「ドル・コスト平均法は優れた投資戦略か?」で書いたように、定額で何回かに分けて買うドル・コスト平均法は、一定単位ずつ買い増していく方法と比べても、別段有利というわけではありません。
その一方で、これだけでは、明確に問題があるわけでもありません。
つまり、分割して買うと言う条件の元では、どちらでも好きな方を取れば良いわけです。どちらかが有利というわけでも、不利というわけでもないのですから。
ただ、一回でまとめて買うのか分割で買うのかと言う話になると、またちょっと違う話になるのです。ドル・コスト平均法のように時間をかけて分割して株式や投資信託を購入することは、投資理論上は明確に不利なことです。
例えば120万円持っているようなとき、120万円を全額投資する方が、10万円ずつ12回に分けて買うよりも有利なのです。
何が不利なのか?
ドル・コスト平均法などの時間的に回数を分けて買うデメリットは、ダイヤモンドの次の記事で説明されています。「機械損失」「過度な手数料」「過度な投資の集中」という3つの問題があります。
「過度な手数料」「過度な投資の集中」の二つに関しては、直感的に理解しやすいでしょう。
たしかに、株式や投資信託を積立てれば、一つの投資商品を買い続けることになり、過度な集中が起こります。また株式の積立では、何回かに分けて買ったほうが、手数料は明らかに高くなるはずです。
機械損失とは
少し理解しにくいと思うのが、機械損失という考え方です。直感的にわかりやすいように、具体例を挙げて説明しましょう。
例えば、現在12万円持っていて、それを毎月1万円ずつ投資するとしましょう。最初の1ヶ月では1万円を投資に回しますが、残りの11万円は現金や預金の形で残ることになります。残った11万円はほとんど利息もつきませんから、一ヶ月経ってもおそらく11万円のままです。
一方投資した1万円は、理論的には少し増えているはずです。なぜかというと、現金で置いておくよりメリットがあると思うから、株式なり投資信託なりに投資するからです。メリットというのは、もちろん価格の上昇です。
つまり、積立投資のように時間的にずらした投資をすると、結果的に投資する時間が短くなってしまいます。投資する時間が短いと増やす機会を失ってしまうのですから、論理的に不利ですよね。これが「機会損失」です。少なくとも確率的には、パフォーマンスの低下につながる事になるのです。
やってみないとわからないけどね
もちろん株式や投資信託のように、価格の変動がある金融商品だと、1回で買ったほうが絶対に結果が良いとは言えません。最初の1ヶ月で大きく下落し、2ヶ月目以降安く変えるという事だって起こり得るからです。
ただ、確率論という観点からすると、まとまったお金があるのにわざわざ分割して投資すると、不利に働く可能性が高いということです。
こういうことを理解した上で投資をすることは大切なことでしょう。
スポンサードリンク
一生もののお金の知識を身につけよう!
お金の知識は、すべての人に必要な知識です。しかも、一生ものなんです。
でも、難しいのが、何から手を付けたら良いかでしょう。お金の知識と言っても範囲が広すぎるので、どこから始めたら良いか分からないわけです。
そんな人におすすめなのが、ファイナンシャル・プランナーの知識です。FPと言われてるやつですね。
とりあえず、ファイナンシャル・プランニング技能検定の3級レベルの知識だけでも身につけておくと、日常生活でもかなり役に立ちます。わざわざ資格まで取る必要は無いと思いますけど。
率直に言って、これだけで十分なお金の知識が身につくとは言えません。でも、知らないよりはずっと合理的な判断ができるはずです。
ちなみに、ゼミネットというサイトを使うと、9,000円で20時間分の講義動画を繰り返し見ることが可能です。とりあえず、お金の知識を身につけたい人は、ぜひ使ってみてください。
あ、もちろん、興味があれば資格にチャレンジしてみるのも悪くないと思います。3級なら特に受験資格も必要ありませんし。

スポンサードリンク
タグ: デメリット, ドル・コスト平均法, 投資信託, 株式




