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配当が多いか少ないかの指標「配当利回り」

【問題】

ある株式の1株当たり純利益が10,000円,1株当たり配当金が2,000円(年額),株価が200,000円の場合,配当利回りは1%となる。
○か×か?

株式投資をする人なら知っていないとまずい知識です

2010年5月のFP3級でこんな問題が出ていました。一読してわかるように、配当利回りの計算方法に関する問題ですね。このページでは、これをたたき台に、配当利回りについて考えてみましょう。

株式投資をする人なら、配当利回りは当然覚えておきたい知識だと思います。実際に、知っている人も多いのだとは思います。ただ、重要なポイントですから、すでに知っている人でも確認する価値はあるはずです。

また、FP3級受験者の人にとっては、ぜひ正解しておきたい問題といえるでしょう。基礎の基礎とでも言うべき問題ですから。おそらく、正解率は高いと思われます。

純利益というダミーを入れているところが、問題作成者の努力の跡を感じます。ただ、「配当」「利回り」という言葉を知っていれば、惑わされることも無さそうでしけどね。

さて、配当や配当金というのがどんなものかという点から、確認していきましょう。

配当・配当金とは

株式会社は出資している株主に企業が生み出した利益の一部を配当金として還元します。これを配当金といいます。そして、配当金を還元する行為が「配当」ですね。

通常は年に1回か2回配当が実施されます。ただし、利益がでない企業や成長過程にある企業では配当が実施されないケースもあります。

利益が無ければ、配当金が出ないのは当然

利益が出ない企業の配当が無いのは、利益の配分と言う配当の性格を考えれば当然でしょう。本来、赤字なのに配当が出るほうがおかしいのです。

まあ、赤字でも配当をしている会社はありますけどね。配当を止めてしまうと、株価に影響があったりするんでしょうね。

成長企業が配当金を渋る理由

成長企業が配当金を出さないというのは、ちょっと分かりづらいかもしれません。成長企業というのは、設備投資などのためにお金が必要です。は利益を翌年以降の投資にまわします。ですから、配当を出さない傾向にあります。全くゼロでは無くても、利益に対してかなり小さい額の配当金しか出さない場合もあります。

そして、この手の企業を好んで投資する人もいるようですね。成長で株価が上がるという推測をするのでしょう。

ちなみに、Windows95 を出したあたりのマイクロソフトも、配当金を出さない会社でしたね。すごい儲かっていたはずなのに、全然配当金が出ませんでした。それでも、成長企業だと認識され、株価はすごい勢いで上がっていました。現在では、そこまでの成長は諦めたのか、普通に配当金を出す企業になっています。

ちょっと補足をすると、配当を出さずにため込むことを内部留保といったりします。まあ、内部留保という言葉には、厳密な定義は無いので、人によって意味が違ったりするんですけど。

年4回配当を行う企業も

さらには、年に4回配当をする会社もあります。四半期決算のたびに配当をするわけです。アメリカ株などに投資していると、このパターンが多いですね。

配当利回りとは

配当利回りというのは、投資額に対して配当がどの程度あるのかを表す指標です。配当を利息のようにとらえて、配当だとしたら利回り何パーセントというように考えるわけです。

つまり、銀行預金の金利や、債券の利回りなどに対応する概念と考えるとわかりやすいと思います。例えば100万円の預金に対して1年で1万円の金利が付けば、利回りは1%といった具合です。

これと同様に考えると、配当利回りとは、投資金額に対する配当金の割合の事です。配当利回りは次のように計算されます。

配当利回り(パーセント)=(一株配当金÷株価)×100

そもそも利回りって、投資額に対する収益の割合をパーセントであらわしたものですよね。そこから考えれば、知らなくても予想は出来そうですけどね。

問題文のケースを計算してみよう

今回の場合は、株価が200,000円で一株配当金が2,000円です。上の式に当てはめて計算すると、配当利回りは1%であることがわかります。

日本の長期金利が1%を割る時代ですから、それよりも良い配当利回りと言うことですね。この点だけ見ると、なかなか良い投資と言えるかもしれません。

もっとも、最近は配当に力を入れている企業が増えているので、それほど大きな利回りとも言えませんけどね。また、配当だけで投資を決めるのもあまり賢い選択とは言えません。株式投資では、大きく株価が下落するリスクもありますから。

とにかく問題文に示された条件で計算すると、こんな感じになります。ですから、問題文の記述は正しいことがわかります。正解は「○」です。

ちなみに、問題文にあった純利益は今回の計算では使いません。今回求めているのはあくまで配当利回りなので、純利益が出てくる余地はありませんからね。受験者を混乱させるためのダミーとして入れられたのでしょうね。

とにかく、配当利回りは、株式投資では重要な概念です。指標の意味と計算方法くらいは覚えておきましょう。

いつの時点の株価を使って計算するかは悩む

配当利回りでちょっと注意が必要なのは、ネットなどで公表されている配当利回りは、株価の時価(要するに、現在の株価)を使って計算されるという点です。現在その株に投資したら、どの程度の配当利回りがあるかという考え方をするわけです。

ですが、すでに投資済みの株式で利回りを考える場合は、いつの時点の株価を使うのかというのが難しいでしょう。もちろん、時価を使って考えることも出来ます。しかし、取得価格を使って考えたって良いはずですよね。

例えば、1株100円で買った株が、現在200円になっているとします。そして、1年間の1株当たりの配当金が2円だったとしましょう。

このとき、現在の株価に対する配当利回りという意味では、株価200円に対して配当金が2円なので1%となります。しかし、自分の投資に対する配当金の利回りは、100円に対しての2円なので2%です。

