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ドル・コスト平均法は優れた投資戦略か?

山崎元の「新しい株式投資論」という本を読んでいたら、ドル・コスト平均法は「有利でも不利でもない」と書かれていました。

ちなみに、ドル・コスト平均法というのは、簡単に言うと定額の積立の事です。結論だけ書いてしまうと、次のような感じですね。

毎月一定額投資すると、安いときにたくさん買い高い時に少なく買う事になる。結果として平均取得額が低くなるので、有利な投資が出来る。

ですから、ドル・コスト平均法という投資方法は、リスク低減のための優れた方法だと紹介されることが多いです。だから、この記述は、にわかには信じがたいものなのです。

正直に言うと、私自身も盲目的にドル・コスト平均法のメリットを信じていました。

さて、山崎元の主張は正しいのでしょうか?ちょっと気になりますよね。

そこで、実際の数字を使って検証してみようと思います。具体的には、ドル・コスト平均法が不利に働くケースを探してみようと思うのです。

ドル・コスト平均法とは

まず、ドル・コスト平均法をもう少し詳しく説明しておきましょう。

株式や投資信託を購入するとき、常に一度に全てを買うわけではありません。時間的に何回かに分けて買う場合も多いです。

このときに、一定の単位ずつ買うよりも、一定の金額ずつ買うほうが有利な方法だとされています。こういう買い方をドルコスト平均法という。

この説明では分かり難いので、具体的な数字を挙げてみましょう。例えば、1株1,000円程度で推移する株式を3回に分けて買う場合を考えてみます。金額としては、1回10万円程度、3回で30万円程度の買い付けをするものとしましょう。

ドル・コスト平均法の考えによると、100株、100株、100株と3回買うよりも、10万円、10万円、10万円と3回買ったほうが得だということです。
これがマネー雑誌や投資の入門書では当たり前の事として説明されている内容です。

ドル・コスト平均法で購入した場合の取得価格

それでは、実際の取得額の平均はどうなるのでしょうか。株式などの取得価格について具体例を挙げて計算してみましょう。ドル・コスト平均法を使って株式などを取得した場合と、一定の単位ずつ購入する場合を比較するのです。

具体的には、次のようなケースを考えます。

・ 投資の開始時点で1株1,000円の株式を2回に分けて買う
・ 一つは10万円ずつ買い、もう一つは100株ずつ買う
・ 株価は上昇する場合と、下落する場合の2つの変動パターンを考える

パターンA:1,000円→2,000円
パターンB:1,000円→500円

この2パターンを押さえれば、株価や投資信託の価格が上昇した場合も下落した場合も、それぞれの取得価格が比較できますよね。

パターンA

■ ドルコスト平均法を使った場合

1回目:10万円、100株
2回目:10万円、50株

1株あたり平均取得価格=(10万円+10万円)÷(100株+50株)≒1,333円

■ 一定単位ずつ買った場合

1回目:10万円、100株
2回目:20万円、100株

1株あたり平均取得価格=(10万円+20万円)÷(100株+100株)≒1,500円

ドル・コスト平均法を用いた場合の一株あたりの取得価格1,333円に対し、一定単位ずつ買った場合は1,500円です。ということは、このことから、株価上昇局面ではドルコスト平均法のほうが、取得価格が安い事がわかります。

パターンB

■ ドルコスト平均法を使った場合

1回目:10万円、100株
2回目:10万円、200株

1株あたり平均取得価格=(10万円+10万円)÷(100株+200株)≒667円

■ 一定単位ずつ買った場合

1回目:10万円、100株
2回目:5万円、100株

1株あたり平均取得価格=(10万円+5万円)÷(100株+100株)≒750円

ドル・コスト平均法を用いた場合の一株あたりの取得価格667円に対し、一定単位ずつ買った場合は750円です。ということは、株価下落局面でもドルコスト平均法のほうが、取得価格が安い事がわかります。

平均取得価格はドル・コスト平均法が有利

上の2例からわかるように、株価が上昇しても株価が下落してもドル・コスト平均法の方が平均取得価格が安くなります。このことから、一般にドル・コスト平均法の方が常に有利であると言われる根拠です。

これだけ考えると、確かにそんな感じがしますね。

しかし、上で紹介した本の主張が正しいとすれば、ドル・コスト平均法が不利なケースも存在しないといけません。平均取得価格が安いのに、投資結果が悪くなるなんて事があるのでしょうか。ちょっと疑問に感じますよね。

でも、冷静に考えてみると、実際にそういうケースが存在します。これに関しては次のページで紹介しましょう。ちょっと長くなりましたからね。

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