどのような事が書かれているかというと、次のような感じです。

「年齢が上がると失敗を取り返すことが出来ないので、リスク資産は徐々に減らしていきましょう。リスク資産とは株式や投資信託などの事です。」

具体的な数字の指示も

さらに、リスク資産の割合を「100-年齢」にしましょうという、具体的な指示をしているものまであるそうです。つまり、40歳だったらリスク資産は60%に、50歳だったらリスク資産は50%にという考え方です。

この「100-年齢」というのは、どうやら、アメリカで流行っているものらしいです。

ちなみに、リスク資産というのは、株や投資信託などを指しているようです。投資に失敗すると、元本割れをする可能性がある金融商品という理解で良いでしょう。

年齢だけでリスク許容度を決めるのは愚か

さて、年齢が上がるにしたがって、リスク資産を減らそうという考え方は合理的なのでしょうか?

個人的にはどうもピンとこないんですよね。はっきり言って、例外が多すぎて、こんなルールに意味があるとは思えません。

いくつか例を挙げて、考えてみましょう。

独身の25歳は株式投資をする余裕があるのか?

「100-年齢」というガイドラインによると、例えば25歳の人は75%の株式を持てる事になります。また、仮に、彼または彼女の資産は、まだ100万円しかないということにしておきましょう。

大学を卒業してから就職した場合だと、大体こんなものでしょう。実家暮らしだと、もっと貯まっているかもしれませんけどね。

さて、「100-年齢」ルールによると、この人は75万円を株式に投資できるということになります。そして、25万円が預貯金という事になります。

でもこれって、どう考えたっておかしいですよね。どんな家庭でも、100万円程度の現金や預金は持っていた方がいいです。100万円しか持っていないのなら、リスク資産なんてそもそも買うべきではありません。

もちろん、実家暮らしで最悪のケースでは親が尻拭いをしてくれるというのであれば、株式の割合が多くても問題は無いんですけどね。一人暮らしをしている場合などは、さすがに75万円を株式投資というわけにはいきません。

100万円すべてを現金や預金で持てとは言いません。でも、25万円からもうちょっと増やしておいた方がいいでしょう。

お金持ちの高齢者の例

もう一つ例を挙げてみましょう。今度は70歳の男性のことを考えましょう。彼は、2億円の金融資産を持っているとします。

上の「100-年齢」ガイドラインによると、株式や投資信託の投資は30%の6,000万円までしか投資できない事になります。でも、これもまた変な話ですよね。

この70歳の男性が、例えば、金融資産の四分の三に当たる1.5億円を株式に投資したとします。さて、これでなにか問題はあるのでしょうか。おそらく、何ら問題は無いはずですよね。

リスク資産を除いても5,000万円の預貯金が残りますから、何かトラブルがあっても余裕で対処が可能なはずです。リスク資産の割合が、もっと多くてもいいくらいです。

それどころか、1.5憶円分の株式を買うのは、賢い選択なのかもしれません。1.5億円も株式に投資していたら、仮に配当利回り2%としても、配当だけでも年間300万円の収入があります。これに年金が入ってくれば、現金に全く手をつけないで暮らせるはずです。ちょっと足りなければ、5,000万円の預貯金を取り崩せば良いでしょう。

あるいは、1.5億円で不動産を買って人に貸し、家賃収入で暮らすことも可能でしょうね。こうやって考えると、私には投資しない理由が見つからないのです。1

年齢とリスク商品の割合は気にしなくて良いと思う

上の例からもわかるように、年齢を基準にリスク資産の割合を決めるという考え方には、ちょっと無理があります。年齢以上に現在の資産状況のほうが重要でしょう。

もちろん、年齢が全く関係ないとは言いませんけどね。考えるときの優先順位としては低そうです。

何にしても、年齢が上がるとリスク資産を減らした方が良いというのは俗説です。根拠の無い変な俗説にとらわれすぎない方が良いと思います。

まあ、FPの肩書を持っている人が、この俗説を鵜呑みにしているのですけどね。困ったものだと思います。

俗説は単純なので、意外に説得力があるのかもしれません。

結局、リスク資産の割合はどうやって決めれば良いの

それでは、リスク資産の割合は、どうやって決めたら良いのでしょうか。

実は、個人的には、自分が価格変動に耐えられるかどうかで決めたらいいのではないかと思います。最初に100万円程度は別に分けておくべきだとは思いますけどね。

どういうことかというと、リスク資産を買えるかどうかは、価格変動があった時にどの程度動揺するかで決めるべきだと考えるのです。実は年齢より、心の問題の方が大きいのではないかと思います。

リスク資産に向いていない人もいる

世の中には、持っている株式の価値が5%下がるだけで、大損をしたという気分になる人がいます。こういう人は、基本的に、あまりリスク資産を持つべきではありません。

一応、インフレには対処できた方が良いので、物価変動国債に投資する投資信託でも買っておくのが良いでしょう。あるいは、変動金利型の変動10年の個人向け国債でも買っておくのが良いかもしれません。

分散投資ができていればリスク資産でも問題は無い

逆に、かなりの下落があっても平気でいられる人は、いざというときに最低限必要な100万円だけよけておいて、他はリスク資産で運用して良いでしょう。

それなりにちゃんと分散投資ができていれば、全額をリスク資産で運用しても、資産がゼロになるような事はありません。ですから、これでも問題が無いと考えられます。

自分は価格変動があっても大丈夫だと思っていても

この方法で気をつけたいのが、実際の価格変動があった時に、最初の想定と違っているケースです。実際、こういう人はかなり多いはずです。

自分は株価が変動しても大丈夫だと思っていたのに、実際に5%とか10%下がっただけで、株価が気になって仕事が手につかなくなるような人も少なくないでしょう。本当に少し下がるだけで狼狽える人っていますからね。

こういうことにならないように、一番最初はリスク資産を少なめで始めてもいいかもしれません。


  1. 個人的には、今の日本では、不動産投資はあまりお勧めしませんが。 []

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