株式の売却の判断という意味では、投資した資金に対しての利回りで考えることもあるでしょう。今回の例だと、2%という利回りがあるので、なかなか売りづらいという判断になるのかもしれません。

このあたりはちょっと難しい点です。

もう一つ補足:配当金は1年分の配当金を使って計算しましょう

配当というのは、年に1回だけ行われるわけではありません。年2回とか4回というペースで配当をする会社も存在します。

この点に関して間違いやすいのが、配当利回りを計算する時には、1年分の配当金を合算して利回りを出す必要があるという点です。例えば、中間配当が5円で、期末配当が10円だったら、配当利回りは配当金15円もらったとして計算する必要があります。

これは、配当利回りが金利の計算と同じ考え方から来ている事を考えると、当たり前ですよね。金利は1年分の利息がどのくらいの利回りであるかというものですから。

当たり前なのですが、意外と勘違いしやすいようです。注意しましょう。

配当利回りを基準に投資する人も多いようです

一般に株式投資というと、株価の値上がりを狙って投資される事が多いでしょう。安く買って高く売ることで、差額分が儲けになるという考え方ですね。この考え方をする人がほとんどです。

確かにその通りで、株式投資で大きく儲けようと思ったらこの方法しかないかもしれません。

しかし、配当金を得ることを目的に、株価が安定している企業に投資する事もあります。堅実に儲けようと思っているのなら、配当金にする方が賢いのかもしれません。

最近は配当を増やす企業も多く、配当利回りが2%を超えるような企業も見られます。預金などの限りなくゼロに近い利回りと比較して興味をもつ方も多いでしょう。

実際、2017年現在では、年3%台とか4%台という利回りの会社がざらにあります。これが金利だと考えると、とんでもない高金利ですからね。

ちなみに、電力やガスなどの業種がこのタイプの投資に向いているといわれていました。ただ、東日本大震災とその後の原発事故で、状況はだいぶ変わっています。

株主優待まで含めてちょっとしたカオスに

あ、そういえば、最近は配当金だけでなく、株主優待まで絡めてくることが多いようですね。株主優待の価値を考えると、実質の配当利回りは何パーセントみたいな議論をやっているのを見かけます。

もちろん、そういう点を考慮してもいいのですが、株式には株価が下落するリスクもあることをお忘れなく。景気のいい話だけではないですよ。

具体例を見てみましょう

配当利回りを意識した投資に関して、一つ、具体例を見てみましょう。

これを書いている現在(2018年1月)、日産自動車では株価に対して4%以上の配当を支払っています。つまり、日産自動車の株を10万円分持っていたとすると1年間に配当が4,000円ももらえるという事です。配当利回り4%は、なかなかの数字です。

これは銀行預金などと比べてととんでもなく高い利息だと考えられませんか?銀行の定期預金でも、0.01%という時代ですからね。

0.01%だとすると、10万円預けてどうなるんだ?1年間で10円の利息ですかね。利回りが小さすぎて、一瞬計算に悩みますね。

すごく頭の悪い煽り方ですが、「4,000円と10円ではどっちがいいですか?」というような表現も出来ます。預金を引き出すだけでも100円以上かかるご時世で、10円って。

株価は下がることもあるから注意して

もちろん、株式ですので株価が下がって損をしてしまうという可能性はあります。下手をしたら、10万円が5万円になってしまう可能性だって、会社が潰れて0円になってしまう可能性だってありえます。

そんな思いをしてまで増やそうなんて思わないという方もいるでしょう。それは、それでもっともな考え方だと思います。立派な見識です。

そんな方に、ムリにお薦めする気はありません。

損をする可能性があるのをわかった上で、タダ同然の利息しかつかない銀行預金に預けておくのが嫌な人は、「配当利回りに注目して投資することも出来る」よという話ですから。リスクが嫌なら、手を出すべきではありません。もっとも、この手のタイプだと、ここまで読んでいない気もしますけどね。

それ以上に、ぜひ注意していただきたいのですが、配当利回り狙いで投資する場合も、株式投資に関する基礎知識は学習しておきましょう。株価下落のリスクもあるわけです。配当中心の投資を考えるのでも、「株価が下がりにくい会社かどうか」とか、「潰れにくい会社かどうか」といったチェックは必要です。

完璧に予想するのは無理でも、ある程度の事は可能です。株が割高だと反応するファンダメンタルズの指標とかりますしね。

一生もののお金の知識を身につけよう!

お金の知識は、すべての人に必要な知識です。しかも、一生ものなんです。

でも、難しいのが、何から手を付けたら良いかでしょう。お金の知識と言っても範囲が広すぎるので、どこから始めたら良いか分からないわけです。

そんな人におすすめなのが、ファイナンシャル・プランナーの知識です。FPと言われてるやつですね。

とりあえず、ファイナンシャル・プランニング技能検定の3級レベルの知識だけでも身につけておくと、日常生活でもかなり役に立ちます。わざわざ資格を取る必要は無いと思いますけどね。

率直に言って、これだけで十分とは言えません。でも、知らないよりはずっと合理的な判断ができるはずです。

ちなみに、ゼミネットというサイトを使うと、9,000円で20時間分の講義動画を繰り返し見ることが可能です。とりあえず、お金の知識を身につけたい人は、ぜひ使ってみてください。

あ、もちろん、興味があれば資格にチャレンジしてみるのも悪くないと思います。3級なら特に受験資格も必要ありませんし。

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